shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題31

 

 

みなさんこんにちは、shanです。

今回紹介する作品はこちら。

 

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きまぐれテンプテーション

 

2019年9月27日に、シルキーズプラス WASABIより発売された「きまぐれテンプテーション」です。シルキーズプラスといえば、老舗エロゲメーカー「エルフ」の流れをくむブランドであり、本作と同じくWASABIチームが手掛けた「なないろリンカネーション」や「あけいろ怪奇譚」、他には別チームの「景の海のアペイリア」なんかが有名であると思っています。本作は萌えゲーアワード2019にて「準大賞、金賞・エロス系作品賞PINK」を受賞したことでも有名であり、またシナリオ担当が、「9-nine-」シリーズをてがけたかずきふみ先生であることからも、ずっとプレイしたい作品でした。

本作は、きみしま青先生のかわいいキャラデザに反して、ホラー要素を含む割とガチ目の怪奇物であり、いい意味で予想を裏切られたとともに、そういうのが好きな自分としては同じくシルプラ+かずきふみ先生の作品であるなないろとあけいろもプレイしたくなりました。

 

自分はホラー要素は事前にあると分かっていなければ、怖くてプレイできないので、この作品に関してはホラー要素がある、という前情報だけは持ってプレイしました。

プレイを終えてから振り返ると、若干のブラクラ要素を含むものの、思っていたよりは大丈夫だったかな、という印象を受けました。

また、本作はE-moteを採用しており、立ち絵のみですがアンネリーゼが(ゆさゆさ)動いてとてもエッチでよかったです。シーン中は一枚絵になってしまうのですが、有償パッチでE-mote化できるとか...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

ロープラ作品であり、ヒロインはアンネリーゼ1人のみ。全体としてのプレイ時間は8~10時間ほど。

シーン数は8回で、うち1回はフェラのみ、うち1回はパイズリのみ。

エンドが6つあり、Normalエンド(【後悔】【終幕】【解決】)が3つ、Badエンド(【----】【  】)が2つ、Trueエンド(【約束】)が1つ。

ルート分岐は主人公のアンネへの好感度によって決まり、好感度が最高だとBadにしかいかないのが、ひねってあって面白いと思った。

また、本作はかずきふみ先生がインタビューで昔ながらのエロゲ―を意識して作ったと言われているように、探索パートでキャラクターとの会話や部屋を調べることでフラグを立てたり、アイテムを回収したりしていくADVとなっており、新参者の私にとっては逆に新鮮に感じるとともに、行ける場所がマンションの各住人の部屋しかなく、タイムリミットがあるのですごくTRPGみを感じたりしていた。メモ帳機能で、事件の情報が書き込まれていくのもそれっぽい。

オススメの攻略順は

【----】→【後悔】→【終幕】→【解決】→【  】→【約束】

物語の真相が明らかになる順がこれだが、Badの2ルートには中盤の選択肢で完全に分岐してしまうため、この順番でやるのは少しめんどくさい。

 

 

・あらすじ

 

怪異と呼ばれる存在が明らかになり、日本政府によってひっそりと管理されるようになった時代、人ならざるモノを管理し調伏するための公的機関「陰陽寮」に所属する陰陽師である主人公、巽悠久(たつみはるひさ 19歳)は、とある依頼を受ける。

とあるマンションで、四人の住人全員が死亡する事件が起こり、その遺体は腹を裂かれた上に臓器が持ち去られているという不可解極まりない状態で発見されたというものだ。マンション内に満ちた濃い瘴気が、事件の背後に霊的な何かが存在する事を匂わせている。主人公は呪いや瘴気に対して耐性を持っており、それゆえにこの事件の解決を命じられ、マンションに派遣されてきた。マンションには現地協力員として、イギリスから日本のオタク文化に触れるためにやってきた悪魔、アンネリーゼがいた。アンネは夜の眷属(サキュバス)でありながら、今まで人と関わってこなかったため経験がなく、主人公の師匠から、主人公に協力する条件に事件解決後にこのマンションに永住する権利と、主人公から精気を吸っていい権利を得ていると言う。こうして、主人公はアンネのエッチな誘惑をかわしつつ、事件の調査をすることになるのだった、という話。

