shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題44-2

 

 

みなさん、お久しぶりです。shanです。

前作から間が空いてしまいましたが、FDをクリアしたのでそれについて感想を書いていきたいと思います。

 

 

pieces/揺り籠のカナリア

 

    2020年5月29日に発売された「pieces/揺り籠のカナリア」です。本作では前作のメインヒロイン4人のルートの続き及び昇格ヒロイン1人のルートが追加されたものとなっており、正統派FDとして悪くない出来になっていたと思います。

 

前作の感想についてはこちら。

無題44 - shanの落書き帳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

タイトル画面からルートを見たいヒロインを選ぶ方式。攻略時間はそれぞれ3~5時間ほど。

回想シーン数は前作ヒロインがそれぞれ4回と、昇格ヒロインが2回。

 

 

ここからはキャラの個別ごとに内容を紹介する。

キャラの成長などは特にないので、前作ヒロインについては立ち絵を省略する。

 

・キャラ

 

 伊集院 貴美香 いじゅういん きみか 161-79-54-85

 

前作からの昇格ヒロイン。主人公たちのクラスメイトで、ミッテベルの街では有数の名家のお嬢様。思い込みが激しく怖がりだが、自分こそが伝承の天使の生まれ変わりだと信じており、周りにもその扱いを強要する。またそれだけでなく、ノブレスオブリージュを自分にも相手にもし、清廉であるように主人公たちに強要してくる。

本編共通ルートで最初に主人公が結愛と出会った際、結愛を苦しめていた悪夢を見ていた張本人。貴美香ルートでは主人公が貴美香を悪夢から助けたところから話が始まる。

貴美香はその出来事以来、毎晩主人公が王子様として現れて助けてくれる夢ばかり見るようになり、現実でも主人公の事を意識するようになる。貴美香は持ち前の思い込みの激しさと傍若無人ぶりを発揮し、主人公を自分の家の使用人として働かせることにする。主人公は半ば貴美香の屋敷に軟禁されながら仕事をするが、結愛の家を陽キャの肝試しから守るという約束を放っていたため、カステラ(結愛が飼っている、人の言葉がわかる鳥型の謎生物)が主人公を探しに来て、そのまま貴美香も一緒に結愛の家に行くことになる。その問題は、貴美香が市に働きかけ、結愛の家と林道を(公金で)整備することで解決するのだが、その中で貴美香が「夢を忘れない」能力を持っていることが判明する。貴美香は幼いころ天使(結愛)に夢の中で出会い、世界を夢に見る役割の話を聞いたことがあった。貴美香は、天使だけにその役割を押しつけるのはかわいそうだとして、自分がその役割を引き継ぐと提案するが、その役割の過酷さを知っていた結愛によって、提案は受け入れられなかった。しかし、貴美香は天使を助けるために、もう一度天使に気付いてもらえるように、自らを天使だと公言するようになったということだった。

貴美香は主人公と日々を過ごすうちに、主人公のことが好きになってしまい、先走って主人公にキスをするが、その時点では主人公はまだ貴美香のことが好きではなかったので、びっくりした反応を返してしまう。貴美香は自分が受け入れられなかったショックから学園を休んでしまい、貴美香の気持ちをじっくり考えて主人公も自分が貴美香を好きなことに気付く。現実での面会を断られた主人公は夢の中で貴美香に会いに行き、翌日現実の学園でもう一度貴美香に告白する。

2人は恋人になるが、貴美香が先走って主人公を父親に婚約者だと紹介したことで、貴美香の父親が困惑して反対し、主人公は貴美香にふさわしい品格を身につけるための特訓を貴美香と始める。パーティに出席したのち父親とは和解が成立し、主人公は認められるが、今度は貴美香が学園の生徒を導くために生徒会長に立候補すると言いだす。生徒たちは、貴美香が生徒会長になってはかなわないと、対抗馬として紬を擁立する。貴美香陣営は貴美香と主人公の2人だけしかおらず、学園生としての模範を生徒たちに強要する公約だったが、選挙活動を通して主人公は、貴美香が100%の善意から生徒たちのためを思って活動を行っていること、皆に受け入れられていないことはわかっているが、自分を曲げないことで伝わることもあると考えていることを知る。主人公は貴美香の評価を改め、真面目に選挙活動の協力を行うが、結果は大敗する。しかし、生徒会長に選ばれた紬は、副会長に貴美香、会計にありす、書記に晃司、庶務に主人公を指名し、主人公たちの学園生活は続いていくのであった、という話。

