shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題17.1

 

 

皆さんこんにちは、shanです。

 

今回はエロゲではなく全年齢版ですが、前々から楽しみにしていた作品をプレイしたので、紹介していきます。

なお、シナリオがとても長いため、何回かに分けて感想を述べていきたいと思います。

したがって、これを描いている時点ではまだシナリオのすべてを把握しておらず、間違った考察を述べているかもしれませんがあしからず。

 

 

f:id:shanxdl:20200711162116j:plain

 

Summer Pockets REFLECTION BLUE | Key

 

今回紹介するのは、Keyから2020年6月26日に発売された「Summer Pockets REFLECTION BLUE」です。ギャルゲをプレイする人なら知らない人はいないほどの有名メーカーであるKeyですが、私自身は「Angel Beats!」のアニメをみたのがKeyを知ることになったきっかけでした。

そこから「CLANNAD」→「AIR」→「リトルバスターズ!」→「Kanon」→Charlotte」→「Rewrite→「planetarian」とKey作品のアニメは一応全て視聴しています。

また「CLANNAD」と「リトルバスターズ!」はコンシューマ版もプレイしました。

 

この作品は2018年に発売された「Summer Pockets」(以下、無印版と呼称)から追加ヒロインやシナリオを加えたいわゆる完全版となっています。「リトルバスターズ! Converted Edition」と同じですね。2018年に無印版が発売されたとき、どうせリトバスのように18禁版が出るだろうと考えて購入をスルーした私にとっては、読みは少し外れましたが、それでも重複部分を2回買わなくてよかったので、賢明な判断だったかと思います。

私は雰囲気ゲーが好きなので、Key作品の中では「AIR」が一番好きであり、(特に夏影は最高)本作は同じ夏が舞台という事で「AIR」を意識しつつ、また新たな感動を目指したという事もあって、非常に楽しみにしていました。

 

 

 

なお、本作はシナリオゲーのため、できるだけ前情報なしでプレイしています。

攻略順だけは知りたいと思ったので、攻略サイトだけは見た結果、

紬→静久→美希→蒼→識→しろは→鴎 

の順でクリアすることにしました。

(本当はしろはを最後にやりたかったが、CG回収の都合上鴎は7週目に攻略した方がいいらしいため。また蒼も後ろに持っていきたかったが、蒼は4週目までにクリアした方がいいらしいため。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは簡単にあらすじから

高校2年生の鷹原羽依里(たかはらはいり)は夏休みを利用して最近亡くなった母方の祖母の遺品整理のために離島である鳥白島(とりしろじま)を訪れ、叔母の岬鏡子(みさききょうこ)、親戚の子である加藤うみ(かとううみ)と、遺品を整理する傍ら、島で出会った新しい仲間との島の生活を楽しみ、関係性を深めていく、という話。

Key作品にありがちだが、共通ルートでは主人公が複数のヒロインとフラグを立てる必要があるため、シナリオがほとんど進行しない。叔母である鏡子さんは主人公に遺品の整理を手伝わせてくれず、主人公は毎日暇をもてあそんでいるし、ヒロインに対してもそっけない態度をとるために、何もない1日を繰り返している気分になる。

 

が、舞台設定が優秀で、海+田舎+夏というのは日本人の持つノスタルジーをガンガン刺激してくるし、BGMもKeyだけあってそれだけで郷愁が訪れてくるほど。

この時点ではまだ詳しくは明らかになっていないが、主人公は所属していた水泳部でトラブルがあり、水に入ることにトラウマを抱えており、水泳部を退部して自分の生きる意味を見失っていることが描写される。この辺りはケガでバスケができなくなった「CLANNAD」の主人公に通ずるものがある。

主人公は忘れてしまった、夏休みの過ごし方を探しにこの島にやってくる。小さいときに過ごした、永遠みたいな夏を。

この辺の言葉のチョイスも実にうまくて、夏休みという言葉の持つ郷愁感、働きだしたからこそわかる、学生時代の夏休みの大切さというものがビンビンに伝わってきて、もう感動しそうになる。