アンネが、自らが悪魔としては夜の眷属に分類されることを明かしたのち、すぐに主人公とHするのは、ロープライスらしい巻きの進行で、ちょっとおもしろかった。

ここからはアンネと一緒に各住人の部屋を回り、情報を収集して事件の真相を追っていくことになる。なお、マンションは呪いの影響によって徐々に異界化して此岸と彼岸の狭間の世界に引きずられはじめ、2日目には外に出られなくなる他、5日目までに事件を解決しないと、完全に現世と切り離されて戻れなくなる。

 

死んだ住人達は、いまだ「天使」となって部屋にとどまっている。「天使」たちは普通の人には見えない存在になっているが、主人公は霊的存在を見る力があり、彼女らは「教え」に従って行動し、「マザー」を崇拝している。「天使」たちは人間だった頃の名前を捨て、過去の記憶も持っていないようだが、主人公たちは唯一話の通じる方だった「ハーヴィー」という天使から、その用語の意味について聞きだすことに成功する。

 

「マザー」

「天使」たちを「神の胎」へと導いた存在。「天使」たちの教祖のようなもの。

ちなみに「神の胎」とは、このマンションの事を指す。神から産まれた存在である「天使」が暮らす場所だかららしい。

主人公は、このマンションの大家がマザーの正体であると推理する。

「教え」

マザーが提唱した、宗教の教義のようなもの。主人公が天使の1人であるサリィから受け取った教典には、七つの大罪を美徳とし、自分の欲望に素直に生きることが説かれていたが、それ以外はマザーなる人物の稚拙な自叙伝と呼べる内容であり、陳腐なものだった。

「天使」

人としての名前を捨て、神にその身を捧げた姿。人の身体から解放され、「教え」に従って自由に生きることができる。「天使」たちは「家族」であり、その枠組みにも縛られている。神にその身を捧げる、とは自殺のことを指し、自らが腹を裂いて出てきた内臓を自らの霊体が喰らうことで、陰陽師で言う「式神」またはその中でも特に人型のものを指して「鬼」と言われる怪異存在になることができ、「天使」とはその「鬼」のことである。

また「天使」たちには体のどこかに呪いの刻印が施されている。

 

これらのことから、主人公は「天使」たちがマザーに名前を奪われ、呪いの刻印をされたことで、マンションに縛り付けられているという推理をする。しかし、マザーの所在は不明であり、主人公はさらなる調査を継続する。

主人公は妖刀と呼ばれる類の刀を持っており、それで斬るだけで大抵の怪異は消滅するため、事件解決のためには「天使」たちを斬ればすぐに終わるが、師匠から事件の真相を解明しろという命令を受けているため、また、主人公に害を与えてこない「天使」たちを斬るのはためらわれるため、聞き込みを続ける。

 

この徐々に明らかになってくるカルト的な雰囲気がとても好き。カルト宗教を題材にした怪異物大好き。

 

主人公たちは調査を続けるが、徐々にマンションが呪いに浸食されていき、結界を張っている主人公の部屋以外は瘴気が充満し、また主人公の部屋がそうなるのも時間の問題となる。主人公は事態を進展させるため、結界外で教典を読んでみることにする。結界外で開いた教典は、読んだものの精神に干渉してくる呪いを持っており、読んだもののトラウマを掘り返すことで精神を揺さぶり、強制的に「家族」になるように洗脳してくる効果を持っていた。

ここで主人公のアンネに対する好感度がマックスだと、教典によって増幅された色欲に囚われてしまう。主人公はアンネに欲情し、それを抑えきれないとアンネとセックスすることが主人公のすべてになってしまい、タイムリミットが過ぎ、出られなくなったマンションで永遠にセックスをすることになって【----】エンドになる。

 

そのほかのエンドは、各キャラの解説が必要なので、キャラの個別紹介欄で説明していくことにする。

 

 

・キャラ

 

f:id:shanxdl:20210722152004p:plain クーリィ

 

 201号室の住人である天使。部屋一面に大麻を栽培しており、自身もそれを吸って常にラリっている薬物中毒者。一見主人公たちに友好的に接するが、自身に関することと大麻に関することを聞かれるとキレる。

