shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題47-2.5

 

 

お待たせしました。

今回は「月に寄り添う乙女の作法」アフターストーリーです。本作は元々「乙女理論とその周辺」Limited Editionに付属していたアペンドパッチで、そのため公式によると、「乙女理論とその周辺」クリア後にプレイすることが推奨されています。

今回はその通りの順番でプレイしましたが、結論から言うと、ルナアフターで主人公が大蔵家当主に捜索されているという「乙りろ」の内容に言及があること、また各アフターでも、大まかな話の流れで衣遠兄様と対峙するが、衣遠兄様の心情がわかりやすくなること、等から「乙りろ」プレイ後までアフターを我慢することは間違っていないと感じました。

 

それでは個別にアフタールートを見ていきたいと思います。

なお、各アフタールートは2~3時間ほどですが、ルナアフターのみ5~6時間あるうえ、途中の選択肢でラストが少し変わります。正史が無いとは言ったが、正ヒロインを設けないとは言っていないから...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇湊After

原宿メイドストーリー

 

本編中、湊と主人公が東京の原宿にメイド喫茶を出店するために戻ってきたところから始まる。その2号店では主人公が店長、湊が副店長、七愛がチーフを任されることになる。原宿店の評判は良く、ルナ達にも東京に戻ってきたことを伝えているので、ルナの命を受けた八千代やユーシェの命を受けたサーシャが手伝いに来てくれたり、様子を偵察に来たりする。主人公は湊に対する自分の気持ちを七愛にきちんと話しておらず、七愛も主人公と湊の関係が自分の中で確定してしまうのが嫌で逃げているため、主人公と七愛の関係はギクシャクとしたものとなっている。

しばらくは主人公、湊、七愛、その他のバイト店員での仕事の日常が描かれるのだが、「つり乙」「乙りろ」ともにシリアス展開が続いていたため、久しぶりの日常パートにとても癒しを感じ、またお仕事ものとしても悪くないクオリティのため非常に良かった。

そんな時、ルナ、ユーシェ、瑞穂がメイド喫茶に遊びに来てくれるが、皆主人公と湊が桜屋敷に帰ってこないので寂しそうであった。そんな友人たちと、ルナのそばにいられなくて悲しそうな顔をした主人公の姿を見た湊は、主人公を自分のそばに留めておくことに不安を感じるが、主人公は湊が一番大事だと伝えるために閉店後の店内で湊とHする。しかし、途中で忘れ物を取りに来た七愛によって行為は中断される。

自宅以外でのHが誰かの接近等によって妨害される展開は、現実的に考えればそこそこあることだと思うが、エロゲではまだるっこしいだけなので、やめてほしかった。

その後も主人公は仕事に奔走するが、頑張り過ぎて貧血で倒れてしまう。湊は主人公を膝枕で介抱し、主人公と一緒にいたいという夢が叶ったから、今度は主人公の夢をかなえたいと主人公に語る。

そんなとき、1年契約で店舗を借りていた2号店の売り上げが好調なので、契約を延長しようという話になるが、店舗が入っていたビルの所有者が変わったことで、賃貸継続のための審査を受けなくてはいけないことになる。その所有者とは衣遠であり、当日は湊がルナ、ユーシェ、瑞穂を援軍として客として店に呼んでくれた上で、衣遠とジャンが来店する。主人公は本当に衣遠に仕えるメイドになったつもりで接客し、衣遠は主人公の姿が主人公の母親に瓜二つだったことで(湊ルートのみ衣遠は女装した主人公の姿をきちんと見ていない)動揺する。さらに主人公が、亡き母が昔作ってくれたイングリッシュスコーンを衣遠のために作ったことでさらに動揺し、主人公を大蔵家へ連れ戻すのを諦め、店を去る。

その後の祝勝パーティでは、微アル飲料で酔ったルナ様が見られるのがかわいい。また、ルナ様の本音で、主人公に桜屋敷に帰ってきてほしい、帰ってくるまで、メイド喫茶に通い続ける、という話が聞ける。