本作のディレクターである魁さんはこのゲームを「AIR」よりもむしろ「ぼくのなつやすみ」に近いととらえており、何度も言うが、夏休みという言葉の特別さが最大限引き出されており、テーマの選び方が秀逸と言うほかない。

 

 

 

 

それでは各ヒロインの個別ルートについて述べていく。

 

f:id:shanxdl:20200711170321p:plain 紬 ヴェンダース つむぎ ヴェンダース

 

78-56-80   全年齢版なのに種族値表示がある...だと...

 

いつも島のはずれの灯台にいる少女。

夏休みの間に「やりたいこと」ひいては「自分」を探しているが、夏が終わると帰らなければならない。「むぎー」や「むぎゅー」などのKey特有の変な語尾を使う。このヒロインが登場したときのBGMがすごくケルト感があってすごく好き。またキャラデザも金髪のツインテで私服もとてもかわいく、好みなのだがいかんせん語尾が...ね。

たまたま灯台まで散策に来た主人公と出会い、紬の友達である水織静久(みずおりしずく)と3人で、紬のやりたいことを探して色々なことをしていくことになる。

一緒に時間を過ごしていく中で主人公が紬に告白し、紬は夏が終わると帰らないといけないことからいったん断るが、離れ離れになっても思い出は消えないことを主人公が説得し、付き合うことになる。そして紬は自分のやりたいことが、主人公と静久と一緒にいる事だと気付く。

ある日、主人公は3人で島の外へ買い物に出かけようと灯台で待ち合わせをするが、紬が一向に姿を見せない。そんな日が連続して続き、心配になった主人公は紬を探すが、灯台の中に紬の姿はない。また島を探しても紬の家は見つからない。また主人公は自分の家の倉で大昔(第二次世界大戦前?)の、今と変わらない紬が写った写真を見つけてしまう。そこで主人公はうすうす紬の正体が人間ではないことに気付く。こういういつ行っても灯台にいる存在が、シナリオの都合上そこにいるわけではなく、明確にいつもそこにいる理由、があるシナリオは好き。

主人公は過去にこの島で紬が神隠しにあっていたこと、当時の紬を知る最後の人物だった祖母が他界してしまい、紬を知る人物がいなくなってしまったことを知る。再び姿を現した紬に、主人公は紬が帰ってしまうまでに、一生分の思い出を一週間で作ろうと提案する。それから主人公は島のみんなに協力してもらい、クリスマス、バレンタイン、七夕など一年で起こるイベントを全て先取りして3人で行う。このとき各イベントが主人公たち3人+手伝ってくれたメンバーでダイジェストでどんどん流れていくのだが、こういうシーン切り抜きを連続して思い出の密度と多さを表す演出がすごく好き(伝われ)。

またイベントの集大成として、今から死ぬまでの誕生日をいっぺんに祝うため、100+99+98+...(シグマで表せなかった)の総勢5000本以上のロウソクを作り、紬をお祝いすることを思いつく。夏休みが終わる8月31日、主人公と紬は皆が作ってくれたロウソクの道の中を歩きながら、本当は来ない、未来の生活を想像して語り合う。

こういう死や別れなどのゴールが見えている中で、永遠に来ない未来を想像して話す、というシチュエーションが大好きすぎて、もうやばかった。途中から主人公が相槌しかうたなくなったのも最高だったし、何も言わないで声を出さずに泣いたり、最後まで笑っていてほしいという紬の想いに応えて無理やり笑うところもベタだけど良かった。