他の天使たちと比べて、服装が一番まとも(制服で、現実に近い)であることから、主人公は彼女が一番正気に近いと判断する。服装のことを指摘することで、彼女の精神を揺さぶり、彼女を天使状態から正気に戻すことができる。

 なお、本作ではマンション外にいる協力者と携帯で連絡を取ることができ、その人が調べてくれた「天使」たちに関する情報が日時の経過とともに明らかになっていくようになっている。

本名は霧生晶(きりゅうあきら)、18歳。私立の有名女子校に通う高3で、実家は裕福な資産家。しかし、自分をお嬢様という記号でしか見てくれない両親に嫌気がさし、居場所を求めて裏社会に足を踏み入れるようになる。そこで薬物の売人になり、学校で薬物を売り捌いたり、大麻を栽培してそれを上納したりするようになる。このマンションは、大麻栽培のための拠点として借りたが、マザーとサリィに栽培の現場を見つけられて逆に脅され、裏社会での立場を乗っ取られてしまう。2人に復讐するため機会をうかがっていたが、薬物を打たれてマザーの儀式に無理やり参加させられ、サリィに腹を裂かれて死亡した。

 実は天使にはなっておらず、霊体として、マンションに縛られているが、主人公は霊体と人間の区別がつかない系の能力者なので、気付けなかった。物語終盤では、呪いによる洗脳が激しくなり、自我を失って主人公に襲い掛かってくる。選択肢を間違えずに呼びかけて正気に戻すと、サリィと売人が取引をしている現場の写真及び薬物の現物を証拠として譲ってくれる。

 

愛情に飢えた結果グレてしまったというよくあるキャラだが、一番危なそうなキャラが実は一番わかりやすいという設定がよかった。

大麻はダウナー系で、メタンフェタミンはアッパー系とか、薬物用語が意外と詳しくて面白かった。

CVはあじ秋刀魚さん。この人はなんかまともなキャラをやっているイメージがない。今回もヤク中キャラだし。攻略できないので、声の感想は特になし。

 

f:id:shanxdl:20210722154351p:plain ハーヴィー

 

202号室の住人である天使。部屋には漫画や小説が散乱しており、いつも液タブの前に座っている。一番人格がまともで、主人公たちとまともな受け答えができ、色々なことを教えてくれるが、自身の過去のことと事件に関することは頑なに話さない。

正体は同人BL漫画家兼同人エロ漫画家兼Vtuber(炎上して引退)で、主人公はそのペンネームとVtuberとしての名前を突き付けることで、彼女の天使としての仮面をはがし、人間として対峙してもらうことに成功する。

本名は楠(くすのき)みりあ、20歳。遅筆なために漫画の執筆と、アルバイトが両立できず、家賃の安い(月2万)このマンションに引っ越してきた。引っ越してきて徐々に明らかになるマザーとサリィの異常性におびえながらも、その性格のため断ることができず、適当に話を合わせていた。そのため、マザーとサリィからある程度信頼され、後述するロゥジィのお世話も任されていた。マザーが「神の祝福」であると称して渡してくる薬物はいつも使わずに捨てていたが、儀式当日、マザーの目の前で薬物注射を強要されたため、断ることができず、投与。その結果加減がわからずオーバードーズ状態になって意識が朦朧としたところを、サリィから言われてロゥジィのお腹を裂く。その後、サリィにお腹を裂かれて死亡した。

彼女も実は天使ではなく霊体で、ロゥジィを殺してしまった罪の意識から精神に隙ができ、呪いに洗脳されて主人公に襲い掛かってくる。説得できると、彼女がマザーに頼まれてサリィに内緒でデザインした、それぞれの天使の衣装スケッチを証拠として入手できる。

 

一番の協力者だが、闇がある系のキャラ。属性がてんこ盛りで、Vtuberという新しめの概念が出ていることも時代を感じさせる。

CVは手塚りょうこさん。ずっと気になっていた方で、是非もっと演技を聞きたかった。

 

 

f:id:shanxdl:20210722160243p:plain ロゥジィ

 