翌日の衣遠からのメールでは、店を存続してよいこと、学院としてイジメがあったことを認め、その謝罪として主人公、湊、七愛は、学費を無料としたうえで復学を許可すること、今後はイジメを認めた場合は学院として介入すること、が書かれていた。主人公たちはルナ様に折れた形で再び桜屋敷に帰ることになり、主人公が湊のメイド、七愛がルナのメイドとして、1学年留年扱いで学院へ復学を果たした。またメイド喫茶は週2回バイトとして続けていた。

衣遠は、湊がメイド喫茶の内装をデザインしたため、その才能を評価してくれた。また主人公と湊は、メイド喫茶を経験したことで、他人の個性により着目し、他人のよい所を見つけられるようになった。それまでは服飾デザインの技術にコンプレックスがあった2人だったが、自分の他の才能を伸ばしていけばよいとポジティブな考え方ができるようになった、という所で終わり。

再び学院に復学するほうが、話としてきれいなのでその方向に行ったのはよかったと思う。湊ルートは服飾に主眼を置いていない異端なルートだったが、前述のとおり「つり乙」「乙りろ」で色々あったうえでこのルートに戻ってくると、単純に湊の可愛さや日常描写の楽しさが見えてきて、逆に新鮮に映った。服飾を絡めない頭で見ると、湊が単純に可愛いのでとてもよかった。衣遠兄様が主人公を諦める理由が謎だが仕方なし。

シーンは湊が2回(内クンニのみ1回)と、七愛1回(足コキのみ)。

「つり乙」にしてはシーンでの湊が可愛かったのでよかった。

 

 

〇瑞穂After

花咲く乙女の恋いろは

 

フィリコレで最優秀賞を取った後、正月に主人公と瑞穂が、京都の瑞穂の両親に挨拶に行くところから始まる。

裏設定として、主人公はヒロインとセックスするまで精通していなかったため、体型が女性らしく、また性欲も薄いということが語られる。

主人公は瑞穂の両親である花之宮分家に挨拶するが、分家の両親はフランクで、父は歌舞伎の女形をやっていることもあり、主人公は瑞穂の頼みで女装して挨拶に行ったのだが、すぐに主人公のことを認めてくれた。しかし、問題は花之宮本家に認めてもらえなければ、瑞穂は本家が決めた婚約者と婚姻させられる上、分家の血筋は絶えることになる(瑞穂しか子がいないため)ことであった。本家から、主人公を見極めるために「あっちゃん」(瑞穂の従姉妹で国粋主義者、CV五行なずな、立ち絵無し)が送られてきて、瑞穂を守るにふさわしい武道を身につけているかどうかを、弓を的に当てることで証明しろというお題を出される。主人公は弓道をやったことがなく、普通は1か月はかかるそれを1日でやらなければいけないことになる。しかし、有段者の瑞穂に教わりながら、また主人公は大抵の事はやればできる類の人種なので、瑞穂のくれた勇気もあってそれを達成する。あっちゃんは合格を言い渡し、2人を祝福する言葉を残して去る。主人公は自分の存在と社会的な位置(妾腹の子だということ)を他人に認めてもらうためには、自らが努力しないといけないことを知る。

東京に帰ってしばらくした後、主人公は衣遠兄様に呼び出される。そこで主人公は、男だとバレたからには来年度から学院に通わせるわけにはいかないと言われるが、ジャンの口添えで、全校生徒に自分が男だとバラしたうえで、それを認めてもらえれば通学を続けてもよいという条件を出される。衣遠兄様は、デザイナーとして大成するであろう瑞穂の影に隠れて、主人公が名前の出ないパタンナーとして日陰に生きることになるかもしれないと考え、それを心配していた。しかし実際には、瑞穂は主人公(朝日)をアイドルにしたいと今でも考えていたので、主人公を影の存在のままにしておく気はなかった。

2人は瑞穂の考えた作戦で、新年度の始業式で男装した瑞穂が壇上に立ち、自らの男性観を変えてくれた存在がいると告白したうえで、主人公のことを男として紹介し、主人公を認めてくれるよう全校生徒の前でお願いをする。すると、始業式に出席していた衣遠も、主人公を肯定するような発言をして援護してくれたおかげで、主人公を認める空気が高まり、主人公は全校生徒の前で許されることができた。また、今後「小倉朝日」並みに女らしければ、男性であっても入学を許可するという校則ができる。

