shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題47-1

 

みなさんこんにちは、shanです。

今回は大いなる戦いに向けて第一歩を踏み出したので、その始まりについて記録に残していきたいと思います。

 

というわけで、今回の作品はこちら。

 

 

月に寄りそう乙女の作法

 

Navelより2012年10月26日に発売された「月に寄りそう乙女の作法」です。略称は「つり乙」です。本作は萌えゲーアワード2013の大賞を受賞しており、またNavelの代表作として、数々の続編が作られています。

女装主人公ものの金字塔としても評価が高く、「オトメ*ドメイン」(時系列は逆ですが)の評価が高かった私としては、長らくプレイしてみたい作品でした。

なお今回は、2023年1月27日に発売された「月に寄りそう乙女の作法10周年アニバーサリーボックス」(通販版)を購入し、それをプレイしています。このBOXには過去に頒布されたドラマCD21枚と、特別録り下ろしドラマCDが付属しているので、いずれその全てを視聴するつもりです。
私がプレイしたのは、2013年7月26日に発売された続編のLimited Editionに付属していたパッチ修正済のFull Voice Editionで、主人公にフルボイスがついているほか、アフターストーリーが追加されています。

ただし、本シリーズは続編が多いために、公式から推奨プレイ順が明言されている作品で、それに従うと、本編アフターストーリーは、続編の「乙女理論とその周辺」をプレイ後にすること、となっているため、それに従って現時点ではまだプレイしていません。

また、Navelは登場人物の名前を固有名詞で縛ることが多く、今回は銀行縛りです。ヒロインの名前には違和感はありませんでしたが、主人公の妹(続編で攻略ヒロインに昇格)の名前が「りそな」なのはやりすぎだったのと、主人公のあだ名を「ゆうちょ」にするために本名を「遊星」としたのは、スターダスト・ドラゴンが浮かんでくるのでやめてほしかったです(5D'sの放送は2008年なので言い訳できない)。

 

なお、作中の世界線の大まかな分岐は下記のようになっているようです。

Navel公式から、特定のルートを「正史」とすることはしないことが明言されています。

 

まだ1作目をプレイしたのみですが、1作目のキャラにまあまあ愛着がわいているので、1作目のみヒロインが単独作品としてアフターストーリーをもらえず、アペンドディスク扱いになっているのが少し残念です(アペンドのアフターストーリーの尺が長い可能性はある)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

攻略ヒロインは4人。私は古いゲームにおいてはヒロインの推奨攻略順だけは見るようにしていて、それに従って今回は湊→瑞穂→ユーシェ→ルナ→BADの順で攻略した。

BADエンド後の世界線が続編に繋がっているので、続編をやるならばBADエンドは一番最後を推奨。そのほかの順番も、湊だけ明らかにルートの雰囲気が異なるので、この順番で問題ないと思われる。なお、どのルートを誰が担当したかは公開されており、ルナとユーシェを東ノ助、瑞穂を森林彬、湊を全員(王雀孫、東ノ助、森林彬、プロットは東ノ助)で書いたらしい。1ルートを複数ライターで書いてはいけない(戒め)。

プレイ時間は共通ルートが8~10時間で、個別ルートも8~10時間ほど。今回は主人公にセリフがついていたのもあって、プレイに時間がかかる原因となっている(悪い事ではない)。

回想数は本編のみで

ルナ   3

ユーシェ 3(うち1回は愛撫のみ)

瑞穂   3

湊    4(うち1回はフェラのみ)

となっている。女装ものなのでそういうものなのかもしれないが、主人公が受け身なシチュが多い。主人公が女装したままするシーンがほとんどなので、百合ゲー風味も味わえる。

 

・あらすじ

 

主人公、ヒロインの境遇共にかなりシリアスで重いが、Navelの社風として明るい雰囲気を盛り込んだ結果、ものすごく前向きなキャラに仕上がっている。

 

主人公、大蔵遊星(おおくらゆうせい)は、日本有数の名家である大蔵家の妾腹の子として産まれた。母は大蔵家当主の愛人として、当主と同じマンチェスターの屋敷で暮らしていたが、当主以外の家人からは冷遇されており、主人公は学校にも通わせてもらえず、屋敷に幽閉され、将来大蔵家の要人を補佐するための英才教育を、半ば教育虐待のようにされながら幼少期を過ごした。主人公は、病弱だった母の存在だけを心の支えにして、「誰かのためになるのは立派なこと」という母の教えを半ば呪いのように胸に刻んで生きていたが、ある時、本妻が日本からマンチェスターの屋敷を訪れることになった。主人公は住んでいた屋根裏部屋から一歩も出ないことを厳命されていたが、階下から女の子の泣き声が聞こえてきたので、母の教えを思い出して部屋の外へと出てしまう。そこで、屋敷にいた使用人たちの子どもに、英語がわからないためにいじめられていた、腹違いの妹「りそな(里想奈)」と始めて出会った。さらに主人公は、腹違いの兄「衣遠(いおん)」にも出会う。衣遠は主人公の10歳年上だが(この時主人公は10歳くらい)、出会ったときには既にアパレル会社の社長をしており、周りの人間を才能でしか評価していなかった。衣遠は主人公のことを弟だと認識しているものの、主人公に才能があれば自分の下で働かせようと目論んでいた。

主人公は屋根裏を出たことが家人にバレてしまい、1人でマンチェスターからボーヌのワイナリーにある別宅へと異動させられることになってしまう。主人公は部屋を与えられず、ワイン蔵で寝泊まりしながら、昼は肉体労働をして、夜は勉強をさせられるという地獄のような日々を送ることになり、徐々に心が死んでいく。そんな折、母が病で倒れたという連絡を受け取り、どうにか時間を作って見舞いに行こうとしていた矢先に今度は母の訃報が届く。それで絶望してしまった主人公は、ただ漫然と何日かを過ごすが、突然何者かがワイン蔵に押し入ってくる。ワイン蔵へやってきたのは、衣遠の関係者であるジャン・ピエール・スタンレーという男だった。主人公は自暴自棄になり、この強盗を殺して自分も死のうと考えるが、スタンレーの撃った銃弾を咄嗟にかわしてしまう。これで主人公は自分にまだ、生きたいという意志があることに気付いた。スタンレーに殴られて意識を失う中、主人公は現実で母に言えなかった「産んでくれてありがとう」という言葉をやっと夢の中で言う事ができ、再び人生への希望を持つことができた。主人公はこの一件からスタンレーを尊敬するようになり、スタンレーの教えである「ああ、楽しかった」と言って死ぬような人生を送りたいと思うようになった。また遅れてやってきた衣遠によって、主人公は日本へと連れていかれることになった。

主人公の過去編でも1本シナリオが作れるような重厚さがあり、プロローグとしてさらっと流されてしまうのがもったいなくもあった。だからこそ、続編がたくさん作れたのかもしれない。名前については衣遠は男なのでどうでもよく、りそなだけ最初は違和感があったが、そのうち慣れてきた。

