shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題39

 

 

みなさんこんにちは、shanです。

今回紹介する作品はこちら。

 

 

ワールド・エレクション 公式WEBサイト

 

2016年2月26日にWhirlpoolより10周年企画として発売された「ワールド・エレクション」です。「グリザイア」や「サノバウィッチ」のように、メーカーの出す周年記念作品には外れがないのではないかというのが自分の持論であり、それ故このゲームは前からプレイしてみたいと思っていました。前回紹介した「涼風のメルト」に引き続き、こもわた遙華先生がSD原画を担当していることも大きく、特に

 

 

このCGがとても気になっていたことからも、購入を決めました。

単体でめちゃくちゃ可愛いし、コラ画像の素材としても優秀。

 

事前評判でこのゲームがキャラゲーであることを知っていたので、キャラ方面にのみ楽しさを見出せばよかったことも大きかったと思います。キャラゲーと銘打っておくと、どれだけシナリオが破綻していようと、ハードルがだだ下がるので、精神安定の1つの方法としては有効だと思いました(ただし限度はある)。

あとCVがめちゃくちゃ豪華。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

メインヒロインは5人。それぞれのルートに関係するサブヒロインがおり、メインヒロインのルート攻略後にプレイできるようになる。サブヒロインは7人。またクルルのみトゥルーエンドがあり、クルルノーマルクリア後にタイトル画面から選べるようになる。なおトゥルールートはクルル以外のヒロインを攻略しなくても入ることが可能なため、最速クリアも可能。

推奨攻略順は特になし。ルートをまたいだ設定は特にない。ただ世界の謎が明かされるのはクルルトゥルーなので、クルルは最後の方がいい。

プレイ時間は共通ルート6~8時間、個別ルート各3~4時間、トゥルー1時間、サブキャラ各0.5時間で合計で約30時間ほどとかなり長め。

回想数は

クルル   3+2

ソフィア  4+2

伊織    3+2

パーフィル 3+2

ファウラ  4+2(内1回はオナニー)

サブキャラは全て1で、+後の2回は対応するルートクリア後に回想一覧から見ることができる。

Hシーンを2回も本編外に持ってきておきながらこのプレイ時間なので、ここからもかなり長いことがわかる。ただ前述の通りキャラゲーで中身はあまりないので、これをダレているととるかは諸説。それでもメインキャラのシーンが最低5回はあるというのは太っ腹だと思った。

 

・あらすじ

 

これはエピローグの物語。「劫魔界ヘルメリウル」「機械帝国マキナインスーラ」「天楽園ルイトゥセル」「大自然郷アシリ・ヤ・ワンヤーマ」「人間界ガイア」、5つの世界が前触れなく統合された「変革の日」から20年が経ち、5つの世界の住人たちはお互いに干渉しあいながらも新しい生活を送っていた。日本は世界政府による自治区となり、主人公である高校2年生の獅子堂敬(ししどうけい)は、日本にある新生五界複合都市サン・ヴァレロンにあるヴァレロン国際学園にて生活を送っていた。その都市は人工的に造られた学園都市で、各界の出身者と、特殊な能力を持つ人類「neo's(ネオス)」が、相互理解を深めるために寮生活をおくっている島だった。主人公は「贋作師(ダミーメイカー)」という、すべての他者の能力をコピーできる能力を持つ人類序列1位のS級ネオスで、学園への入学初日に「劫魔界ヘルメリウル」の元魔王の娘であるソフィア=ユースティといざこざを起こしたことで恐れられ、学園で孤立していた。そんな時、主人公の寮の部屋に空から美少女が降ってきた。不思議な格好をして主人公の部屋を半壊させた少女は破壊神クルルと名乗り、人類を滅亡させるために来たと語る。しかしクルルの言動はポンコツで、さらに記憶喪失であることから全く脅威がなかった。

クルルはそのまま寮に居つき、主人公と同じく学園に通うことになった。それからしばらくして、主人公の父親から連絡がくる。父は日本政府の重鎮で、主人公の能力を世界に活かすため、主人公に厳しく接していた。主人公の義理の妹である伊織(いおり)から主人公の学園での孤立っぷりを聞いていた父は、主人公に学園を辞めて実家に帰ってくるようにと言ってくるが、帰りたくない主人公はとっさに次の生徒会選挙に出て生徒会長になり実績を示す、と言ってしまう。選挙に立候補するためには推薦人が3人必要だが、主人公の友達は、なぜか主人公の事を慕ってくれる高校1年生の丹波ポン子(たんばぽんこ)とソロス(劫魔界出身の下ネタマスコット枠)の2人だけ。主人公はどうにかしてクルルを3人目に加え、選挙活動をスタートさせる。