最後は桜屋敷でみんなとお花見をして、主人公と2人で作った振袖を着て日舞を踊る瑞穂のシーンで終わり。

このルートでは、ルナが主人公へ好意を持っているということを一番隠さないので、湊と合わせて少しハーレム系主人公の気分が味わえるのがよかった。

シーン数は2回で、京都に行った時に旅館の個室の露天風呂でヤるシーンでは、バスタオルを外したという描写があるのに、CGではバスタオルを最後まで巻いたままなのがもったいなくて、萎えてしまった。特に瑞穂と真正面から裸で向き合ったCGは希少だっただけに余計そう思った。またこのルートでは、瑞穂がセックスに積極的で、主人公も途中で萎えたり、挿入するより奉仕したいという気持ちになったりするのではなく、普通のエロゲ主人公をしていてよかった。

 

 

〇ユーシェAfter

恋と情熱のオホホ

 

2年生の夏休みから始まる。りそなが1年生としてすでに桜屋敷に住んでいる。1年生のクリスマスに行われたフィリコレ以来、ルナもユーシェもコンテストに応募するが落選する日々が続いていた。2年生のフィリコレに向けて、今年は(ルナ、瑞穂、ルナの同級生×2)、(ユーシェ、湊、りそな、ユーシェの同級生(+主人公))という班分けを作ったが、ユーシェのデザインがまだ上がってこない状態だった。またルナは、日本でクワルツ賞を辞退したことにより、国内のコンクール審査員からの心証が悪くなっており、そのため国外のコンクールへの応募を始めていて、フランスのファッション雑誌のコンクールで一次選考を通過していた。ユーシェは主人公との恋人生活で頭がいっぱいだったゆえに、デザインに対してもどこか本気になれないでいたが、ルナに先を越されたことにより悔しさを感じて落ち込んでしまう。ユーシェは、元気を出すために主人公をセックスに誘うが主人公は、セックスは疲れるからしたくないこと、自分が我を忘れてユーシェを求めてしまうようになるのが怖いこと、等からセックスに積極的になれないでいた。

そんな時、主人公は衣遠兄様と会う。衣遠兄様は、主人公がジャンメール家の婿養子になり、大蔵家から外れることで、主人公を信頼できるようになり、気持ちが穏やかになっていた。衣遠兄様は正式にジャンメール家に、主人公とユーシェの婚約を取り付けてきたことを報告し、ユーシェはそれですっかり舞い上がってしまう。

まだ、フィリコレのデザインが上がってこず、後ろの工程に影響がでてきそうになってきたので、主人公はユーシェに自信をつけさせるため、大学の主催する民族衣装コンクール(外部からの応募可)に出場させる。そこでデザイン兼モデルを務めたユーシェ(縫製は主人公)がぶっちぎりで優勝し、主人公から自分がデザインした服を渡される、という唯一無二のうれしさで、モチベも回復する。その後、ユーシェのデザイン(テーマは愛、CGにはどんなデザインかは描かれず)が完成したところでおわり。

このルートでは唯一ルナ様と瑞穂に主人公が男であることを明かしていないので、婚約が決まったと喜ぶユーシェを勘違いしているルナ様がかわいい。また、主人公がジャンメール家の婿養子となってスイスに行くことが決定しているので、衣遠兄様が優しいのもポイントである。

シーン数は2回で、主人公のセックスへの消極的な態度と、ユーシェの空回りが強調されていて、エロゲ主人公らしくなさが存分に発揮されていた。

全体的にはルナと自分を比較してウジウジしたり、デザインより恋愛を優先して暴走するユーシェを主人公があやすことで物語が終始展開するため、非常に面倒くささを感じた。

 

 

〇ルナAfter

桜小路ルナ、サクラサクまでの三ヶ月の記録

 

フィリコレが終わった正月に、主人公とルナはマンチェスターにある主人公の母の墓参りに向かう。そこで主人公は、母親に産んでくれたことへのお礼を述べ(本編プロローグで言えなかったこと)、母への未練を断ち切ってルナとの未来を見据えることを決意する。また、主人公は4月から1年浪人扱いで男子としてフィリア学院に通うことを決めており、そのためルナの世話をする新しいメイドを募集することになった。