103号室の住人である天使。部屋はお菓子の袋やペットボトルが散らばり、足の踏み場もないほどの汚部屋と化している。いつも眠そうで、主人公たちが訪問してもそもそも姿を見せてくれないことが多い。

 彼女がミスリード要員となっており、主人公たちは部屋にある大量のお菓子の袋を見て、彼女がお菓子を食べて生きていると考えるが、冷蔵庫の中のお菓子が減っていなかったことから、彼女が食べ物を必要としない、つまり肉体を持たず、天使になっていないことに気付く。

本名は野々宮花音(ののみやかのん)、19歳。高校入学後すぐに、両親の過剰な期待に潰れてしまい、無気力になって不登校になってしまう。両親はその対処法として、知り合いであったマザーの管理するマンションで1人暮らしをさせることにした。当初はマザーの「教え」に従い、怠惰な生活を送っていたが、部屋を掃除しなかったことがマザーの眼に止まり、部屋を掃除するように言われる。しかし、掃除をしたくなかったロゥジィはこれを拒否。以降「マザーの教えに反している」ため「教育」と称してサリィから日常的に暴力を振るわれるようになる。それでも決して掃除をしなかった結果、暴力は徐々にエスカレートし、ある日から「素直になるための薬」として薬物を日常的に投与された結果、開きっぱなしの口からよだれを垂れ流す廃人になってしまう。

 儀式の日は無理やり儀式の場に連れてこられ、抵抗できないままハーヴィーにお腹を裂かれて死亡する。

彼女を救いに行こうとするとサリィによる妨害が入り、消滅する寸前になるが、呼びかけの結果サリィより主人公の声を聴いてもらうことに成功すると、意識を取り戻す。正気に戻った後は、自身がサリィに暴行されている録音データを証拠として渡してくれる。

彼女も天使ではなく霊体。またハーヴィーは、恐怖からロゥジィがサリィに虐待されているのを見て見ぬふりをし、それでも廃人同然になったロゥジィのお世話をする自分を偽善者だと思い、罪の意識を感じていたが、ロゥジィはハーヴィーに対しては感謝の気持ちしか持っておらず、かなり純粋無垢であることがうかがえる。

死ぬよりも掃除する方が嫌だとか、どれだけなんだと思わなくもないが、この暴行音声がよくできていてかなり胸糞だった。

CVはくすはらゆいさん。やっぱり演技がうまいと再確認させてくれるような、すばらしいものだった。

 

f:id:shanxdl:20210722162311p:plain サリィ

 

102号室の住人である天使。部屋を訪問してきた主人公たちに対し、マザーの教えを説くことと、神に祈ること、それだけを伝え、他の質問には答えようとしない。また、初めて訪問したときには、腰に下げた教典を主人公に渡す。話が通じないことから、まさにカルト宗教の狂信者を思わせる。

彼女こそが諸悪の根源であり、物語全体を通して、主人公たちに敵意を向けてくる。

本名は綾瀬沙也香(あやせさやか)、25歳。派遣社員だったが、コミュニケーション能力が皆無であることから、会社でいざこざを連発し、クビになることを繰り返して、最後にはパワハラで鬱になってしまう。その後、自宅で療養していたが同年代が次々と結婚していくのを見てさらに鬱が加速し、地元を離れてこのマンションに移り住んできた。マザーと出会い、その教えに従って生きることで自信を取り戻したかのように見えたが、新たにやってくる入居者=「家族」に対して、マザーの側近という立場から、人の上に立つ喜びを知ってしまったことで承認欲求が加速し、他の住人を威圧したり、ロゥジィに暴力を振るうようになっていく。口ではマザーの教えを説いているが、実際はそれを全く信じておらず、正気のまま他者を虐げる本物の外道にしてクソ野郎。

儀式当日はマザーのため、という大義名分で他の3人を殺すように仕向けるが、その後マザーを殺そうとしたところで、我に返ったマザーによって逆に殺される。どこまでも自己中心的な性格で、儀式当日も、自分が他人を殺す側に回るという承認欲求を満たすために参加しただけで、自分が死ぬつもりはこれっぽっちもなかった。