他のヒロインたちも物語開始時点で主人公への好感度が100%であるが、主人公が難聴系なため、関係は進まない。またクルルより前に主人公は各ヒロインズに3人目になってほしいと協力を頼みに行くが、それぞれ行き違いがあって協力を得られない。

ソフィア、パーフィル、ファウラの3人のヒロインは、主人公のことをクルルに取られたと勘違いし、半分逆恨みで自分たちも選挙への立候補を決める。また妹の伊織は選挙管理委員に入って主人公への協力を拒む。実は主人公の父へ主人公の退学をそそのかしたのは伊織だった。伊織は学園で孤立している主人公の姿を見ることに耐えられず、実家に戻って父親に主人公を守ってもらおうと考えたのだった。そんな伊織の思惑とは裏腹に、最初は支持率0%から始まった主人公だったが、なんだかんだで活動を進めるうち、主人公の中にも、多種多様な種族が楽しく暮らせる今のままの学園を守りたいという信念が生まれるようになり、支持率を徐々に伸ばしていく。

選挙は5週間あり、1週間ごとにお題に沿った対決(クイズ大会、障害物競走、お悩み解決大会、校外レクリエーション、ディベート)を行い、勝者が演説を行うという意味の分からないものだが、それを通じて主人公は他の候補であるヒロインたちとの絆を深めていく。さらに途中で、候補の1人であるファウラが主人公の考えに賛同して立候補を取り消し、支持に回ってくれる。これで選挙はほぼ主人公とソフィアの一騎打ちになり、選挙最終週に主人公が各ヒロインたちと健闘をたたえ合うために集まるところで共通ルートは終わる。

上でチラッと触れたが、選挙と言ってもあんまりまともに選挙していないので、別物と考えてもいいかもしれない。またソフィア陣営は、ソフィアのお付きのメロウが全てを取り仕切っており、ソフィアは何もしないが、前魔王の娘というネームバリューだけでほぼすべての魔族の支持を得て、さらにメロウがことあるたびに主人公を割とガチで殺しにかかってくるという展開が頻発するところもポイントが低い。ただ主人公の主張はありがちなものだが、それ故悪くはないというのがよかった。

 

以降は個別ルートへ移行し、キャラ紹介の項目で説明することにする。

 

・キャラ

 

攻略順に紹介し、サブキャラは各メインヒロインごとに続けて紹介する。

なお全て種族値は不明。もったいない...。

 

 ファウラ=リィナンス

 

大自然郷出身の高校2年生。狼の獣人。大自然郷では位の高い氏族出身であり、それ故学園では他の獣人たちのまとめ役をしており、姐御として慕われている。群れとしての意識が強く、敵味方をしっかりと区別しているため、普段はなれ合わずに学園の中庭の木の上で寝ている。同じ獣人だが、獣人の群れになじめていないポン子を心配しており、その縁で主人公を観察していてポン子とソロスという小さな群れを大事にしている主人公に好感を抱いた。

選挙対決の中のレクリエーション対決で学園外の森に出かけた時、人知れずこっそり地脈の乱れを治して災害を未然に防いだ主人公を見て主人公の事を認め直し、自分も主人公のことを支えていきたいという想いから立候補を取り消して、全獣人が主人公の支持に回る。

ファウラルートに入ると、ファウラが主人公に発情し、主人公に対する独占欲が抑えきれなくなる。いつもはクールなのに主人公の前では甘えた姿を見せ、主人公のために弁当を作ってきたり、発情を我慢しすぎて倒れてしまうファウラが可愛い。また立ち絵で犬耳がピクピク動くのもよし。

選挙最終日、主人公はファウラのいる木に向かって告白し、返事を聞かないまま最終演説へと向かう。主人公は無事会長に当選し、学園を辞めずに済む。また当選の報告をしに向かった木の下でファウラが主人公を受け入れて恋人になり、2人はそのまま学園の中庭の木の下でセックスをする(←??)。