 

自分の主張を絶対に曲げないこと、時にはビンタで主人公や晃司を攻撃すること、自分と同じ考えを他人に強要すること、などからこのキャラは本編ではあまり好きではなく、このFDで多少背景が深掘りされたが、評価を覆すほどではなかった。サブヒロインであるからかHシーンも他のヒロインの半分しかなく、特筆すべきものもなかった。

CVは水野七海さん。こういった高飛車お嬢様系のキャラのイメージが強かったので、イメージ通りといったところ。

 

 カステラ

 

前作から登場していた結愛が飼っている謎の鳥型生物。人語を理解しているが、自身は「ぺぎー」としか鳴けない。主人公のことは、結愛に害をなす人物として攻撃してくることが多いが、肝心な場面では協力したり、助けを求めたりしてくるあたり、信用しているようである。

前作でもそこそこシナリオには絡んできていたが、紹介しなかったのでここで紹介しておく。

 

 

〇深織ルート

 

本編で深織が担っていた天使の役割を結愛が引き継いでしばらくした後の話。目覚めなくなり、自宅で眠り続けている結愛の見舞いを続けていた2人だったが、深織は卒業が近づいてきたので、昼寝部の解散を決意する。主人公とありすは、部室という名の昼寝場所をどうにかして守るため、深織が行ってきた活動を起きて行う、ボランティア部を新たに設立することにする。主人公はありすと2人で部活動を行う日が増え、深織は受験勉強という名目でほったらかしにされ、自分が主人公との輪に入れなくなったことを嫉妬するようになる。そんな中、本編であったような夜中の学校で不審者を捜索するイベント(本編時はたぬきで今回は幽霊)を経て、主人公は深織が寂しがっていることに気付き、深織との時間もとるようになる。さらに日が経ち、貴美香がボランティア部を崇高なものにしようとして入部してきたり、ハロウィンに合わせて仮装パーティをやって部員を集めることになったり、深織が水泳の授業で補習になったりするが、なんとか深織は医学部に合格する。主人公は寝てばかりで学園生活を送れなかった深織のために、2人だけで修学旅行に行こうと提案する。2人は山でキャンプをすることにし、夕焼けをみたり、星空を見たりする。そこで深織は、今まで寝てばかりで主人公に助けられてばかりだった自分を変え、これからは2人で支え合っていきたいということ、将来は主人公を起こしてあげたいことを伝える。

さらに時が過ぎて卒業式の前日になり、主人公は旧昼寝部の部室で深織からの手紙を見つける。そこには、主人公と一緒に幸せになりたい、という内容が書かれていた。そして数か月後、深織はインターンになり忙しいながらも充実した幸せな毎日を送っていた、というところで終わり。

 

最後が駆け足で、特に卒業式当日の描写が一切無かったところが致命的だった。他にも医大に入学して数か月(1つ下の主人公がまだ学園生なので)で、いきなりインターンにはなれないだろう、というのもあるが、そこは置いておく。

キャラゲーのFDとしてみれば、バニー姿でのHシーンがよかったのと、4回のHシーンがすべておっぱいについてを強調したものだったので、登場するキャラの中で一番巨乳であるという特徴を活かしていたのはよかった。特に、巨乳キャラであっても、シーンの全てで巨乳についてフォーカスしている作品はなかなかないので、よかったと思う。

 

 

〇ありすルート

 

本編でまりあへの想いを断ち切った後も、ありすはアイドル活動を続けていた。ありすはマンネリ化する活動を打破するため、晃司と新曲作りに励むことにするが、音楽のことがわからない主人公は蚊帳の外となり面白くなかった。そこで晃司に嫌がらせをするため、ありすの新曲の歌詞を公募し、それに選ばれた歌詞に曲をつけるというイベントを、市長にごり押して実現させる。ありすと市職員の審査の結果、結局晃司の書いた歌詞が最優秀賞、深織の書いた歌詞が優秀賞となるが、主人公がこっそり応募していた歌詞が特別賞に選ばれ、この3曲が作られることになる。