この物語の悪役をすべて引き受けたキャラで、それにふさわしく全く同情の余地のないゴミ。ここまでの悪党を出してきたのはいっそすがすがしいし、結局事件は怪異とは関係なかったというオチもいい。また、ロゥジィやクーリィからオバサン呼びされていたのが面白かった。

CVは鈴谷まやさん。最後のバトルシーンでは姿が禍々しくなり、声もノイズの混じったボイチェンになるため、演技としては何とも言えないところがある。

 

彼女も天使ではなく霊体で、ただ魂がむき出しになったことにより、特殊な力を使えるようになっていた。物語最終盤では、本性を現したサリィと、主人公とアンネがバトルすることになる。

 

ここで、これまでに救った人数によってエンドが変わる。

 

0人

主人公たちはクーリィ、ハーヴィー、ロゥジィを消滅させてしまったことを悔い、全ての元凶であるサリィを消滅させることで事態を解決しようとする。

この期に及んで自己中心的な言い訳を続けるサリィに主人公たちは愛想をつかし、主人公の妖刀でサリィを斬って消滅させ、マンションの呪いは解かれる。

しかし、消えた内臓の行方、またマザーの行方など事件には多くの謎が残ってしまうのであった。主人公は報告のため一旦マンションを離れるが、戻ってきたときにはアンネの姿はなく、これ以降主人公はアンネに会う事はなかった。【後悔】エンド。

 

1or2人

 主人公たちはサリィの信仰の壁を破るべく証拠を突き付けるが、証拠が足りずにサリィの虚勢を論破することはできなかった。これ以上は真実を聞き出せないと判断した主人公によってサリィは斬られ、事件の謎は残り、アンネは姿を消した。【終幕】エンド。

 

3人

証拠がすべてそろっていると、サリィの虚勢を破ることができる。サリィは逆ギレし、全ての責任をマザーに転嫁し、自分の都合の良いように事実を捻じ曲げる。主人公はあまりに見苦しいその姿に、サリィを斬ろうとするが、その前にキレたアンネによって消される。サリィからは、儀式は地下室で行われたと言う証言を得ることができ、主人公たちはその地下室を探すことになる。

地下室への階段はアンネの部屋に隠されており、それがアンネの自己申告によってわかる。主人公たちが地下に降りると、そこにはマザーの死体があったが、マザーの魂はそこにはなく、マザーはすでに成仏していた。

 

さらにここからエンドは3つに分岐する。

 

主人公のアンネに対する好感度が3段階中で1番低いと、主人公はこれをもって事件解決とし、マンションを去る。しかし、実は住人の霊たちに施された呪いの刻印は消えておらず、まだマンションに縛り付けられたままだった。霊たちはアンネの頼みによって主人公にそれを隠していた。主人公の去ったマンションでアンネは静かに何かを待っていた。【解決】エンド。

 

主人公のアンネに対する好感度が3段階中で1番高いと、主人公はアンネこそが、儀式によって臓物を喰らって産まれた存在、呪いの元凶であることに気付く。実はアンネはハーヴィーが書いていた漫画に出てくる魔女の使い魔のサキュバスがイメージ元となっており、ハーヴィーはそのことに気付いて漫画を主人公に渡していた。そのことを聞いた瞬間、「天使」アンネリーゼが本来の姿を現し、主人公を「家族」にしようと襲ってくる。主人公はアンネに情を移し過ぎた結果、アンネを斬ることができず、アンネとこのマンションで永遠に暮らすことを受け入れる。【  】エンド。

 

主人公のアンネに対する好感度が3段階中で2番目だと、主人公はアンネが主人公に斬られようと、わざと主人公を襲うような言動をしていることを見抜く。アンネは儀式のときの4人の住人たちの最期の願いを集めて生まれた存在であり、それゆえ4人の霊体と少しだけつながりがあった。サリィを自分の手で殺した理由は、他の3人がサリィを殺したいと願ったからであったが、サリィの性質をアンネは引き継いでいるため、「家族」を増やしたいという思いに抗えないでいた。アンネは存在するだけで他人を害し、殺してしまう「呪い」そのものだったが、祓われる前に、自分という存在を誰かの中に残したかった。その願いを、マンションにやってきた主人公の師匠に話した結果、やってきたのが呪いの効かない体質を持つ主人公だった。アンネは、「怪異は人の思念から生まれる」ことを利用して、一度自分を祓った結果、主人公の中に残った思い出から、もう一度、今度は人に害をなさないアンネを生み出してほしいと主人公に頼む。主人公はアンネと再会の約束をし、アンネを斬るのだった。エピローグでは1枚絵が表示され、主人公の式神となったアンネが2人で陰陽師の仕事に出かける様子が見られる。【約束】エンド。