主人公は「皆が楽しめる学園」を掲げ、副会長ファウラ、書記パーフィル、会計メロウ、庶務ポン子で生徒会を発足させる。しかし一部生徒が増長し、学園内で暴力事件が度々起こるようになってしまう。ファウラは独断で暴力行為を起こしていた生徒たちを粛清するが、暴力での解決は主人公の望んでいたものではなかった。主人公はソフィアをトップとした第三者機関を作り、誰かに悪と断じられた生徒に判決を下す制度を作る。これにより一定の秩序が作られ、問題は徐々に沈静化していった。またファウラも主人公と和解し、これからも2人で学園生活を送っていくことを誓い合っておわり。

エピローグでは大人になった主人公が獣人の社会的地位を向上させるための活動で忙しくしている姿と、専業主婦になったファウラが3人の子どもと家で待っている姿が描かれる。

シナリオは不問とし、弁当を作ったりと主人公のために尽くしてくれるファウラの、獣人リーダー時のキリッとした姿とのギャップ萌えがかわいいかどうかがこのシナリオのすべてだと思う。獣人のメスは自分からアピールはせず、オスが来てくれるのを待つ、という設定が他ルートでのファウラの奥手につながり、またファウラのいじらしさが上がっていたのがよかった。

また、個人的にはしっぽをブンブン振ったり、ペロペロ顔を舐めてきたり、お腹を見せたりといった獣人らしさがイチャイチャに表れていたのがよかった。ただ何でも言う事を聞くから命令してほしい、という犬らしさを出したのに、主人公が命令する描写が無かったのが残念だった。

CVは萌花ちょこさん。ギャップのある演技がすごくよかったし、狼の遠吠えなどの特殊な演技も違和感が無くてよかった。

 

 ムシュア=コークレット

 

ファウラルートクリア後に解放。カラスの獣人で選挙管理委員長を務める高校2年。カラスらしくお金に目が無く、作中ではメロウから賄賂を受け取って主人公への攻撃を黙認している。

ムシュアルートは、発情期を迎えてしまったムシュアが主人公と行きずりでHし、なぜかムシュアになつかれてしまって、ムシュアが選管を辞めて主人公の選挙の手伝いをすることを決めたところで終わり。

サブヒロインなので特に語ることはない。

CVはかわしまりのさん。キャラ自体はどちらかというと好きではない寄りだが、かわしまりのさんの演技、特にキスなどの息の使い方がうますぎて、Hシーンがとてもよかった。

 

 パーフィル

 

天楽園出身の高校2年生。恋を司る天使。愛称は「パフ」。天楽園の外に降臨している数少ない天使の1人で、大天使になるための修行として学園に通っている。天使らしく他者の考えを読む力や、キューピッドアローという矢を放って精神に干渉し、愛を植え付けることもできる。入学当時は意識の高さからクラスで孤立しており、同じく孤立していた主人公のことも気になっていた。ある日、パフの持っていた神聖結晶(天使の力の源を貯めておくもの)が無くなり、それをパフは寮生の誰かが盗んだものだと決めつけて騒ぎを起こしてしまう。主人公は学園内に落ちていた結晶を見つけ出してパフに渡し、他者を信じきれない自己肯定感の低さを指摘する。本来天使の持つべきアガペーの精神を主人公に説かれたパフは反省し、それ以降主人公に好意を抱くようになる。

彼女をパフと呼び始めたのは主人公で、最初はそれを嫌がっていたが、その事件以降、すすんでその名で呼ばれるようになる。また、大天使になると名前の語尾が「~エル」になる決まりがあり、当初は「大天使パーフィエル」を自称していたのが、事件を経て「大天使パフエル」を自称するようになるのが最高にかわいい。

パフルートではソフィアが生徒会長に当選し、主人公とパフはお互いをたたえ合う。パフは途中から主人公を応援していたと告白し、主人公に褒めてほしいと甘えてくるのがかわいい。主人公は落選したものの、最近は学園が楽しいからここに残ってやりたいことを探したいと父親を説得して退学を免れる。パフは主人公に好意を伝えるが、主人公が鈍感で気づいてもらえない。それどころか主人公はポン子や伊織、クルルにも優しくしているので、他の女に優しい主人公を見るのがつらくなり、パフは段々主人公と距離を取るようになる。ここでやっと主人公もパフの気持ちに気付き、主人公からパフに告白して恋人になる。告白シーンで、パフが天使の能力を使って主人公の気持ちの裏を取り、主人公の自分への想いの大きさに気付いて赤面するシーンや、主人公に自分の能力をコピーさせて2人で天使の翼で夜空に舞い、上空で告白するシーンなど、ここはかなりよかった。さらにパフは、なまじ他者の恋心がわかる都合、他ルートでは遠慮してしまい、主人公に告白する勇気がでなかったことがわかる。