やってきたメイドは2人。1人は樅山紅葉(もみやまもみじ、CV三代眞子)で、通称もみもみ。広島で桜小路家が出資する縫製工場を父が経営しており、その縫製の腕を買われて学院でルナのお付きとしてルナをサポートする。家事はまったくできない。もう1人は八十島壱与(やそしまいよ、CV稲田徹)で通称いよいよ。男にしか見えず、趣味もボディビルと筋肉の塊だが、男性に告白してフラれたことで女性らしさを身につけるために家事スキルを磨き、その腕を誰かのために振るえる職場を探していた。家事の面でルナの生活をサポートする。

2人は「乙りろ」りそなルートでも登場するが、世界線が異なるため、どちらでも主人公とは初対面の挨拶を交わしていた。屋敷に来た2人を先輩である主人公が教育するシーンがあるため、こちらのルートの方が出会い方は好き。

しかし、自分の学院でのサポートをさせるため、そのための勉強等の準備をさせ、家事はやらせるなと言われていた紅葉を、一緒に食事を作ることに誘ったせいで、主人公はルナ様に叱られて部屋へ呼び出されてしまう。ここで、ルナとの関係性を恋人関係か主従関係かを選ぶ(思いだす)ことで、少しだけルートが分岐する。ここでは主従関係をメインに話を進めていく。

朝日の姿でルナの部屋へ行こうとした主人公だったが、その前にお風呂に入ることにする。しかし、入浴剤を忘れて一旦部屋に取りに戻ったところ、主人公がすでにあがったと勘違いした八千代が風呂に入っていたところに鉢合わせしてしまう。本編BADと同じ展開だが、今回は厳重注意で済み、屋敷を追い出されることは無かった。

ルナは朝日の姿で来た事をとても喜んでくれる。遊星の姿で来たときも喜んでくれるが、ルナにとって遊星は愛の対象、朝日は恋の対象であり、性欲などの即物的な気持ちがわき上がるのは朝日に対してが強いと語る。

主人公はルナから、毎年行われている桜小路家主催の観桜会についての話を聞く。ルナは毎年、形式的に招待状だけが送られてくるその会を、両親を不快にさせないために欠席していたが、今年は主人公を婚約者として紹介し、将来両親に結婚を邪魔されない証拠を残すために、出席すると語る。

また、りそながフィリア学院への受験勉強のために、毎日桜屋敷を訪れるようになる。りそなは主人公のことを諦めていないが、決定的なワードを主人公が口にするのを避けており、負けヒロイン感が漂っていてかわいい。また、衣遠兄様もやってきて、主人公の型紙の腕をほめてくれたばかりか、りそなの型紙にも及第点をくれ、また2人に勉強を教えてくれる。

ここにきて、衣遠兄様が主人公へのブラコン度合いを隠さなくなってきて、どうしても主人公と一緒にとんかつ(衣遠兄様の好物)を食べに行きたい衣遠兄様がかわいい。また、ルナが衣遠兄様が義兄になると挨拶をしたので、ルナ(とりそな)に主人公よりかわいくない、とぼそっと言う衣遠兄様もよかった。

ルナと衣遠兄様、りそなで主人公の取り合いになり、またしても選択肢になる。衣遠兄様を選ぶと、兄妹3人で(ルナ抜きで)食事に行ったうえで、衣遠兄様から、ルナの作品を盗作したことを恨んでいるか、と聞かれる。主人公は、結果的に自分とルナの成長につながったことから、許していると答える。衣遠兄様は、盗作のケジメとして服飾から手を引き、大蔵家当主の座を掴むことに全力で集中することにした、と主人公に告げる。衣遠兄様が盗作をした理由は、ルナの両親から頼まれたこともあったが、主人公とルナが手をとって、大蔵家当主の座を狙ってくる可能性があったため、それを完全に叩き潰す必要があったからだった。しかし、主人公とルナは、衣遠兄様の妨害に負けずに2人で立ち向かってきて、またその衣装は素晴らしいものであり、2人の才能が示され、また2人の愛情も衣装から伝わってきた。それを見て、主人公とルナが大蔵家に干渉してこないことを心から信じられ、また、主人公も才能を示したことから、主人公の血筋の問題や、主人公が女装してフィリア女学院に通っていたことなどの諸々の問題を許し、主人公のことを信用することができるようになった。ここで衣遠兄様は主人公と和解し、自分が当主となることに力を貸してくれるよう頼むことができた。さらに主人公は衣遠兄様から観桜会の招待状のことを聞く。ルナの家は、衣遠個人に事業を助けてもらったり、寄付をしてもらったりと事実上の傘下にあったが、ルナの父がルナがフィリコレで最優秀賞を取ったことに反発し、それを笠に着て本家の運営に口を出してくることに怯えて、衣遠の命令に背きルナに招待状への返信を送らなかった。主人公は衣遠兄様に頼んで、自分とルナを観桜会に参加させてくれるよう本家への念押しを頼んだ。