 

Trueエンドで主人公が、アンネを復活させるためにとった手法は、「外道に手を染める」としか明言されていないが、CGでは主人公の左手が失われているようにも見える。方法はわからないが、このままだとご都合過ぎるので、もう少し具体的でもよかったと思う。

それを別にしても、怪異の性質を活かした、このTrueの持っていき方は結構いいと思った。

 

f:id:shanxdl:20210722171214p:plain アンネリーゼ

 

主人公の協力をしてくれる悪魔。本当は「天使」アンネリーゼ。この作品の「天使」はいわゆる一般的な「天使」とは意味合いが異なるので言葉に意味はない。イギリスから来たというのもハーヴィーの漫画にあった設定を使ったもの。住んでいる部屋もマザーの部屋で、地下室から漂ってくる死臭を、部屋に4つ置いた芳香剤で誤魔化していた。

最初にあった時は一人称が「あたし」「私」「ボク」「うち」とコロコロ変わったり、性格が変化したりするため何の伏線かと思っていたが、住人4人が混ざっているためだった。主人公のことは「ダーリン」と呼び、常に精気を狙っているが、空気の読める律儀な面も持つ。

衣装差分が豊富にあり、ゲーム中の5日間で毎日服が変わる。他のゲームもそれくらいしてくれたらいいのに。

デフォルトの衣装の過激さと、胸の大きさが相まって立ち絵のE-moteではかなり揺れるのがまた良き。さらに乳輪を消すことにより、このキャラデザで全年齢化することに成功した。それだけでいいのか...?

CVは歩サラさん。下ネタOKの明るい女友達ともいうべき性格と相まって、かなり魅力的なキャラに仕上がっていたと思う。HシーンのCGもかわいいものが多くてとてもよかった。

協力者が実は真犯人だった、というオチだが、ウソの中にも主人公への愛情が感じられる、いいシナリオになっていたと思う。個人的にはTrueの展開も好き。

 

 

マザー

立ち絵無しだが一応紹介しておく。

本名は太田寿子(おおたひさこ)、48歳。幼いころから両親の過干渉を受け、束縛されてきた過去を持ち、両親が事故に遭ってからはその介護を任されていた。3年前両親が死亡したのをきっかけに自由となり、父親の所有していたこのマンションを受け継いだが、他者とのつながりを求めて、鬱病だったサリィをマンションに引き取り、お互いを「家族」と思えるほど、悪く言えば共依存的な生活を送っていた。次第に他にも「家族」を増やしたいという欲求が芽生えるようになり、新しい「家族」を求めてマンションの住人を増やしていた。しかし、他人との接し方がわからないため、住人に昼夜問わず、マスターキーで勝手に部屋に押し入って世話を焼いたり、外出時には行き先を申告させ、帰宅時には証拠を提出させるなどの過干渉を続け、それに加えてサリィと一緒に「教え」を説くことで住人を洗脳しようとした。儀式中のサリィの暴走によって正気に戻ったが、時すでに遅くサリィに殺された。しかしサリィは道連れとなった。

「死」こそがゴールであり救済であると考えていたため、魂は現世にとどまらず他の住人と違ってマンションに縛られることなく成仏した。

虐待されて育った子どもが親になると、自分の子どもを虐待するようになる、の典型を行くオバサン。話の中にしかでてこないため、悪役度はそんなに高くないと思った。

 

・終わりに

 

いい意味で期待を裏切られる、いいゲームだったと思う。ロープライス作品の定めで、シナリオゲーに近いのにシナリオが物足りなかったため、他作品もやってみたくなった。