それから2人はパフを大天使にするために、人と人との縁をつなぎ、他者を助けて徳を積むために「キューピッド同好会」という活動を始める。しかし、初めての活動はパフが他人の気持ちを深く考えずに能力で解決しようとしてしまったことから失敗し、ここで初めてパフは自分の能力について真剣に考えだす。さらに主人公が1人で、能力を使わず、他人の心にきちんと向き合って後始末をつけた事で、パフも自分の能力を封印してきちんと他人の心に寄り添うことを決意する。こうして他者と向き合い、主人公と愛を育んだことで、パフは大天使へとクラスアップを果たすことができて終わり。

エピローグでは卒業後に紛争地帯を回って人道支援を行う活動を始めた主人公とパフのワンシーンが描かれ、主人公がパフにプロポーズをしておわり。

CV秋野花でロリ天使、一人称が「わたくし」で語尾に「ですわ」のキャラがかわいくないわけがない。普段は暴走して空回りしがちだが、いざというときには天使らしく正統派の真面目な意見をいう事ができるギャップもよかった。また恋を司る天使であるからか、自身の恋愛についても自信がある(洒落ではない)ところもよかった。

主人公が巨乳好きだと知りながらも自身の持つ体の魅力を最大限活かして主人公を魅了しようとしたり、初めて着た水着で主人公以外に肌を見せたくないと恥じらうシーンもとてもよかった。

 

 ミリエル

 

パフルートクリア後に解放。学園の教師を務める大天使。パフの先輩。天使らしくない言動で男子生徒を誘惑するが、自身は耳年増で処女。自らの価値基準で悪と断じた対象に対して正義を執行することができる。

ミリエルルートでは主人公の寮の寮母である紗月(さつき)のところに金をたかりに来てそのまま食堂で酔いつぶれてしまい、介抱した主人公とHをするという流れ。

CVは手塚りょうこさん。年増処女シチュは割と好きだが、サブヒロインということもあってボリューム不足で、特に語ることはない。

 

 獅子堂 伊織 ししどう いおり

 

人間界出身の高校1年生。主人公の義妹。主人公には辛辣な言動をとるが、実はブラコンで主人公の事が大好き。「兄さんは私がいないと何もできないんだから。」が口癖だが、実際は伊織の方が主人公に依存している。性格は真面目な優等生タイプで、悪く言えば融通が利かない。前述した理由から選挙管理委員会に入り、ムシュアのストッパーとして業務を進めながら、段々と心情では主人公の事を応援していく。なお、伊織が義妹になった経緯は作中では語られない。

伊織ルートでは選挙最終週でより過激な妨害活動にでたメロウの攻撃の余波で伊織が怪我をし、それで主人公がキレる。しかし、主人公が怖いという思い込みがやっと全校生徒から薄れつつあった現状、主人公が再び暴れるのは得策ではないと考えた伊織によってその場は治められる。選挙はソフィアが勝利し、伊織は選挙を通して主人公と他の学園生とのやりとりを見てきたことから、主人公を退学させようとした自分が間違っていたと悟り、また主人公の退学を止められなったことを悔やんで号泣してしまう。主人公は父親に電話し、まだ学園生活を通して将来やりたいことを見つけたいと説得して退学を免れる。このとき伊織からも父親を説得していたことが明らかになり、主人公は伊織を異性として意識するようになる。

主人公は伊織をデートに誘い、伊織から主人公に告白する。伊織は兄である主人公を独占したかったこと、選挙活動を通して皆に慕われていく主人公に嫉妬していたことを告白し、主人公を異性として好きだと伝える。主人公もそれに返し、2人は恋人になる。その後2人はソフィアの作る学園を監視するという名目で、主人公は副会長、伊織は庶務として生徒会に入閣する。