そんなこんなで入学試験の当日になり、主人公とりそなは衣遠の身内だということで特別に厳しい試験を課されたが、主人公は無事合格したことを衣遠兄様の口から教えられる。しかし、りそなは実技の点数が合格まであと1点足りず、入学するためには衣遠兄様自らが行う面接において加点をされなければならない、という助言をもらえる。りそなは、主人公とルナと同じ学院に通いたかっただけで、服飾への興味はなく、不登校から一歩前に進みたいというのを目標にしていた(乙りろと被る)。衣遠兄様はそれをすでに見抜いており、技術もやる気もない状態で、衣遠の身内として学院に入れば、りそながイジめられる事を危惧していた(と推測された)。りそなはルナのアドバイスで衣遠兄様を欺くため、ひたすら好きなゴスロリの話をすることでなんとか合格を勝ち取ることができた。

やがてバレンタインが来て、主人公はルナにケーキを送るが、ルナは主人公に手編みの手袋をくれる(本編で約束していたもの)。しかし、ここでルナとの関係を主従ではなく恋人にしていると、くれるものが既製品のチョコレートになるのが悲しい。

3月になり、りそなが入学準備諸々のため、桜屋敷に引っ越してくる。また、未だルナの実家から観桜会の招待状が送られてこなかったことで、主人公は衣遠兄様に最後の相談をするが、衣遠兄様からも話があると言われ、ルナと2人で学院の理事長室で衣遠兄様に会う。衣遠兄様は、大蔵家当主(祖父)から主人公の捜索命令を受けていたことを明かし(乙りろと同じ)、主人公を祖父と会わせる前に主人公とルナの婚約を公にし、主人公に婿養子として桜小路家に入って欲しいとお願いをする。これは、主人公の大蔵家当主になる権利を無くすためで、衣遠兄様は弟として主人公を認めることはできたが、可能性が無くなるまではどうしても主人公を完全に信用できなかった、と語る。主人公は、衣遠兄様と仲良くなれるためならと喜んでこれを受け入れ、ルナもしぶしぶこれを受け入れてくれる。ここにきてしがらみのなくなった主人公と衣遠兄様は、ついにお互いを認め合うことができた。

桜会当日、主人公はタキシード、ルナはフィリコレで制作したドレスを着て会場に向かう。しかし、実家のメイドによる嫌がらせを受けて、敷地内に入らせてもらえなかった。ここで主人公は、ルナのメイドとしてなんとかルナの助けになりたいと思い、衣遠兄様にメイドを脅迫してもらうことで敷地内に入ることに成功する。会場を訪れ、両親に挨拶をするルナと主人公は、最初は疎ましい目で見られたが、会場にいた人々がルナの着ているドレスの素晴らしさと、それを着たルナの美しさを賞賛する言葉を口にし、心から感動しているようだった様子を目にして、ついにルナの両親はルナの容姿に対する評価を改めることができた。最後は、ルナが幼少期を過ごした部屋で2人でキスをして終了。

ちなみに恋人関係を選んでいると、主人公は自分でメイドを脅迫し、自分で門を開けさせ、最後は衣遠兄様の計らいで2人でダンスを踊って終了となる。

個人的には、恋人関係を選んだ場合の、ルナ様が主人公のためにお茶を淹れてくれるシーンが好き。普段は尊大なキャラが主人公に対してはかいがいしくなってくれるのはとてもよい。ただし、そのシーンはルナに恋人ができたことを喜んでいる八千代の乱入によって甘いシーンではなくなってしまうのだが。