その中で紬は自分の正体についても明かす。紬はもともと、神隠しにあった紬(「つむぎ」と呼称)が大事にしていたぬいぐるみだった。髪や瞳の色のせいで友達がいなかったつむぎはいつもぬいぐるみと遊んでいた。しかしある時、主人公の祖母が話しかけてくれ、友達になってくれた。またつむぎは灯台守に恋をし、2人で島を出て駆け落ちすることになる。しかし、土壇場で島を出れば皆に忘れられてしまうことが怖くなったつむぎは、島を離れたくない想いから別世界にある灯台へと囚われ、神隠しにあってしまう。紬はつむぎが忘れられてしまう事を防ぐためにつむぎの代わりに島民と交流をすることにした。長い年月が経ち、主人公の祖母が死んでしまったことで、つむぎを知っている人はこの世からいなくなり、目的を失った紬は「やりたいこと」を探していた、というわけである。最初は主人公や静久とはつむぎのために友達になったが、今では自分が好きだから2人と一緒にいるのであり、自分のやりたいことを見つけられたと語る紬は、主人公のために作った歌詞で、いつも嬉しいときに歌っていた鼻歌を歌い、ぬいぐるみに戻ってつむぎの元に帰る。

物語途中の紬のセリフや過去回想から紬の正体がぬいぐるみであることはわかるのだが、つむぎの話が出てきた時点では、タイムスリップを疑うミスリードがあること、紬が漂着したぬいぐるみを集めているのには意味があったこと、序盤から出てくる何気ない情報が物語終盤の重要なポイントとなるのには、シナリオの構成のうまさを感じた。

またこの時の歌が実際にバックで流れているので、このシーンはすごく感動した。この歌は「紬の夏休み」という題で、元ネタはドイツ民謡の「小鳥の結婚式」であり、紬がドイツ人のハーフであることがわかる。実際歌詞を見ると、紬シナリオのすべてが盛り込まれており、このころになると謎の口癖も許容範囲になるから不思議である。

ただ、これは「CLANNAD」にも共通する個人的に気に入らない点なのだが、紬はつむぎの元に帰った後、あなたにはあなたの帰る場所があるからと、現世に送り返してもらう。ED後のエピローグでは、何年か経った後、紬に最後にもらった合鍵で再び灯台を開いた主人公の元に紬がおかえりを言って終了となる。

こういう、今生の別れを終えてカタルシスを浄化し終えた後に、謎の力によって再び会う事が叶う、というのはせっかくきれいに終わった物語に蛇足をつけているようで非常に気にくわない。

 

全体を通して、この紬ルートは夏休みという概念を大きくしたもののように感じる。

限られた期間だけの友達を作り、くだらない遊びを全力でやり、時間が無限にあるような気がして、最後には時間が足りなくなり、別れを惜しむ。

夏休みがどこかさみしい響きを持つのは、きっとそれがいつか終わってしまうからであり、その概念を人の一生にまで拡大したこのシナリオは、夏休みの魅力、ノスタルジックさを存分に発揮したものであり、中盤がとにかくダレるという問題点はあるものの、個人的には、わかりやすさもあって好きだと感じた。

 

ちなみにCVは岩井映美里さん。聞いたことがなかったが、ふわふわとした声質であっていたのではないかと思う。

 

f:id:shanxdl:20200711180357p:plain 水織 静久 みずおり しずく

 

98-64-88

 

満月を喰らいし乳房さん。主人公の1つ上の高3で、蒼たちの通う高校の生徒会長をしている。RB追加ヒロインで、元々主人公より先に紬の友達として紬と会っていた。

おっぱいを前面に出したキャラであり、日常会話中でもおっぱいを連呼するやばいやつ。そのくせ恋愛ごとには初心。Key作品には1人はこういうやつがいる気がする。「rewrite」でもおっぱいルートがあったとか。

静久ルートでは、高校最後の夏休みとして元々島で祖父が営んでいた海の家を復活させたいと考えた静久と、その手伝いをする主人公と紬の話となる。

また静久は生徒たちからお悩み相談を受けることが多かったが、それを海の家でも行う事にする。静久は今までほかの人よりも体の成長が早く、また天才気質で努力せずともたいていの事はうまくできてしまうため、周りから大人であること、真面目であることを強要されてきた。その結果、自分の価値基準が他人任せになってしまい、また自分を見失っていた。お悩み相談は、自分が役に立っていることを実感することで、自分の価値を高める行為だったのだ。しかし、紬と出会ったことでもっと自分を出していこうと思い、おっぱいを連呼するようになったらしい。よくわからない。