主人公が日本に来てから4年が経ち、主人公はアパレル会社社長の兄の下で服飾技術を学んでいた。主人公には服飾関係の仕事をしたいという新しい夢ができたが、才能が無く兄には既に見限られ、きたる時に大蔵家の役に立つため、りそなの世話係という名目で飼い殺されていた。りそなもまた、対人恐怖症のため学校を不登校になり、大蔵家の血を残すための政略結婚の駒として、衣遠に飼い殺される生活を送っていた。それでも主人公は服飾の仕事に就きたいという夢を諦めきれていなかったが、そんな時、スタンレーが日本に服飾の専門学校を設立するという話を聞く。スタンレーは新進気鋭の若手デザイナーで、まだ主人公が兄に見限られていなかった時は、主人公の友人として話をしてくれたこともあったが、今は兄の目があるため、会う事は不可能だった。それでも、主人公は今でもスタンレーのことを尊敬していた。そこで、どうしてもスタンレーの学校で、もう一度服飾の勉強がしたかった主人公は、その女性専用の服飾専門学校「フィリア女学院」に、りそなの助けもあって女装して入学することに決める。その学校には、活動資金を募るため、莫大な寄付金を支払う代わりに入学試験免除で入れる特別クラスがあり、またそのクラスの生徒には付き人として1人だけメイドの同伴が認められていた。衣遠が出資者としてその学院に関わっているため、学院の生徒として名簿を見られたり、面接時に顔を見られたりするとバレてしまうので、主人公はメイドとして学院に入学することにする。また、偽名として「小倉朝日(こくらあさひ)」と名乗る。

なお、これはお金持ちのお嬢様に、一から服飾の基礎を教えている時間はないため、同伴のメイドに授業を理解させ、帰ってからお嬢様に復習をさせる制度であるらしいのだが、それは学校として破綻していると思う。専門学校だからいいのかもしれないが。しかし、専門学校と言っておきながらカリキュラムが3年間だったり、文化祭などの行事があったり、制服があるところは明らかに高校を意識していた。

主人公はりそなとネットで知り合った友人であり、フィリア女学院に入学することが決まっていた桜小路ルナ(さくらこうじるな)の元へメイドの面接に行く。ルナは旧華族の次女であり、実家は落ち目だが、自身は株で儲け、それを元手に始めた事業もうまくいっているため、個人で莫大な財産を築いており、今は実家が売りに出した別宅「桜屋敷」を高値で買い取ることで、実家に間接的に金を渡すとともに、ほぼほぼ実家とは縁を切った状態で、使用人を除いて1人で屋敷に住んでいた。また、事業は信頼できる部下に任せ、今は以前からやりたかったデザイナーの勉強をしているところで、学院の規定として付き人を探していたが、自分で勉強をしたいという変わった人物だった。ルナはアルビノで、それ故実家では忌み子として嫌われていた面もあったが、主人公がルナを見て驚かなかったから、という理由で採用してもらえる。またルナも、元々ルナのメイド長をやっていた山吹八千代(やまぶきやちよ)も、主人公の女装には一切気づかなかった。

八千代は、昔スタンレーと同じ学校でデザインを学んでいたことがあり、家庭の問題でデザイナーを諦めた過去があった。しかし、八千代は今回の学校設立にあたって講師を頼まれており、それでルナのメイドができなくなるので、代わりに主人公をルナ付きのメイドとして任命したのだった。主人公は入学前の3月から、ルナの家に住み込みで働くことになった。他人との関わりが嫌いなルナだったが、授業でグループワークがあった場合に備えて、事前にクラスメイトの何人かとは仲を深めておくべきだと言いだした。そこで、幼少期からのルナの数少ない友人で、同じく女学院に入学することになっていた2人が桜屋敷で共に暮らすことになった。1人はユルシュール=フルール=ジャンメールというスイスの伯爵家の娘で、もう1人は花之宮瑞穂(はなのみやみずほ)という京都の旧華族の分家の娘だった。さらに数日後、主人公の幼馴染で、ルナが大きくなってからできた唯一の友人である、運送会社社長令嬢の柳ヶ瀬湊(やながせみなと)も転がり込んできた。なお、彼女たちはそれぞれ1人ずつ付き人としてメイドを連れており、攻略できないものの一癖も二癖もある人物がそろっていたのだが、ここでは紹介を割愛する。

入学式当日、主人公は突然、スタンレーの代わりに衣遠が学院長代理に就任したという挨拶を聞き、また衣遠が就任挨拶として、弟が無能で努力も人並みにしかしなかった、という話をしたため、トラウマから失神しそうになるが、隣にいたルナが手を握ってくれ、自分に仕えていれば、お前の才能を伸ばして引っ張ってやる、という言葉をかけてくれたことで、ルナにカリスマを感じ、「朝日」として学院生活を送ることを吹っ切れることができた。

それから主人公は「朝日」として、学院と屋敷でお嬢様たちの世話をする生活を続ける。女装ものの定番として、女子トイレ(主人公が便座に座っているCGあり)で困るシーンや、お風呂に乱入されるシーン、また着替えシーンなどがあってよかった。一方、女子トイレシーンに関しては、主人公がどうやって出たかの描写が無いのが面白くなかった。

主人公は服飾の経験の一番浅く、実家が由緒正しい家柄ではないため成金とイジめられている湊から、風呂に乱入される形で相談を受ける。その中で、湊がわざわざ地元を離れて東京に出てきた理由は、幼いころに出会った主人公への初恋を続けており、服飾の勉強に興味があった主人公と同じことを学びたかったからだと知る。主人公は、自分の正体を隠して湊に助言をするが、脱衣所にブラ(パッド付き)を忘れてしまい、それを湊に見られてしまったことから言い訳のために湊の部屋を訪れる。湊は朝日に話をしたことで主人公に対する気持ちが溢れてきており、主人公に対して手紙を書いていたところ、開けていた窓から吹いてきた風によって手紙を2階の部屋の外の木に飛ばされてしまい、窓から木に登って手紙を取ろうとしていたところだった。主人公は湊に木登りをやめさせようと、庭に出て木の下へ走るが、足を滑らせた湊が主人公の下へ落ちてきてしまう。主人公はとっさに湊を抱き留め、呼び方も「湊様→湊」、一人称も「私→僕」に変えてしまう。また、木から落ちた湊を助けた事は幼少期に1度あり、主人公はその時と似たようなセリフを言ってしまい、またその出来事は湊が主人公に惚れたきっかけとなった出来事だった。さらに、湊の手が主人公のウィッグを引掛けてしまったことが決定的になり、主人公は湊に正体がバレてしまう。

ここでOPが流れる。OP曲の「DESIRE」は気に入っていて、サビで4小節のフレーズを、少し変化させながら4回繰り返し、さらにそれを大きな1回としてもう1回繰り返すタイプの曲が、基本フレーズが好きな場合に限り好きなので、それがよかった(伝われ)。

主人公は湊に事情を説明し、湊は図らずも主人公に気持ちを打ち明けてしまったことになったが、「遊星」としての主人公にアピールして自分のことを好きになってもらう機会のないままに告白の返事をもらうのは嫌だとして、「朝日」の姿でいる間は「遊星」とは別人だとすることを提案してもらう。主人公は女装バレして屋敷を追い出されずに済み、また屋敷内では湊が朝日としての活動のサポートをしてくれることになった。それでも主人公は湊の頼みで、返事をしなくてよいという条件で1分だけ「遊星」として告白を聞く。

このあたりの流れは、恋愛ゲーとしてみるととてもよくできており、湊の個別ルートになってもおかしくない出来なのだが、今作のテーマである服飾、また家柄への束縛等とは外れているのが残念だった。