そんな中、ふとした事件から、伊織も能力を持っていることが明らかになる。それは「他者の潜在能力を覚醒させる力」で、ソフィアによって「聖者の吐息(セイントブレス)」と名付けられたその能力は、S級相当であることがわかる。実は主人公の能力も伊織によって幼少期に発現したものであり、しかし能力のせいで主人公が昔から迫害を受けてきたこと、主人公が自身の能力についていらないと発言することも多かったことから、伊織は負い目を感じ、今まで自身の能力を隠していた。しかし、主人公が伊織の全てを受け入れたことで、伊織もやっと主人公への依存をやめ、主人公のとなりで自立して2人で歩いていきたいと決意して終わり。

エピローグでは自身の能力を研究するために研究者になった伊織が、子どもたちにネオスの力を発現させるかどうかを選べる研究を進めているというところが描かれる。

義妹から恋人になると他のヒロインと違って、主人公のかっこつけていない普段の姿を知っていること、また兄妹の関係からくる主人公への精神的な甘えがあること、などからより深いつながりを持てることがすごくよいと思った。会話内容も最初から熟年夫婦のようにできるし、明らかに会話の密度?が他ヒロインと違ってくるところがとてもよい。最初から信頼度がマックスなので変態プレイを仕込みやすいのもいいことかもしれない。

今作は父親が、付き合う前に主人公と伊織の関係について仄めかす描写はあるが、付き合ってから父親にカミングアウトする描写はないので、少し期待していたが残念だった。

CVは上原あおいさんで妹キャラには定評がある人。上原さんの妹キャラは貧乳が多いが今回は巨乳で、時折見せる甘え声が犯罪級にかわいかった。

このキャラは絵師の違いから立ち絵では浮いているように感じたのだが、一枚絵になると伊織の可愛さがとても際立っていたので、すごくよかったと思う。

 

 丹波 ポン子 たんば ぽんこ

 

主人公の舎弟を自称し、主人公を「アニキ」と呼んで慕う高校2年生。狸の獣人だが、人間のお婆ちゃんに拾われて人間界で育てられたため、また重度の人見知りのため、大自然郷出身の獣人となじめていない。伊織にはマスコットとして可愛がられており、「アネゴ」と呼んでいる。クリームパンが大好きだが食べ方が汚い。

ポン子は昔いじめられており、友達がいなかった。しかし、いつまでもポン子を守ってやることができないことを知っていたお婆ちゃんは、友達を作らせるためポン子を無理やり学園へ入学させた。そこでポン子は主人公と出会い、ぼっちどうしひかれあっていく。主人公は最初ポン子を友達だと言おうとしたが、ポン子は臆病な性格からかそれを認められず、舎弟というポジションに落ち着いたのだった。

ポン子ルートではクルルにばかり構う主人公にポン子が嫉妬し、また発情期が来てしまったことから主人公を襲いそうになる。主人公はポン子に告白し、2人は晴れて恋人となる。

CVはあじ秋刀魚さん。設定的にメインを張っても十分行けそうだが、サブヒロインのため特に語ることは無し。

 

 ソフィア=ユースティ

 

劫魔界出身の高校2年生。前魔王の娘で世界最強と呼ばれる。その能力は不死身の肉体、四大元素をベースとした魔法、触れた相手からの精力吸収。そして全てを無に帰す最凶の大鎌「ザルツエイン」を持つ。本名はソフィア=テラ=フランマソル=サンダ=ヴァニム=アクリ=ユースティ。自身の勢力の拡大のために劫魔界の有力な名家と養子を繰り返した結果、長い名前になったとのこと。劫魔界は現在魔王が不在であり、次期魔王最有力候補であつソフィアは幼少期から政権争いに巻き込まれてきた。それゆえ自らの力に絶対の自信を持ち、ナチュラルに他者を見下している。高校1年時に、政権争いから一時逃れるという名目で学園に留学してきた。その際、些細なことから学園内で暴れ、主人公とバトルし、主人公がそれを止めたことから主人公の事をきにいり、それ以降ちょっかいをかけてくるようになる。選挙では次期魔王候補という肩書だけで魔族からの票を集め本命となるが、自身は側近であるメロウに選挙活動を一任し、何もしなかった。