シーン数は2回で、朝日としてルナにアナルを掘られ、ルナに足コキをされながら自分でオナニーをするよう強要されるものと、普通に恋人として、ルナとセックスをするものがある。ルナと正常位でするシーンは珍しく、それだけでよさを感じたが、ルナルートの主人公も性欲が薄いので、ルナから求められないとセックスをしないことに加えて、ルナに奉仕することの方が喜びを感じているので放っておくと何時間もクンニをすることになるのが面白かった。また、ルナは主人公を性的にイジめているときに最高のデザインをひらめくので、それを聞いてルナの前でオナニーを始めるどころか、自分では勃起できないが「ルナが喜ぶから」という理由では勃起できる朝日状態の主人公も面白かった。足コキやアナルを掘っているときのCGでは、ルナの顔やパンツすら見えず、ひたすら主人公がメインの構図になっているのはわざとだと思うが、それでもルナの方が見たかった。また、事後に2人でお風呂に入って体を洗ってあげたりするシーンがあるのに、地の文の説明だけで数行で終わってしまうのがもったいなかった。

せっかくここまでやったのだから、ルナの両親との和解シーンをもう少し描写してほしかったが、それでもアフターストーリーとしてはかなりよい出来になっていたのではないかと思う。主人公と衣遠兄様の、大蔵家の事情を解したうえでの和解まで話が進むので、乙りろの1ルートとしても十分あり得る出来だと思った。

 

 

〇衣遠ルート

衣遠兄様の華麗なる一日

 

これは2013年のエイプリルフール企画として、NavelYouTube上で公開していたものを、ゲーム形式として収録しなおしたものである。

 

タイトル画面まで用意してあるのが凝っている。

 

本編開始時、主人公がりそなの部屋に軟禁されたところから始まる。主人公は衣遠兄様の監視に嫌がらせをしようと、わざとネットの閲覧履歴を作りまくることで、衣遠兄様に負荷をかけようと考えた。その中に偶然「男の娘」「兄弟の恋」等というワードがあったことで、衣遠兄様が動揺してしまい、就寝中にうなされてしまう。

衣遠兄様が目を覚ますと、主人公が女になっていた。名前は「大蔵朝日」で、髪は遊星のときと同じく短く、声は朝日の時よりもさらに高い声だった。衣遠兄様は気が動転し、思わず朝日の胸を揉んだり、服を脱がせたりして確かめてしまう。また、その世界では両親は亡くなっており、大蔵家は兄妹3人で暮らしていて、衣遠兄様が社長業をしている傍らで朝日はフィリア学院(共学)に通っていた。

衣遠兄様はこれが明晰夢であることを理解したが、朝日が衣遠兄様のことを男性として好きなことをりそなにバラされ、朝日のシスコンになる。

衣遠兄様は朝日がクラスメイト達から告白されていたことをりそなから聞き、朝日を監視するために学院に向かう。また、学院では朝日に自分に対して媚びたセリフを吐かせたり、放課後には肩を抱いて一緒にお茶をしに向かったりする。

やがて就寝の時間になり、衣遠は朝日から、衣遠兄様の発言から男性である自分の存在が衣遠の中にあることはわかったが、どんな自分でも衣遠兄様から愛されたいということを言われる。それに対して衣遠は、ルナアフターと同じで、血を分けた弟である以上自らの覇道の前にどうしても愛することはできないが、そんな主人公を自分は無視できない弱い人間だと語る。最後には朝日は、どんな自分であっても衣遠兄様に愛されることが自分の願いだが、衣遠兄様の願いが叶うなら自分の願いは叶わなくてもよいと語り、2人はキスをしそうになったところで、衣遠兄様の目が覚める。

最後は夢の余韻に浸り、兄妹での時間を過ごそうとりそなを食事に誘う衣遠兄様のシーンで終わり。

大体2時間くらいの出来で、エイプリルフール企画にしてはとても豪華だった。さらに、衣遠兄様のはっちゃけ具合、シスコン具合がとてもよかった。本編でシリアスをしている人間がギャグ時空にくるのは、自分は結構好きなので、こういうのはよかった。

 

 

 

全体を通して、アフターストーリーとしてはかなりのボリュームがあり、アフターストーリー好きの私としてはとても満足のいくものだった。「つり乙」は「乙りろ」と違って独立したディスクとしての続きがないのを残念に思っていたが、これがあるなら十分取り戻せると思った。