ありすはアイドル活動にかまけていて学園の試験を追試になり、結愛の家で勉強をすることになる(結愛は気を利かせて紬の家に泊まりに行ってくれる)。追試は無事に終わるが、ありすと主人公はお互いに、これまでの感謝の気持ちを相手に伝えたくなり、2人ともがそれぞれ結愛に個別にサプライズを相談する。ありすは主人公に手料理を、主人公はありすに手作りのブレスレットを作ることを結愛が提案し、結愛は自分の家で2人が鉢合わせしないよう気を遣いながら、同時に助言と指導を行う日々が続く。2人の用意ができ、お互いにサプライズ当日、主人公は徹夜でブレスレットを作っていた反動で、結愛の家の庭で夕方まで寝てしまう。またありすは朝からずっと主人公の家の前で帰りを待っていた間に雨に降られてしまう。結愛に急かされ、大急ぎで家に帰った主人公はありすと会い、お互いのサプライズは成功するが、雨に降られたせいでありすが風邪をこじらせて入院してしまう。ありすはすぐに退院できるがまだ喉の調子が戻らないせいでアイドル活動はしばらく休止になってしまう。しかし、重病でこの街を離れる決心をした男の子に歌を届ける約束をしていたせいで、ありすは病み上がりの身体を押して1日を慰問活動に費やす。そこで男の子に勇気を与えられたことで、ありすは今まで我武者羅にやってきたアイドルについて、初めて考えるようになる。ありすは「渡り鳥のソムニウム」という歌詞を書き、それを読んだ晃司が曲を作る。新しい曲も完成し、ありすはよりアイドルとして皆に勇気を与えられる存在になるため、将来に向けて踏み出すのであった、という話。

 

お風呂場で女の子が背中を流してくれるCGが好きなので、それがあったのはよかった。また、自分が一生懸命作った料理をテーブルに並べて、その前に座って笑顔を浮かべているCGがとてもよかった。

Hシーンではイロモノを割り当てられたなという印象。それでも普通の水準だったので、それはよかった。

 

 

〇紬ルート

 

結愛に役割を任せ、主人公と2人でこの世界で生きていくことにした紬だったが、それでも結愛への負い目は晴れることが無かった。2人はいつのまにか結愛の話題を避けるようになっていた。そんな中、紬は主人公と2人で川遊びに行ったりもしていたが、Trueルートで1度目の世界の存続を主人公に願った女の子が紬であることが明言される(それまではCVが同じ、という情報だけだった)。また、紬はその時に1度目覚めているが、自分が世界を存続させた選択が正しかったかについても後悔していたことで、今回の2回目の夢の世界訪問に繋がったことも明かされる。その経緯から、紬は主人公が「導き手」であった時代を知っており、そのことを忘れている主人公に明かすかどうかでも迷っていた。一方主人公は、紬が悩んでいるのを妊娠したのではないかと勘違いし、勢いで紬にプロポーズする。紬はその勘違いをただすが、肝心の悩みの中身についてははぐらかす。

ありすの提案で入院している子どもたちへの慰問を行うことにした主人公、紬、深織は、紬が子どもたちの世話が上手なこと、紬の母親が元保母だということ、紬の夢が保母さんだということを知る。また、紬と主人公との日々を見ていたありすから、2人の関係が老夫婦のようだと苦言を呈され、カップルらしいトキメキを求めて街をデートすることになる。2人はその流れで結愛の家に向かうことになり、誰もいない屋敷を見て紬が屋敷の掃除をしようと言いだし、毎日屋敷に通う中で、紬が結愛に気持ちが引っ張られていく。主人公たちは皆を呼んでバーベキューをしたりと、再び結愛の家に集まるようになっていくが、そんな中主人公はカステラの影を見たり、結愛の夢を見たりするようになる。主人公は、結愛の家で紬と過ごし、解散した後こっそり屋敷に戻り、そこでカステラと会う。主人公はカステラに結愛の現在の居場所について尋ねようとするが、後を追いかけてきた紬と出会い、逃げたカステラを追いかけているうちに紬が2階から転落し、下にいた主人公はそれを受け止めようとして足を骨折してしまう。紬は自分を責め、カステラのことを主人公に聞くのをやめ、また主人公に過保護になって腫れ物扱いをしてしまう。それに距離を感じた主人公は、何とかして元の紬に戻ってもらおうとする。そんな中、看病のために主人公の部屋に泊まっていた紬が悪夢にうなされているのを見た主人公は、紬を助けるために紬の夢に入る。主人公は紬の夢の中で結愛に会い、紬も結愛に自分の後悔について語る。紬は現実世界のことを知っているので、夢の世界で生きる意味を主人公以外に見出せず、それ故主人公が怪我をしたことで不安が一気に噴出したということだった。結愛は紬に対して、現実世界でだって生きる意味なんてわからない、今自分がしていることに意味があって、生きる事はその積み重ねではないか、と紬を説得する。そして、自分は紬と主人公の人生を見ているのが楽しみなのだから、幸せになってくれないと困る、と紬に言う。紬は現実世界のことを考えるのをやめ、夢の世界だけを考えて生きていくようにふっきれることができた。