しばらくして、ルナが応募したデザインが、国内で若手デザイナーの登竜門と言われている大型のコンクールである、クワルツ賞の一次選考を突破したとの連絡が学校を通じて入る。それを聞き、海外にいた主人公の兄がルナの才能に興味を示して視察に来る。主人公は兄の前に姿を見せられず別室に待機になるが、ルナは主人公が恐怖から兄を避けているのを見抜いて、庇ってくれる。主人公は、二次選考に出すルナの衣装のパタンナーを任されることになる。主人公はまだデザイナー志望だが、本質的にはパタンナー向けの人間であった。しかし、「他者から必要だと認められる」ことを心の支えにしている主人公にとって、またルナのカリスマ性に惹かれていたので、これは願ってもないことだった。しかし、衣装制作を進めようとしていた時、学院を通してルナの実家の父親から連絡があり、コンクールを辞退するように命令が来る。ルナは縁を切った家族だとして一度は無視するものの、家族の情からその命令を拒絶できなかった。ルナはアルビノの容姿のせいで屋敷に隔離されて生きてきており、瑞穂とユーシェと出会ったのは、1度だけ出席した実家のパーティにおいてだった。また、実家が没落し、「桜屋敷」を介して金を渡す事で、実家への禊は済んだと思いたかったが、それでもプライドの高い父親からは自らの成功を許してもらえていなかった。

ルナは実家に遠慮するのは今回限りだとはっきり父親に明言し、次は12月に行われる学内コンクール「フィリア・クリスマス・コレクション」に向けて、ルナ、ユーシェ、瑞穂、湊、主人公の5人で「朝日班」を結成し、準備を進めていくことにする。

 

ここまでで共通ルートが終わり。どのシナリオでも、共通ルートが3~7月で、夏休みから個別ルートへ入り、12月のショーでエンディングとなる。

 

ここからは個別ルートなので、攻略順にキャラ紹介欄で紹介していく。

 

・キャラ

 

 小倉 朝日 こくら あさひ

 

主人公。本名は大蔵遊星。女装すると死んだ母に生き写しらしい。顔立ちは母親譲りであり、さらに女声、華奢、撫肩、膨らんだ尻、喉仏が無いといった特徴から、女装をしても全く違和感がないほど。さらに女装時はウィッグを付け、下着も女性物を着用し、胸にはパッドを詰めている。大蔵家の執事となるべく教育を受けていたため、言葉遣いや仕草などは気品に満ちている。名前の由来は「あさひ銀行」。エロゲの主人公としては珍しく、性欲が薄く、性的な知識にも乏しく、また早漏気味でもある。

デザイナーとしての才能はないが、型紙(パターン)と立体裁断の技術に関しては、ルナやユーシェが卒業後も欲しがるほどの腕を持っている。

CVは月乃和留都さん。繪里子先生。フルボイスなので、男として話しているときと女として話しているときでは、声の高さが違うのがわかるのが面白かった。

オトメ*ドメインでは特に声の変化はなかった(声を変えないようディレクションがあったと歩サラさんが言っていた)。

 

 柳ケ瀬 湊 やながせ みなと 154-87-57-84

 

滋賀県に本社を持つ大企業、柳ケ瀬運輸社長令嬢。主人公を唯一「ゆうちょ」と呼ぶ。名前の由来は「みなと銀行」。小学3年生のとき、教養を身につけるため(+大蔵家の許嫁候補として)父親により大蔵家へホームステイさせられ、そこで日本にいた主人公とりそなと出会った。幼少期は男勝りな性格で、主人公を振り回し、りそなを泣かせていたが、主人公への恋心を自覚してからは、女の子らしくなるように努力を重ねてきた。主人公への初恋を引きずっており、主人公に会ってこの気持ちを確かめるまでは前に進めないとして、主人公と同じ服飾の道を追いかけるためにフィリア女学院への入学を決めた。元々が小さな会社だったころの生活を知っているので、行動や考えが庶民的であり、上流階級ばかりのクラスでは浮いており、陰口をたたかれている。特に文化祭では、湊が申請したバニーの衣装が却下されているにも関わらずそれが湊に通達されず、当日に湊だけがバニーの衣装を着て先生に露出過多で怒られる、という1幕があるのだが、これはかなり胸糞が悪かった。

既に1人の実業家として稼いでいたころのルナにパーティで出会い、ルナの態度に物怖じせず積極的に話しかけたことで、大きくなってからできたルナの唯一の友人となる。付き添いのメイドは名海七愛(ななみなない)で、元々は湊の同級生だったのを、一家離散に伴って湊が拾ったという過去があり、湊に近づく人間を許さないクレイジーサイコレズと化している。

幼馴染ヒロインとしての設定はいいし、恋愛ゲーとしてはかなり恵まれた設定だと思うが、主人公の抱える問題を解決できないので、本作では少し系統の外れたヒロインであるところが惜しい。また、1人だけ服飾の経験値が少なく、授業への理解度に差があるにも関わらず、よりよいデザインを生み出そうと日々取り組んでいるルナや、その補佐をしている主人公の時間を「友人」だからというだけの理由で奪い、自分に教えるよう求めたり、そうでなくても他のヒロインが自らの夢のために真剣に技術を学ぼうとしている中、好きな人が好きなことだから、という理由で同じところに立っているのは少々不快感があった。それでも、装飾品のセンスは群を抜いており、才能があるとされている描写がある。

湊ルートでは、12月のショーに向けたデザインコンペがルナの勝ちになり、班で衣装の作成に動くことになる。主人公はその合間を縫って湊とも会話をするようになり、2人の中が深まっていく。そんな時、湊の父親が過労で倒れたとの連絡が入る。湊は見舞いのため帰省することになり、どうしても「遊星」に会いたいという父の願いを汲んで、主人公も男の姿で湊の実家へとついていく。また、どうしても七愛の同行は避けられないため、七愛にも自分の正体を明かしてなんとか許しをもらう。湊の父は元気だったが、会社の業績が悪化しており、その心労が祟ったのだろうと診断されていた。しかし、過労で倒れたことで、湊父は事業を縮小する決断をしたようだった。主人公は、地元では大人気で元気いっぱいの湊が、学院では肩身が狭く、いじめられていることに対して悔しさを感じる。湊と主人公は、東京へ戻る前に実家近くの川で一緒に遊び、お互いに好意があることを自覚するが、お互いにそれを言いだせなかった。

夏休みが明けて学院に登校すると、湊は男姿の主人公と街を歩いていたところをクラスメイトに目撃されており、その妬みから実家に圧力をかけられ、実家が倒産してしまう。湊は実家の様子を見に帰省することになるが、その時に主人公にキスをねだり、流れで主人公が告白する。

本当にそんなことあるのか、という展開だが、胸糞は悪かった。また普段男勝りな湊がしおらしくなるギャップはよかったが、湊との未来に主人公の服飾関係の道が無いことがどこまでも気になった。また、ざまあものではないので、イジメ事件は首謀者の自主退学という形でさらっと流され、もちろん失った財産も返ってこないのが、かわいそうだった。