ルートが進むと静久と過ごす時間が増え、静久の方から主人公に告白する。恋人として時間を過ごしていた主人公たちだったが、ある日奇妙なことに気付く。どうやら静久は嫌なことがあると、その記憶が消えているようなのだ。

過去、静久は死にかけた猫を見つけたことがあり、その猫を助けるため、島の猫の形をした神様に祈ったことがあった。しかしその神は縁切りの神様であり、結果として静久は嫌なことの記憶を縁切りして消してしまう力を手に入れることになった。

主人公と島の仲間たちは、神様に静久をとられないように結婚式の真似事をしようと思いつく。皆で協力して式は素晴らしいものになったが、翌日、紬と主人公は皆で書いた寄せ書きが海に浮かんでいるのを見つける。また静久は主人公と付き合ったことすら忘れてしまっていた。

実は静久の両親は不仲で、静久はたびたび母親からヒステリーを起こして怒鳴られており、そのことから結婚なんてしたくない、恋愛に関する記憶もいらないと神様にお願いしていたのだった。

主人公は静久と母親の和解に解決のチャンスがあると信じ、悩み相談の形をとって静久と母親を向き合わせる。ここで静久の記憶の喪失は、実は神様のせいではなく静久が自分で自分の心を守るためにしていたことだったことが判明する。

ここで神様の存在が想像で終わってしまったことで肩透かしな部分はあったが、それでも神様の祠にいって像を触った時、静久に昔の記憶が一気に流れ込んできたことから、やはりこの島には何かがあるのだという伏線にはなったと思う。

静久は紬と主人公のお別れ会をしようと提案する。このルートでの紬は自分を覚えていてもらう事を第一に考えており、それゆえ静久が記憶をなくしてしまうのは紬にとって一番よくないことだったが、友達のために解決方法を模索する紬は、紬ルートをやったあとだからこそ思うところがあってよかった。

お別れ会の準備は順調に進むが、それでもまだ人にあまり頼ろうとしない静久が心配だった紬は、お別れ会を今までで一番嫌な記憶にして、これから嫌なことがあっても逃げずに乗り越えられるように、静久にキライだと告げる。紬の意図を察した静久は、お互いにキライだと言いあうが、途中から号泣する。

ここの理屈がよくわからなくていまいち感動できなかった。

結局紬はお別れ会には来ず、さらに静久は前を向くために主人公とも別れることを申し出る。主人公の存在があると何かあった時に甘えてしまうから、主人公を慰めることが自分のすべてになってしまうからだと静久は言う。さらに主人公も静久がいると、自分が水泳部に戻るという決心が鈍ってしまうから同じ事を考えていたという。

ここの静久のセリフがあまりにも共依存が過ぎていて、本当に良かった。エロゲのヒロインには共依存体質のキャラが多いが、ここまではっきり明言されているのはあまりないのではないだろうか。

エピローグでは時がたち、静久が再び海の家を開けると、そこには鳥(主人公)、牛(静久)そしてくま(紬)のぬいぐるみが仲良く並んでおり、そこに主人公がドアを開けて入って来る、という終わり方。

紬ルートをやっていると、くまのぬいぐるみの正体がわかるので、3人はいつまでも一緒にいたんだなという事がわかって感動する。

 

総じて追加ヒロインらしい、内容の薄いシナリオだったが、それでも並みのシナリオよりは上の感動要素を詰め込んでくるあたりにKeyのすごさがあると思った。

また静久のおっぱいが大きくてよかったが全年齢なのであまり過激なCGがなかったのが残念。W64もわかってる感があってイイネ・。

 

CVは小山さほみさん。裏名義では何度か聞いたことがあったが、正直表名義があったことに驚いた。感想は特になし。

 

 

それではまた次回。