選挙最終週に主人公に告白するが、主人公のためなら全てを差し出せるという例えの中で生徒会長の座という発言をしたことで、ソフィアが真剣に選挙活動に取り組んでこなかったことが主人公に伝わり、ソフィアの支持者の気持ちをないがしろにしているとして主人公が怒る。ソフィアはそれで主人公にフラれたと思い込み、選挙で主人公に圧勝して自分の力を示し、主人公に軍門に下ってもらおうとする。ソフィアの勅命を受けたメロウが手段を選ばず暴力で支持を拡大し、それを危惧したパフが立候補を取り下げて主人公の支持に回り、選挙は主人公とソフィアの一騎打ちになるが、投票は同数となる。そこでソフィアがバトルをして勝者を生徒会長にすることを提案し、2人は戦うが、圧倒的不利にも関わらずそれでも自分のものになることを了承せず、無抵抗でいる主人公に対してソフィアが萎えてしまい、ソフィアは立候補を取り下げて主人公が生徒会長になる。主人公はソフィアと話をして、自分に対する誤解を解き、またソフィアも主人公のためならどんな自分にも変わってあげるといい、2人は恋人になる。新しい生徒会は副会長ファウラ、書記長ソフィア、書記補佐チコ、会計長パフ、会計監査メロウ、庶務長伊織、庶務ポン子、ソロス、という大所帯となるが、ソフィアは主人公とイチャつくことを主目的とし、生徒会の仕事をしない。最終的に主人公がHで懲らしめて言う事を聞かせるが、それでもソフィアは自発的には動こうとしなかった。

そんな中、メロウはソフィアが未来を考えていないように見えることを憂慮し、主人公にも自分との未来について相談するように進言する。主人公とソフィアはデートをして、そこでソフィアが新しい魔王となることをどう思うかという話をする。主人公は魔王にはなってもならなくてもよくて、一番大切なことは自分のやりたいことをやることであり、そのために自分はソフィアがいくすべての道を手助けするという発言をする。ソフィアはそれを聞いて心境の変化があり、自らの将来について真面目に考えるようになるほか、メロウの意見とも一致していたので、主人公の株が上がる。

ある日、学園内にいる旧魔王反対派に手引きされた魔族が反乱を起こし、学園生徒を人質に取ってソフィアの命との交換を迫られる。主人公と過ごした生活で、学園に愛着がわいていたソフィアは、学園生の命を切り捨てる決断ができなくなっており、捕まってしまう。しかし、ポン子の力を借りた主人公が無事ソフィアを助け出す。そして主人公もソフィアももう少し学園生活を続けて遊んでいたいと思うところで終わり。

エピローグではソフィアが世界政府の大統領となり、主人公がその補佐をしている場面が描かれる。

圧倒的強者の余裕から主人公を含む他のキャラを舐めている態度が多く描かれ、不快感が先に立ってあまり魅力を引き出せていなかったキャラに感じた。キャラゲーではなく、凌辱ものなら最高のキャラだったかもしれないが、1人だけキャラ設定が浮いているように感じた。

後は角としっぽ、また魔法やエナジードレイン能力を活かしたプレイがなかったことも残念だった。

CVは風音様。流石ドSキャラを演じるのは上手()。

 

 メロウ=アクリ

 

ソフィアのお付きのメイドその1。高校2年生。種族はセイレーンで、水を操る魔法を得意とするほか、精神に干渉する呪歌も扱える。水の悪魔であるため本当は地上は大の苦手で、地上にいるだけでしんどいらしい。苗字からわかる通りソフィアの義理の妹。ソフィア至上主義であり、ソフィアのためならどんなこともする。他キャラを見下した態度を取り、特に主人公を、ソフィアをたぶらかす悪い虫として徹底的に嫌っている。

選挙で特に主人公を妨害する主犯なので、特にヘイトがたまりやすい。

メロウルートでは廊下に倒れていたメロウを主人公が介抱したことで、今までソフィアの横で政権争いに巻き込まれ、異性に優しくされた経験のなかったメロウが恋に堕ちてしまう。しかしこれまでのプライドから主人公への態度を変えることができず、ツンデレな態度をとるが鈍感な主人公には気づいてもらえない。ソフィアはメロウが主人公を好きになったことに気付き、全てを精算する目的で1度だけ主人公とHする。最終的には結局2人は恋人になる。

圧倒的チョロインなメロウが可愛く、このルートを見ると本編でのメロウの行いが気にならなくなるのでおすすめ。今までずっとソフィアのお世話をしてきて私生活がなかったため、男に対する耐性がないメロウもかわいかった。