湊はルナがメイドとして雇うことになり、学費を肩代わりする代わりに卒業後はルナの起業する会社で働くことを約束した。湊は使用人扱いとなって主人公と相部屋になり、一緒のベッドで寝るようになったが、屋敷に声が響いてはいけないため、まだセックスはしなかった。やがて主人公は、自分の夢への最短ルートを1度諦めて、湊とずっと一緒にいるために、まずは湊の家を立ち直らせる手伝いをしたいと考えるようになる。やがてショーに向けたルナの衣装が完成し、湊はやはり両親のそばにいたいからという理由で、地元へ帰ることにする。主人公は屋敷の皆に男であることをバラし、ルナとの契約を打ち切って湊についていく。ルナは主人公を許してくれ、湊と主人公を休学扱いとし、また今までの給料として20万円をくれる。主人公と湊は湊の実家近くに古いアパートを借り、付近のホテルに債権者から潜伏している両親のことを探しながら、2人暮らしを始めることにした。ボロアパート、貧乏、2人暮らしというシチュは大好きなのだが、あまり日常の描写がなく、すぐに終わってしまうのが残念だった。

2人は、味方をしてくれた商工会の会長によって、仕事を紹介してもらえる。それは、主人公が大学の学食の調理師、湊が印刷工業の検品というものだった。また、商店街の人たちが食材を色々とくれたため、2人は食べるものには困らないで済んだ。主人公が美人だということで、また湊が地元に帰ってきたということで、大きな騒ぎになるのだが、両親が債権者から逃げ回っている膝元で目立つ騒ぎを起こしていいのかと心配になった。また湊は債権者に面が割れていないということだったが、これだけの騒ぎになれば湊の素性がばれるのでは、と思った。

2人暮らしを始めてから2週間後、2人は大阪から来た男にメイド喫茶の店員としてスカウトされる。その待遇が破格だったので、2人は今の仕事を辞めてそちらで働くことにする。商工会会長は、2人にもっと給料の高く、やりがいのある仕事を紹介してあげたいと考えていたので、会長のメンツをつぶすこともなかった。

それからさらに2週間が経ち、主人公はそのメイド喫茶でNo.1メイドになっていた。湊も同じ店で3位につけており仕事は順調で、店長は東京に2号店を出すという夢を持っていたが、まだ資金が足りなかった。そんなとき、近況報告に瑞穂と電話したときにたまたまその話をしたところ、アイドルが好きでメイド喫茶も守備範囲だった瑞穂が、2号店を出すための資金援助を申し出てくれる。両親からも、もう一度会社を再建するための目途が立ったと連絡があり、話はとんとん拍子に進み、主人公たちは再び桜屋敷に戻ってくることができた。ルナに挨拶にいった主人公と湊は、ルナがもう一度クワルツ賞の一次選考を通過したため、主人公をもう一度パタンナーとして雇いたいこと、メイド喫茶はいつまでもできる仕事ではないため、一区切りついた後は2人をルナの起業予定の会社で雇いたいこと、そのために2人には別の学校で服飾について再び学んでほしいことを伝える。主人公と湊がルナの優しさに感謝するところで終わり。

エピローグでは、主人公と湊が、昼はメイド喫茶、夜は服飾学校への編入試験の勉強をする毎日を送っており、主人公はさらに空いた時間でルナの衣装の型紙(パターン)を作っていると語る。

入学が決まれば昼は学校、夜はメイド喫茶で働くことになり、その生活が成り立つのか、またルナのコンクールのための衣装の型紙は、仕事の片手間に作れるほど適当でいいのか、など様々なこじつけ感が漂う。また、主人公の服飾に対する上昇志向が失われ、そこそこで満足してしまっているのが逃げた感が否めない。恋愛ゲーとして見れば湊というキャラには魅力があるし、展開も悪くないので、このルートは別物として割り切るのが正解だと思う。

また、共通ルートで主人公が好きだと明言されてしまっていることも痛く、他ルートでは合わせて3回もフラれるシーンがあるのがかわいそうだった。しかも、よくあるひっそりと諦めたという展開ではなく、性格上最後まであきらめきれず、ダメ元で告白して玉砕するという展開ばかりなのでつらい。

CVは森谷実園さん。実は今まであまり聞いたことがなかった。感想は特になし。

 

 

 花之宮 瑞穂 はなのみや みずほ 160-90-58-89

 

京都の旧華族である花之宮家の分家のお嬢様。箱入りで男嫌い。男性恐怖症の域に達している。名前の由来は「みずほ銀行」。ルナの屋敷のメイドの面接に向かう途中、ナンパに絡まれていた主人公に、勇気を出して声をかけたところから主人公と知り合う。ルナとは幼少期からの友人。実家は日本舞踊の宗家であるが、もともとは江戸時代から続く呉服屋だった。きもの創造コンクール・ジュニアの部で文部科学大臣賞を受賞するなど、和裁の方面ではすでにデザイナーとしての実績がある。アイドルが大好きで、美人にも目が無く、主人公を身分を越えた親友として付き合いたいと熱烈に迫ってくる。自分のルートでは主人公を「遊星さん」と呼ぶ(こともある)が、他ルートでは男だと明かした主人公を許すものの、頑なに「朝日」と呼び、また自分の前で女装を解くことを許さない。

付き添いのメイドは杉村北斗(すぎむらほくと)。代々花之宮家に仕えてきた使用人の家系で、男性嫌いの瑞穂を治すようにと実家から命令を受けているため、せめてもの対策として男装した執事姿をしている。また自分探しのためにインディアンと暮らしていた経験があり、部族の掟や考え方で動いたり、奇声を上げたりすることもある。

瑞穂ルートでは、夏休み前から友達活動の一貫で主人公と添い寝するようになっていた瑞穂からアイドルに興味があるかを尋ねられ、それを肯定する。瑞穂は主人公にアイドル衣装を着せてステージに立たせるという夢のため、そのための衣装をコンペに出すと言う。またそのために主人公をモデルとして、ルナから一時的に借り受ける。コンペ当日、瑞穂とルナの衣装デザインに優劣がつけられなかったため、一旦は両方の衣装の制作を進め、最終的に1つに絞ることをルナが提案する。主人公は瑞穂と衣装制作を通して、瑞穂のことが好きになっていたが、男嫌いの瑞穂に本当の事を言いだせず、親友として瑞穂のそばにいる決心をする。

瑞穂はアイドルになりたかったが、実家から反対されていることを主人公に語る。また、例え家の伝統を継いで家元になるのだとしても、この学院で何か成果を残し、両親の評価を変えたいという気持ちを持っていた。主人公は瑞穂の手伝いをしたいという気持ちが強くなり、デザイナーとして成功したいというこだわりがなくなり、パタンナーとして瑞穂を手伝いたいと思うようになる。

文化祭になり、ジャンケンに負けた瑞穂はナースの仮装をすることになった。しかし、当日に生徒の安全ミスから火災報知器が誤作動を起こし、文化祭は中止され、全員で避難しなければいけなくなった。瑞穂は率先して避難誘導に立ち、主人公もルナより瑞穂を優先して、共に避難誘導を行った。その様子は、新設のお嬢様学校の文化祭ということで生中継に来ていたテレビに放映されることになった。また、ルナは自分より瑞穂を優先し、また避難してからも木陰で抱き合っていた2人に対して疑惑を持つようになった。

