shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題16-3

 

 

まさかのものべの3本目。

 

今回はPS Vita移植版「ものべの -pure smile-」(全年齢版)で追加された5本の短編シナリオが、Steam版の「茂伸奇淡-Monobeno-」に収録されているとのことで、Steamのセールに乗じて購入したので、その感想を述べていきたいと思います。

なお、Steam版は中国語版ですが、日本語にも対応しているので安心。

本編が500円で追加シナリオが1300円かぁ...。

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇沢井と赤江な探検隊!

 

夏葉ルートで夏葉が小児病棟に入院しているうちに仲良くなった、全年齢版にのみ登場する新キャラである「赤江ゆき」ちゃんと共に、小児病棟にはびこる幽霊のうわさを確かめに夜の病院を主人公と3人で探検する話。

最初赤江ちゃんは幽霊も妖怪も信じていないが、実は幼くして死んでしまった子供が一緒に遊んでくれる友達を探して病院にとどまっていたという話。

茂伸にはこの世に未練を残した存在である「ミサキ」という存在が出てくるので、主人公は普通に幽霊を受け入れる。

最後は夏葉が主人公のために作った「ミマモリカタ」(ひめみや流のお守りのようなもの)をその幽霊の子どもに渡して成仏させる。

見どころは赤江ちゃんが恐怖でお漏らしをしてしまい、赤江ちゃんに恥をかかせまいと夏葉が追いかけてわざとお漏らしをするシーンだと思うが、全年齢版なので描写はほとんどない。

章数としては1つでかなり短め。赤江ちゃんの声優は橘まおさんだったが、名前だけで今まであまり聞いたことがなかった。

 

〇迷子の子猫とありすと傘と

 

ありすルートで小さくなってしまったありすが買い物帰りに迷子になった子猫を拾い、首輪の住所を頼りに家に帰してあげようとする話。しかし、茂伸=田舎で育ったありすには都市部の土地勘がなく、迷子になってしまい、雨まで降ってきてしまう。そんなとき、南雲教授が子猫の鳴き声を聞きつけて現れ、首輪の住所へとありすを連れて行ってくれる。しかしその家はもう取り壊されており、子猫は捨てられていたのだった。ありすは南雲教授に子猫の保護を頼み、子猫とお別れするという話。

章数は同じく1つで短め。しかし南雲教授のイケメンっぷりがすさまじい。子猫のために猫缶を自分で食べて、食べ物だという事を教えたり、ありすが子猫に情が湧いているのを察して、自分が飼っていつでも会いに来れるようにしようかと提案したり。それでも子猫の幸せを思って、その提案を断るありすも小さいながらも精神の成長がみられてよかった。

なお主人公は空気。

 

〇交じり合うたそがれ

 

ありすルートで18禁版ではご開祖ちゃんが根の国へ戻った後、主人公の髪の毛から分身を作り、2人でイチャイチャする短編がある。全年齢版では導入は同じだが、そこから話が広がっていく。根の国は何かを待つ者のための場所であり、根の国にいる者の数だけ世界があり、それぞれの根の国は決して交わることはない。根の国全体をブドウの房とすればそれぞれの世界はブドウの実に例えられる。しかし、なぜか主人公とご開祖ちゃんがいる世界と、すみルートの飛車角とつみがいる世界がつながってしまう。

ありすルートの主人公はこの時点ではまだ夏葉を救っていないので、夏葉を救ったことを知っているすみルートの飛車角とは話がかみ合わないが、それでも何とか状況を伝え、世界を元に戻そうと4人で原因の解明に乗り出す。死んでからも飛車角との絡みがあることが嬉しかったし、すみルートで成長した主人公を見ている飛車角からするとありすルートの主人公がまだまだ子供に見える、という描写もよかった。飛車角とつみのなんでもない会話もまた良し。

世界をつなげた原因は、すみルートで土地神となったなな様だった。なな様は神の力を得ていくつものルートを見れるようになっていたので、ご開祖ちゃんが自分だけの主人公を生み出しているのを見て、自分も欲しくなったのだと言う。しかし、茂伸の平穏を守るために妖怪と戦ってきたご開祖ちゃんからすると妖怪は敵であり、昔のちょっとしたすれ違いも重なってなな様とご開祖ちゃんのバトルが始まってしまう。しかし主人公がそれを諫め、結局ご開祖ちゃんはなな様に分身を作る術を教えるという話。

全4章と長めの話。おそらく追加シナリオのメイン。ご開祖ちゃんとなな様の確執の原因が明らかになる話であり、これを読んでおくと、「あやかし郷愁譚」のご開祖ちゃんとなな様の回が理解しやすくなったのではと思う。

というか、この2人に確執があるらしいことは本編でも今までにおわされてきたのだが、それが明らかになるのが全年齢版限定の追加シナリオってちょっとずるくないか...。

ご開祖ちゃんの子どもっぽさが良く出ていてかわいい()。

 

〇すみおねえちゃんと、おにいちゃんなぼく

 

夏葉が生まれてすぐの話。まだ主人公の両親が健在だったころ、ひょんなことから主人公の母親とありすの母親は旅行、主人公の父親は東京まで病止祈祷の出張、ありすの父親は急患の対応で、主人公、ありす、すみ、飛車角のみで夏葉の面倒を1日見なければいけないことになってしまう。夏葉を0歳とすると主人公とすみは11歳でありすは6歳。

物語現在ほど家事も上手ではなく、また精神も年相応だったすみは、それでも主人公の姉であるところを見せようと頑張るが、空回りして料理を失敗し、主人公の前で虚勢を張ってしまう。

しかし最後には主人公と仲直りして、自分を偽らないことを約束し、2人で支えあったいくことを決意したという話。

精神的に幼いすみが見れるという事でものすごく価値のあるシナリオ。昔はこうだったと思い返すシーンはあるものの、がっつり場面が昔に戻るのは今までなかったのでよかった。小さいときのすみとありすの主人公へのアピール合戦がみれてよかった。

ちなみに章数は3。

 

〇みんなでくじらを見に行こう!

 

すみルートアフター後に主人公が夏葉を救うのを手伝ってくれたすべての人たちに感謝し、旅行として高知にホエールウォッチングの旅行に行く話。来てくれたのは主人公、すみ、えみ、夏葉、ありす、うたれ、(ありすの両親)。すみがくじらを見に来るのは2回目と言っているので、ボイスドラマの新婚旅行後という事になる。

これも全年齢版でのみ追加された、うたれの人化フォルムがみられる。また、すみルートでのありすの心境が垣間見えたり、最後にはいづものみこと、気配だけだが飛車角とつみが来てくれたりと、まさにエピローグ的イベント。普段は横文字は一切わからないのにクジラ関連の用語は横文字を使いこなすすみが可愛い。

えみが出てくることに期待していたが、あくまでもすみがメインの話という気がした。でもかわいい。

章数は1。

 

 

 

後は細かいところで、全年齢版であるがゆえに話の流れが少し変わっていたり(ありすルートでのありすを元に戻す方法が精液を注ぐではなく愛情を注ぐになっていたりとか)、追加CGが少しあったりした。Hシーンの短編もそのまま残っていたりするが、シーンに入る前で終わるため、どれもすごく短い。

よほどのことがなければ普通に18禁版のHEを買った方が話の内容的にもよいと思う。

 

 

 

・終わりに

 

また新たにものべのの設定や、追加シーンを見ることができてよかった。

あとはHE発売前に書かれた、夏葉のIAGSが治るまでの7年間を描いた小説版があるらしいので、どうにかして手に入れたい。