CVは桃井いちごさん。大ベテランで演技も上手だった。

 

 チコ

 

ソフィアのお付きのメイドその2。高校2年生。その正体は劫魔界の伝説的な魔獣で元は前魔王のペットだった。変身を解くと、学園を軽く踏みつぶせるほど大きいらしい。子どものころのソフィアが魔力を与え、チコを今の姿にしたことでソフィアになついている。ボール遊びが大好きだが力が強く、並の人間であれば死ぬらしい。知能は幼児レベルだが、動物的な感覚が鋭く、主人公の事は本能的に恐れている。

チコルートでは主人公に対する恐怖感を克服するために自発的に部屋に遊びに来たチコとデートをすることになり、その中でチコに惹かれた主人公がHすることになる。

CVは奏雨さん。特に語ることはなし。

 

 クルル

 

主人公の部屋に落ちてきた自称破壊神。その後主人公と同じクラスに編入し、選挙が終わった暁には破壊神としての活動を手伝うという約束で、主人公の陣営として主人公の選挙活動をサポートすることになる。機械帝国出身らしいが、睡眠、呼吸、食事をするためどうみてもアンドロイド(ガイノイド)ではないと主人公たちに突っ込まれている。好物は主人公に連れていってもらったことからラーメン。記憶喪失でかつ持ち物もないため、普段はお金がなく、寮母さんの手伝いをすることでお駄賃をもらっている。しかし食事代はほぼ主人公が払っている模様。「みたいなね」と語尾につけるのが口癖、かわいい。

クルルルートでは主人公が選挙に当選し、今まで支えてきてくれたクルルへの好意が溜まって、クルルに告白し2人は恋人となる。クルルは約束を変更し、世界を滅ぼすことを止めて主人公とずっと一緒にいたいと言う。新生徒会ではファウラ、ソフィア、パフに、クルルと付き合ったことによるイチャイチャを間近で見たくない、と入閣を断られ、副会長クルル、会計伊織、書記兼庶務ポン子で生徒会をスタートさせる。

他ルートでは別のヒロインと付き合っていても普通に入ってくれたとか、それでも協力させられる伊織がかわいそうとか思ってはいけない。

そんなある日、主人公の能力が使えなくなってしまう。これは無くなったわけではなく、何らかの原因で出力ができなくなっているのだと主人公は感覚的に理解する。不穏な空気の中、機械たちが学園を襲い、クルルの失った記憶が戻り、クルルが覚醒する。クルルは自分がこの世界にいると世界が崩壊してしまうことを悟り、封印されることを決める。最後にクルルは主人公と結婚式を行い、主人公にもわからない精巧な分身のアンドロイドを残して姿を消す。ノーマルエンドはこれで終わり。

結婚式でのHで「今日だけ」や「ごめんね」を連発し、主人公からの明日からもずっと一緒だと言うセリフの返事をはぐらかすクルルがいつものシチュエーションで好きだった。

その後タイトル画面から「コードを入力する」を選び、「ワールド・セレクション」を選択することでトゥルールートに入る。

クルルがいなくなる最後の日からスタートし、主人公は機械に襲われて、今まで主人公とクルルのことを監視していた、機械帝国出身のクラスメイトであるミナヨから説明を受ける。主人公の能力が使えなくなったのはクルルの能力「浄化(カタルシス)」を無意識にコピーしていたからであり、その力は世界を滅ぼす力であること、またクルルは、昔機械帝国を統治していた「ヒト」という種の最後の生き残りであることが伝えられる。現在機械帝国は「マザー」と呼ばれる機械が統治しており、「マザー」はクルルのDNAをもとにして作られた生体アンドロイドであること、クルルはマザーのバックアップとして冷凍保存されていたが、第6の世界「幽界ヒドゥム」が侵略してきてクルルの身体を乗っ取ったことがわかる。ヒドゥムの住人たちは皆肉体を持たないアストラル体で、他人の精神に干渉しその自我を乗っ取ることができた。また彼らは個にして全、全にして個であり、住人たちの全ての意識、また乗っ取られた人々の意識もまた集合体となってつながることが明かされる。クルルをチャンネルとしたヒドゥムの住人は、この世界すべての人々の意識を乗っ取ってつなげることにより世界征服を目論んでいた。しかし、主人公の「贋作師」には精神干渉が利かず、それゆえ物語冒頭でクルルは一度ヒドゥムとの接続を切られて空っぽの状態になったことがわかる。しかし今再びクルルはヒドゥムと接続し、主人公以外のすべての人々は皆意識体となってつながれてしまった。クルルは唯一自分たちと同期できない主人公を素晴らしいと言い、2人で世界をやり直そうと主人公に提案するが、主人公はそれを拒否する。主人公はそれぞれのキャラたちの抜け殻を回って能力をコピーし、その能力全てを使ってクルルを止める。そこで分かり合えない他人が怖い、1つになれば争いはなくせるというクルルに、主人公はそれでもたくさんの人々が作り出す明日が見たいと説得してクルルは皆の意識を元に戻して終わり。