そんなとき、主人公に兄から、大蔵家の人材として使われるための準備をしておくように唐突に連絡が入った。主人公は用意をするために一旦りそなの家に帰り、りそなのために1日をデートに費やすが、男性の姿で2人で歩いていたところを瑞穂に見られてしまう。これは、文化祭での事件のテレビ中継を見た兄が、主人公の正体に気付き、わざと瑞穂を、瑞穂の実家経由で主人公とりそながいそうな場所に誘導したことが原因だった。瑞穂は主人公からウソをつかれていたことに絶望し、主人公を拒絶してしまう。また、主人公も兄からの連絡で、主人公が瑞穂の衣装を着て12月のステージに立った場合、その場で主人公の正体を明かすと脅される。

主人公は瑞穂に正体を知られてしまったこと、今まで問題を先送りにしてしまっていたこと、瑞穂を裏切ってしまったことに絶望し、耐えられなくなって屋敷の皆にも正体を明かす。主人公は謹慎処分になり、居室からの移動を禁止されるが、まだ屋敷と学校には残らせてもらえた。また、瑞穂が憔悴していき、服飾へのやる気もなくなっていることをウワサで聞く。そしてとうとう瑞穂が貧血で倒れてしまい、さらに文化祭のテレビ中継を瑞穂の実家も見ていたことで、瑞穂を実家へ連れ戻したいという父の声が大きくなっていく。さらに今の憔悴した瑞穂の姿を父に見られてしまえば、二度と東京へは戻ってこられないことが現実となろうとしていた。主人公は北斗から、以前から主人公が男だと気づいていたが(風呂場で女装を解いた主人公と遭遇したが、北斗が気絶したのでうやむやになったシーンがあった)、主人公なら瑞穂の男嫌いを治せるのではないかという勝手な期待だけして放置していたことを謝罪される。さらに瑞穂を助けてほしい、とお願いされる。主人公は絶望し、全てのやる気を失ってしまっていたが、ルナ、ユーシェ、湊は男の主人公を受け入れてくれ、さらにルナは主人公を抱きしめてまでして励ましてくれた。主人公は、再び瑞穂に拒絶されるのが怖いという不安を乗り越える事ができ、北斗の手引きで瑞穂の自室のドア越しに自分の気持ちを伝える。瑞穂からの返事は帰ってこなかったが、主人公は残された時間で瑞穂の衣装を完成させることに全力を注ぐことを決めた。

それからは、主人公がいない間に瑞穂が衣装の進捗を確認し、メモで指示を出しつつ、衣装を作っていく日々が続いた。瑞穂と北斗は実家からの連絡を無視し続けていたが、ショー当日の数日前に、ついに瑞穂が強引に実家へと連れ戻されてしまう。主人公は瑞穂を信じて衣装を作り続け、ついに衣装は当日に間に合う事ができた。瑞穂と北斗は、実家からの追手を振り切って当日の締め切り10分前に会場に到着し、瑞穂自身が衣装を着てランウェイを歩き、最優秀賞を受賞した。このショーにはスタンレーと衣遠も来ていたが、衣遠も文句が言えないくらい素晴らしい出来だった。

主人公は屋敷に戻り、改めて瑞穂に告白する。これまでは男の自分と女の自分のどちらかを選ぶことしか考えていなかったが、どちらも自分の姿なのだと受け入れる事ができるようになった。瑞穂も、主人公と一緒になると啖呵を切って実家を出てきてしまったと言い、実際主人公が大蔵家の縁者だとわかった時点で実家からの追手が来なくなったようだと語った。

ショーの反響は凄まじく、瑞穂にはアイドルのスカウトが来るようになった。また、実家からも芸事に触れるのは良い事だとして、許可が出るようになった。瑞穂は、自分の作った衣装をもっと広めて、実家の知名度を上げたいという新しい夢ができ、主人公も瑞穂の夢を支えていくことを誓って終わり。

エピローグでは、スタンレーが主人公が女装して学院へ通う事を認めてくれ、また主人公はパタンナーとして衣遠からも評価されることができた。そして2年生の春のコレクションで、ランウェイへ出演する瑞穂を送り出すシーンで終わり。

主人公が女装していたことをルナがあっさり許したり、主人公が兄にあっさり認められたりと、条件は満たしているがもう少し描写が見たかったところはあった。また、瑞穂が男性嫌いだからか、シーンの途中でも女装して「私(わたし)」と言う主人公(本来は「僕」)は珍しいと思った。また付き合うのが大分後半なため、Hシーンが連続でくるが、選択肢によってシーンの内容自体が変わるゲームは珍しいと思った。主人公が女なのに好きになってしまった...と悩むシーンはなく、元々女同士でも大丈夫な性格をしており、それが他ルートでも現れているため、その点における深刻さはなかった。

瑞穂の家は主人公を認めている、とエピローグであっさりと語られるが、主人公の家が瑞穂との婚姻を認めるかがわからないため、未来のわからない終わり方になっているのも消化不良感があった。せっかくお嬢様ものなのだから、お家騒動のシーンが見たかった。

CVは星咲イリアさん。こちらもあまり聞いたことが無かった。

 

 

 ユルシュール=フルール=ジャンメール (Ursule=Fleur=Jeanmaire) 157-88-55-80

 

スイスの伯爵家のお嬢様。愛称はユーシェ。ルナとは幼少期からの友人。ルナのことを一方的にライバル視し、ルナに勝つ目的でルナと同じ学校に入学するために来日した。名前の由来は「UFJ銀行」。「郷に入っては郷に従え」というジャンメール家の考えに基づき、日本滞在中は日本語で話すことを基本としている。しかし、他人を疑う事を知らない性格と相まって、ルナや付き人のサーシャからウソを教えられているため、間違った日本語を話す事も多い。また、「オホホ笑い」や語尾に「ですわ」「ですの」をつけて話すのも、ルナに騙された結果であるしゅ~る。一人称は「私(わたくし)」。これらの現実には不自然な言葉遣いも、外人が話すということにすれば違和感がなくせるので、考えていると思った。

付き添いのメイドはサーシャ=ビュケ=ジャヌカン。フランス人で、肉体は男性だが、本国では女性と認められている。極度のナルシストで自分にしか興味がなく、女装している理由も女性の方が美しいからである。幼馴染であるスタンレーのことが好きで、スタンレーの開業当初の2年を支えた「伝説の7人」の1人だったが、スタンレーが忙しくなるにつれ、自分に時間を割いてくれなくなったことに嫉妬し、仕事に身が入らなくなったことを衣遠に指摘されたことをきっかけにデザイナーを辞めた。自分が女装しているからか、主人公が男であることには初見で気づいているが、主人公のためを思ってそれを黙っている。

ユーシェは事あるごとにルナ付きのメイド(つまりルナの所有物)である主人公に興味を抱いており、半ばルナのものを自分のものにしたい、という気持ちで引き抜きの勧誘をかけていた。主人公もユーシェのデザイン画を見せてもらううちに、その色使いがルナよりもセンスがあることに気付き、ユーシェに興味を持つようになる。そんなとき、主人公はたまたま深夜にユーシェとサーシャが玄関ホールで言い争いをしているのを聞いてしまう。ユーシェはサーシャにデザイン画用の用紙を買いに行かせようとしていたが、深夜ゆえに店は閉まっており、サーシャは明日買いに行くことを進言していた。しかし、ユーシェは、ルナにこれ以上負けるわけにはいかないので、自分は寝る間を惜しんでデザイン画を描かなければいけないのだと主張していた。主人公は、天才を自称しているユーシェの隠れた努力を微笑ましく思うが、立ち聞きがばれてしまった主人公は、ユーシェからこの秘密をどうしても守ってもらうために、代わりに人質として主人公の秘密を1つ教えてほしいと条件を出される。そうでなければ自分がこの屋敷を出ていくと言われた主人公は、どうして隠す必要があるのかとユーシェに尋ねる。

ユーシェはスイスの服飾学校で優等生だったが、賞は取ったことがなく、また実際には教師たちがユーシェの家柄に配慮して褒めていただけだった。そんな時、ルナが新しくデザイン画の勉強を始めたことを知り、ユーシェはその作品を自分が代わりに教師陣に見せて、勉強を始めたばかりのルナへ講評を持っていってアドバイスをしてやろうと考えた。しかし、ユーシェが提出したルナの作品は、教師陣から今までにないほど絶賛され、ユーシェはこれまで教師たちが心から自分の作品を評価していなかったこと、ルナが天才であること、を知ることになった。そこでルナとの才能の差を感じ、心が折れかけたユーシェだったが、ルナに勝って自信を取り戻すため、日本への留学を決めたのだった。だからユーシェはルナの前で努力している姿を悟られるわけにはいかず、ルナに自分が才能が無いことを見抜かれてしまえば、今度こそ自分は心が折れてしまうと自覚していた。また、以前ルナが一次選考を通過し、実家の横やりにより辞退したクワルツ賞には、ユーシェも応募し、そして落選していた。

主人公は、自分に才能が無い、近くに天才がいて比べられる、という環境が自らに似ていると感じ、ユーシェに肩入れすることにする。2人で考えたデザイン画がルナに勝つことで、自らも兄に勝ったような気がなれると考えた。そこで主人公は、自らが男であること、そして本名をユーシェに打ち明ける。ユーシェは元々サーシャをメイドとしていたこともあってそれを受け入れ、卒業まで黙っておくことを約束してくれる。さらに、ルナに勝つため、毎日夜に2人でユーシェの書いたデザイン画について意見を言い合う勉強会を開くことをユーシェに約束させられる。

主人公は、ユーシェの使う日本語が間違っていることを指摘し、以降ユーシェは一人称を「私(わたし)」、語尾を「です」に変えることになった。語尾については「ですわ」から「わ」を抜いただけなので、カタコトのように聞こえるときもあり、その表現が上手だと感じた。しかし、「わたくし」呼びが好きなので、それを変えてしまったのは残念だった。

コンペ当日、ユーシェと主人公が2人で意見を出し合い、自信をもって提出したデザインはルナに負けてしまう。ユーシェはその場では何とかプライドを取り繕うが、部屋で泣いてしまう。その泣き声が漏れているのを心配した主人公がユーシェを慰め、ユーシェは主人公に好意を持つようになる。

夏休みが明けて、今度はユーシェが課題として提出したデザイン画が、文化祭で開かれる校内コンペの教師推薦作品に選ばれる。例えどんな小さな競争でも、ルナに勝てることを喜ぶユーシェだったが、校内コンペ当日、急遽欠員を埋めるために代替として推薦されていたルナの作品が、1位を取ってしまう。度重なる敗北にユーシェは心が折れてしまい、ルナの前であったにも関わらず、涙を見せてその場から逃げ出してしまう。主人公は思わずルナを放ってユーシェを追いかけ、これから3年の間にルナよりも早く成長して追い越せばいいとユーシェを励ます。それに対してユーシェは、もうこれ以上1人で虚勢を張って過ごすのは無理なので、そばで支えてほしいと主人公に告白する。主人公もそれを受け入れ、2人はキスをする寸前だったが、追いかけてきたルナにそれを見られてしまう。ルナは同性で付き合っていると勘違いし、その場は収まる。以降、主人公とユーシェは恋人同士になり、主人公のことは「遊星さん」と呼ぶようになる。またショーに向けたルナの型紙作りのほかに、ユーシェとのデザイン画の勉強も続けることになり、主人公の時間は削られていくことになる。

何度もボコボコにされてユーシェがかわいそうだったが、その分可愛かったのに加えて、主人公に告白するユーシェが素直で可愛かった。

しばらくして、ルナの衣装制作に遅れが生じ、その原因が主人公がユーシェとの関係にうつつを抜かしていることだとルナにばれてしまう。ルナは主人公に衣装制作から外れるよう罰をくだす。そして、ルナはユーシェの事情を知ってしまったので、ユーシェがもう一度立ち直れるよう、主人公とユーシェとサーシャの3人チームで、もう一着服を作り、それをショーに出して勝負しようと持ち掛ける。ユーシェは、また負けるのが怖くて一度勝負を断るが、ルナがわざと主人公を土下座させることでユーシェを挑発し、ルナとの勝負を受けさせて当面の間立ち直らせることができた。

ここでショーに出す衣装は1グループ1着までと決まっていないから、という理屈をルナは持ち出すが、それなら瑞穂ルートでも同じ理屈が使えたはずであり、あちらでは衣装を1着に絞ったこともあって違和感があった。

以降、本当は甘えたがりで寂しがり屋なユーシェに厳しく接するため、主人公はユーシェにタメ口で接するようになる。初Hシーンでは、普段使わない語彙だからということで、ユーシェの日本語がGoogle翻訳のようになるのが芸が細かくてよいと思った。また、主人公はユーシェの身体を芸術品のようだと感じており、性欲を感じることができず、無理やり勃たせただけでユーシェが痛がるのを見て萎えてしまい、未遂で終わってしまう。これで1シーン割くのも珍しかったし、主人公が最後までできないのも珍しいと思った。

やがて、これ以上は工程を遅らせられないというタイムリミットが来るが、まだユーシェは納得できるデザイン画を書けないでいた。ユーシェは、主人公の説得もあり、最後のプライドを捨てて、助言にならないギリギリのラインで、「自分の長所」を皆に聞く。そこで屋敷の皆から暖かい言葉をもらったことで、ユーシェはやっと納得できるデザイン画を完成させることができた。主人公たちはショーに間に合わせるために急ピッチで衣装を作っていたが、突然衣遠が学院長代理として、衣装は1グループ1着までという新ルールを出してくる。ルナが単独で交渉に行くが、衣遠は「小倉朝日」という生徒を連れてこなければ交渉はしないと言い張る。主人公は兄と交渉に行くが、そこにユーシェとサーシャもついてきてくれる。衣遠は、ユーシェの衣装を特別推薦枠としてショーへの参加を認める代わりに、最優秀賞を取れなかった場合は主人公が退学となり、男性だとバラしたうえで全裸で校門に磔にするという条件を出してくる。さらに主人公には再教育の上で大蔵家の駒として働いてもらう他、主人公を雇ったルナにもペナルティを与えると言ってくる。主人公は、もし負けた場合は退学になった後、しばらく兄から国外逃亡をするつもりで、これを受け入れる。