エピローグでは幽界ヒドゥムを6番目の世界として承認した世界政府が、アストラル体のヒドゥムの人々を義体へと移し、交流を深めて相互理解をはかる計画が進んでいることが明かされる。主人公の能力は多重の能力コピーという無茶を図ったことで失われてしまったが、それでも主人公とクルルは手を取り合って生きていくことを決意する。まだ明日への不安を口にするクルルに対し、主人公が今日を精いっぱい生きて、明日はなんとかなるんだという考えを伝えるところで終わり。

話的には精神支配系の話にありがちな展開なので触れないでおく。

個人的にはCV沢澤砂羽で、しかもフワフワ系のキャラの声が聞けただけで大満足。シナリオ中にラーメンを食べるシーンが2回もあり、そのどちらもが専用SDと共にラーメンを食べながら話す沢澤砂羽さんの演技が聞けてとてもよかった。

銀髪だったり、意外と感情が豊かだったり、意外とおっぱいが大きかったりするところもよかったと思う。

 

 卦法院 紗月 けほういん さつき

 

主人公たちの寮の寮母さん。ミリエルとは友達で、度々ミリエルが遊びに来ては酒を飲んでいるらしい。実は「呪香(シャーマンワークス)」という能力を持っており、香りを吸った相手の精神に干渉することができる。幼いころにこの能力のせいで何らかの事件を起こして「記憶洗浄」を受けており、両親の記憶が無く、孤児院で育てられた。

これだけ聞くとかなり練られた設定のようだが、これ以上は出てこないので残念。ちなみに「呪香」の力は主人公がコピーしてトゥルールートでクルルの本心に干渉するときに用いた。

紗月ルートでは日々お世話になっている紗月のためにパーティを開こうと主人公が計画するが、クルルが適当に言ったせいで誕生日パーティになってしまう。そこで紗月は主人公に記憶がないこと、誕生日もないので今日を誕生日にすることを話し、その流れで部屋で一夜限りの約束でHすることになる。主人公は今日だけにしたくないと言うが紗月は能力を使って主人公の記憶を消す。翌朝、主人公は断片的にしか紗月とのことを思いだせないが、紗月が主人公に卒業後に待っていることを仄めかして終わり。

CVは御苑生メイさんで、流石Hシーンがとんでもなくうまかったと思う。

 

 ミナヨ

 

機械帝国出身の高校2年生。アンドロイドで型番がPEF-374であることからミナヨと呼ばれている。本編ではマザーからの指示でクルルが覚醒しないかを見張っている。感情は無く、機械的な話し方をする。

ミナヨルートでは主人公と仲良くなって、クルルに関する情報を抜け、というマザーからの作戦指示で、主人公を性的に落とすために行動を開始する。主人公はミナヨに拉致されて基地に連れていかれ逆レイプされかけるが、最後は落ちた主人公とラブラブHをする。

主人公を落とすためにビッチな人格をインストールし、それが自分のキャラ崩壊につながって葛藤する姿や、最終的に自分も快楽堕ちするところなど結構見どころもあってよかった。

CVは桜川未央さん。淡々とした話し方と、感情の乗った話し方の演じ分けという難しい演技も違和感がなく、すごいと思った。

 

・終わりに

 

キャラゲーとしてみれば、サブキャラの数の多さや、それも含めた豪華なCV、かわいいキャラたちと、結構よかったと思う。こもわた先生のSDも秀逸の一言。

ただ、このブランド全体の問題だと思うが、作品を通してまんべんなく誤字脱字があり、特に重要なシーンやHシーンでそれがあると萎えてしまうので、それが本当に良くないと思った。