ショーの当日になり、主人公はルナに勝つための秘策を用意していた。ユーシェが作った衣装はユーシェの故郷スイスをイメージしたものであり、その衣装に国花であるエーデルワイスの生花を使いたいと考えていた。しかし、エーデルワイスは夏に咲く高山植物であるので、12月のスイスから取り寄せることはできなかった。そこで主人公は、ルナからもらっていた給金をすべて使って、季節の逆転する南米から同属の似た生花を取り寄せ、その代わりとすることを思いついた。ユーシェが舞台へ上がる10分前にその花が間に合い、その仕掛けをほかならぬ衣遠が見抜いて周りに伝えてくれたことで、ユーシェは最優秀賞を取ることができた。また、衣遠も主人公のパタンナーとしての能力を評価してくれ、主人公が学院に居続ける事と、女装のフォローをすることを約束してくれた。最後は誰もいなくなった教室で、これからも2人で支え合っていくと結婚式の真似事をして終わり。

エピローグでは、主人公がユーシェと一緒にスイスへ行き、ユーシェの実家に挨拶をして、主人公が大蔵家の縁者であったことから受け入れられる。最後に2人で本物のエーデルワイスを見るところで終わり。

ヒロインのキャラデザについて、ルナとユーシェと主人公を鈴平ひろ先生、瑞穂と湊を西又葵先生が描いている都合上、Hシーン中に主人公の顔が出てくるのがルナとユーシェだけなのが残念だった。

天才のフリをしていたが実は努力で補っていたところや、何度もルナに負けてその度に打ちのめされるところが熱い展開で、シナリオとしてよくできていると感じた。

CVは五行なずなさん。時代を感じる名義だが、演技力はさすがで1歩抜けていると感じた。キスの演技が抜群にうまいので、すばらしかった。

 

 

 桜小路 ルナ さくらこうじ ルナ 145-72-49-74  

 

没落した旧華族、桜小路家の次女。名前の由来は「さくら銀行」。先天性のアルビノであるため日光に弱く、日傘等がないと外を歩くことができない。その容姿故実家では忌み子扱いを受けており、屋敷に幽閉されて育った。特に実母はルナに愛情はなく、憐れみのみを持っている人間で、世間に出すとルナがかわいそうだと本気で信じている。実父の方針により刷り込まれた帝王学により、あえて尊大な話し方をし、言葉には棘があるが、その本心は優しくて慈悲深く、本質を知る人間からは慕われている。よく主人公が口にする「ありがとうございます、お優しいルナ様」というセリフは、高慢な言い方しかできないルナの本心をくみ取り、心からルナに礼を言っている、という構図である。株に手を出して儲けた資金をもとに事業を立ち上げ、それを成功させた実業家。現在は事業の経営を部下に任せ、儲けた資金で実家が売りに出していた別荘である桜屋敷を買い取って、そこに住んでいる。デザイナーとしての天性の才能を持っており、デザイン画を一目見ただけで主人公が尊敬することになった。

外に出られないルナに代わって、主人公はユーシェ、瑞穂、湊を連れて東京案内とプールへの2回の同行を命じられるが、そのどちらもを命令に背き、意地でもルナのそばにいるとルナルートに入る。ルナは自分の身体を気遣ってほしかったわけではなく、最初は意図を組めない主人公に失望するが、主人公だけはそれでもそばにおいておきたい、という不思議な感覚があり、ルナが手料理を作ってくれたことをきっかけに2人は仲直りをする。また、ルナのそばにいたい理由を聞かれ、主人公がルナが好きだから、と答えたことで、ルナも主人公からのまっすぐな気持ちを受け取ってくれる。

コンペ当日、主人公を含めた5人でデザイン画を提出するが、全会一致でルナのデザインが選ばれ、主人公はデザイナーを諦めてパタンナーとして生きていくと決める。さらにルナから、ショー当日までに衣装を3着作れるかと相談を受ける。これは、衣装づくりを手伝ってくれるユーシェ、瑞穂、湊にもランウェイを歩いてもらうことで、自らが主役の1人だと思ってもらいたいからだということと、3着作って主人公の縫製技術の高さを見せることで、主人公の評価も上げたいということが目的だった。そのために主人公は夏休みに1日も休まず服作りをすることになり、また主人公はそれと並行してルナのデザイン画の中からこっそりもらった、ルナのための衣装の制作も個人的に行う。お盆は帰って来いと言ったりそなの頼みも断って衣装を作り続け、主人公はルナの使用人という立場に心身ともに落ち着いていく。

2学期の初日、前日徹夜で衣装を作っていた主人公は学院で過労で倒れてしまう。しかし、医師の診察の際には湊とサーシャがフォローしてくれたせいで、男だとばれることはなかった。ルナは保健室のベッドに寝ている主人公に、心配から添い寝をしてくれるが、主人公は寝言で「自分は朝日ではない」と言ってしまう。しかし、ルナは主人公の中身を肯定するようなセリフを言ってくれるのだった。

このルナが添い寝してくれているCGが、普段とは違って慈愛や無垢といったものが表情に現れており、とてもすばらしかった。

文化祭で主人公たちのクラスは猫耳喫茶をすることになるが、当日になって昔ルナの乳母だったという人物がルナを尋ねてくる。その人物は幼少期のルナを洗脳し、「他人には優しくあるべき」だとルナに繰り返し教え、自分にとって都合の良い傀儡に仕立て上げようとしていた。またルナの父親が、ルナに帝王学を教えようとした際も、ルナは乳母の教えの方を信じており、父親に反発した。それもあってルナは、父親から厳しく当たられるようになった。またその乳母は、ルナの養育費を着服していたのがバレて解雇となったが、屋敷を去り際にさえルナの自室を荒らし、金目の物を根こそぎ奪い取っていった挙句にルナが始めてプレゼントした自作のブレスレットはゴミ箱に捨てていくという外道だった。この出来事はルナの人格形成に大きな影響を与え、ルナは他人を決して信じなくなり、また他人と壁を作るようになった。乳母は金の無心に来たのだが、ルナはそれを厳しく追い返した。しかし、ルナの本心は幼いときのまま優しくて情に厚く、他人に冷たく当たるたびに自分自身の心も傷つけていた。主人公は乳母が去った後のルナを探しだし、自分は裏切らない、一生ルナのそばにいる、とルナに心からの気持ちをぶつけてルナの心の壁を壊すことができた。ルナも主人公が今までしてくれていた衣装制作への丁寧さと力の入れ方から、主人公のことを信頼に足る人物だと認めてくれ、ついに2人は本当の絆で結ばれたのだった。主人公は自分が男だとルナに明かさなければならないと考えるが、その前にルナが主人公にキスをしてくる。主人公も勇気を出してルナに秘密を伝えようとするが、「身体的な理由」と言ったところで、ルナがこれ以上は覚悟が足りないので待ってほしいと主人公に伝え、保留になる。以降2人はより親密になるが、ルナが頑なに同性愛を認めようとしないため、2人の関係は友達以上恋人未満の段階で止まる。

しかし、ついにルナが主人公を女性のままで好きだと認め、2人は女性同士としてセックスをしようとするが、主人公が生理だと言って断る。以降、ショーが終わるまではキス以上のことは我慢すると約束する。ヒロインとのHシーンを断る展開は衝撃的だった。また、主人公が女性らしさを増していくのも面白かった。

ショーが近づき、3着の衣装が完成に近づいてくる中、衣遠が個人のプチコレクションを開いたという記事が雑誌に載る。主人公たちがそれを確認すると、その中の3着ともが、主人公たちが作っている衣装に酷似していた。ルナたちが盗作の抗議に、日本に戻ってきていた衣遠のもとに行くと、衣遠はルナの両親から、ルナの名が世間に出ないようにしてほしいと依頼があったことを明かす。さらに、主人公の女装姿が亡くなった主人公の母に瓜二つであったことから、主人公の女装はとっくに衣遠にバレており、ユーシェ、瑞穂、湊は衣遠が実家に手を回していたため、動けなかった。衣遠により、ルナたちに主人公の正体がバラされるが、ルナは以前主人公から秘密を打ち明けられるところまで言っていたので、それを難なく受け入れた。しかし、衣遠にバレてしまった以上、主人公は退学もしくは、ルナと2人で退学のどちらかを選ぶように選ばされることになった。主人公と一緒に学院を辞めようとしたルナだったが、兄に逆らうと今後服飾業界で干されてしまうことがわかっていた主人公は、ルナを庇うために1人で罪を被って退学することにする。主人公が自分のせいでルナという才能を潰す事に我慢できなかったこともあった。主人公には、母に瓜二つとなった容姿で耄碌してきた父を篭絡し、家督を兄に譲らせるという任務が与えられることになった。その準備のために、兄が再び日本に戻ってくる1か月の間は、ルナたちとの接触を禁じられ、軟禁状態で過ごすことになった。しかし、主人公はまだ諦めておらず、ルナのためにこっそり作っていた衣装を完成させ、それをルナに着てもらってショーに出す事で、もう一度兄に自らの才能を認めてもらおうと考えていた。主人公は、桜屋敷の自室に置いてあった衣装等の私物を取りに、1度だけ桜屋敷に戻り、そこで瑞穂を騙していた罪で北斗に殴られることになる。お前の正義は何だと問いかける北斗に対して、「服を作ります!!(クソデカ大声)」と叫んだ主人公が面白かった。

また、七愛、サーシャは主人公の味方をしてくれ、屋敷内の様子を定期的に教えてくれることになった。主人公は残り1か月弱で衣装を完成させようとするが、1人でやらないといけないために作業はなかなかはかどらなかった。また、主人公が睡眠不足からどんどんやつれていくのを見て、りそなが主人公を手伝ってくれた。主人公は3徹の末、最後の1工程を縫えば完成というところまでこぎつけるが、そこで力尽きて意識を失ってしまう。目が覚めると、主人公はルナに膝枕されていた。ルナが接触禁止の命令を破ってこっそり主人公の衣装を取りに来てくれ、また最後の1工程を縫ってくれたのだった。

2人は初Hに挑むが、主人公がルナに対して神聖性を感じているため勃起できず、またやり方もわからないためルナに聞くことになった。しかし、朝日の姿になることで主人公は勃起し、最後までやり遂げることができた。ルナの中では遊星と朝日は別人として考えられているようであった。事後の後のピロートークがあるのがよかったし、ルナも貴族階級としての教育があるのか、遊星のときは「ルナ様」ではなく「ルナ」と呼んでほしいというところもかわいかった。

ショー当日、主人公は学院まで走りながらこれまでの出来事について回想し、皆に感謝する。専用の挿入歌が流れ、ルナがランウェイを歩いているところが動くCGで表現される。こういう一連の演出は熱いので好き。

そしてルナが最優秀賞に選ばれ、また主人公が衣装に込めた愛情をスタンレーが見抜き、スタンレーの鶴の一声により来年から共学化が決定する。スタンレーは、入学式の時すでに、女装した主人公に気付いていた。これで、主人公は来年から新たに1年生の男として、正式に学院に入学することができるようになった。そしてショーの後、主人公は兄に交渉に行く。最初は認めなかった兄だが、スタンレーがルナに渡した賞状に主人公の名前が入っていることを見せられ、主人公の才能を認めた。主人公が昔心が折れてしまった原因は、兄の期待に応えられない自分の不甲斐なさに我慢できなかったからだった。今回、初めて兄から褒めてもらえたことで、主人公は兄とも仲直りすることができた。

家に帰ってのHシーンでは、ルナと主従関係になりたいというと、朝日の姿でルナにアナルを掘られ、ルナと恋人関係になりたいというと、遊星の姿でルナを愛撫することになるのが対照的かつ、主人公がイジめられている側になる作品を今まであまりやってこなかったため、希少だと思った。また、ルナは朝日にも癒しを求めており、別人格として2人分を愛しているため、ルナにとってはどちらも必要なのだという告白を受ける。最後は2人で月を見ながら、プロのデザイナーという夢に向けて2人で歩いていくと決意するところで終わり。

エピローグでは、主人公が男子部へ入学して8か月が経ち、2回目のショーが迫ってきていた。主人公は屋敷ではいまだに朝日の格好をしながらメイドとして働いており、また、今年のショーに向けて2人で衣装を作っていた。それは2人でランウェイを歩きたいと願った主人公のためであり、去年の衣装の対となるルナの衣装と、それにあわせた主人公の衣装を作っている所で終わり。

特定ルートが正史ではないと明言されているが、伏線の回収具合、オチの綺麗さ、等から明らかにメインルートであると考えられた。ルナの尊大な態度の中に、主人公への愛が溢れているという難しい描写がよく表現されており、すばらしいと感じた。

CVは卯衣さん。普段は低めの声なのに、Hシーン中では声が高くなってしまっており、多分テンションなどの関係で難しいのだと思うが、そこに少し違和感があった。しかし、主人公と付き合ってからの主人公に対する声への優しさの乗せ具合がすばらしいと感じた。

 

 

・BADエンド

 

夏休みに入った時点で、主人公が誰ともフラグを立てていないと、BADルートに入る。明日から、コンペに向けてのデザイン画の制作を頑張ろうと決意した主人公だったが、日々の疲れから風呂で寝落ちしてしまい、そこを偶然主人公より後に入ってきた八千代に見つかってしまう。主人公は男だとバレるが、桜小路家のメンツのために警察には突き出されず、しかしその場でクビになってしまう。街をふらついていた主人公は兄に拾われ、兄の料理人としてしばらくつき従うことになったところで終わり。

この第一作目が製作された時点では、続編の制作は決定してはいなかったらしい。しかし、続編「乙女理論とその周辺」はこの後から物語が始まる。

 

 大蔵 りそな(里想奈) おおくら りそな

 

主人公の腹違いの妹。次回作でメインヒロインに昇格。クール系毒舌キャラだが、自称ブラコンで、主人公のことが大好き。一人称が「妹(いもうと)」、主人公の呼び方が「兄(あに)」なのもかわいい。また本気の時は「お兄さま」と呼ぶのも最高。

CV咲野かなでさんの低い声のキャラは聞いたことがなかったが、無理して出してる感がとてもあっていてよかった。

 

・おわりに

 

有名どころという事もあり、例によってハードルが上がっていたのだが、それを越えるものを出してきたところに本作のすごさを感じた。続編はたくさんあるが、これだけのクオリティなら飽きなさそうなので、少しずつ進めていきたいと思った。

 

 

 

このシーンで、ユーシェに日本語を教える立場にある瑞穂が「賜り」を「たわまり」と発音していたのが気になってしまった。こういう積み重ねが満足度を下げていくので気をつけなければいけないと思う。