夢の世界に戻った紬は、皆で主人公の誕生日をサプライズで祝い、これからも一緒にいることを誓いあって終わり。

 

最初の2人で川遊びするシーンは、幼馴染が恋人になった後の日常シーンの補完として最高だったし、主人公が紬の妊娠を勘違いしてドタバタするのを紬があきれながらも最後には許し、主人公のプロポーズを受け入れるのも、2人の関係が強固であることを感じさせ、ツーカーぶりが垣間見える良いエピソードだと思った。

他にも結愛の事を考えてしまう紬に主人公がHをして慰めるシーンでは、「燕は言う事もする事も、あたしの考えているタイミングとちょっと違うけど、いつも言ってほしい言葉をくれるし、してほしい事をしてくれる」というセリフがとても良いと思った。

2人でいてもお互いに一緒にいた時間が長すぎて恋人らしい空気にならない、というのも幼馴染エピソードとしては優秀だと思ったし、生きる意味を主人公に依存しているので主人公が骨折したときに全てをお世話してしまうというエピソードもよかった。

とってつけたような保母さんが夢、という設定も、子どもたちの慰問で母性があふれだした紬が、夢の中で主人公とおねショタプレイをする、というシーンにつながっていてよかった。

このルールはどうしても結愛に役割を押しつけている以上本当のハッピーエンドにはならないのだが、紬ルートの補完としてはこれ以上ない出来で、幼馴染ヒロインの1つの完成形ではないかと思った。

 

 

〇結愛ルート

 

学園祭で結愛と因縁のあった女子生徒と和解し、結愛の家で2人が初体験をして、主人公が目覚めるところからスタート。そのまま結愛が学園に復帰し(単位が足りないので留年して1年生)、ありすの繰り出す陽キャのおせっかいの数々に陰キャの結愛が耐えられなくなりつつも、日々楽しい学園生活を過ごしていた。しかし、カステラがいなくなっており、2人ともそのことを忘れているなど、不穏な要素もあった。

そんな中、深織の卒業に伴って昼寝部が廃部になり、深織からこの部室をなくさないために新しい部活を作ることを提案される。2人は結愛を部長として「ゲーム部」を作り、結愛は部活を通して自身の対人能力を向上させたいと思うが、結愛がメイド服で勧誘ビラを配ったことで入部希望者が殺到し、2人は学園を逃げ出す。2人はそのまま街外れまでくるが、Hの後寝てしまった主人公に対して結愛がこの世界がループしていることを示唆して一旦終了。

 

タイトル画面に戻り、新しく「Omnium」というルートが選択できるようになる。ちなみに意味はラテン語で「すべての」らしい。

 

再び学園祭当日に主人公が目覚めるところから始まる。主人公にはなぜかノア(CVくすはらゆい)と名乗る妹ができているが、主人公はそのことに違和感を感じつつ受け入れている。そしてこの世界では主人公と結愛以外の人間はハリボテであることが判明していき、また世界が後2、3日の間に崩壊してしまうことがわかる。主人公はやがて今回より前のループの記憶を少しずつ取り戻していく。世界崩壊の当日、結愛と主人公は何となくそのことがわかっていつつも、お互いそれを明言することは無かった。結愛は結婚式がやりたい、と言いだし、街外れの教会で2人だけの結婚式を挙げる。式が終わり、全てを説明しようとした結愛の前にノアが現れ、もう時間がないことを告げる。ノアは主人公を生み出した天使とは別の天使であり、同じく「尊いもの」を探してこの世界に観測者として長い間住み着いていた。そして本編最後に主人公と結愛が下した結末に納得がいかず、もう一度結末を見届けるために来たのだと説明した。

本編の最後に、主人公を生み出した天使は、1人夢の世界に残る主人公を憐れんで、どうにか主人公を救済しようとした。しかし、主人公を現実世界に送ることはどうしても無理だったため、世界をもう一つ創造し、その世界で結愛と主人公を再開させた(これをB世界とし、本編Trueの世界がこれにあたる。再開したのはB主人公とB結愛)。一方元の世界(A世界)の主人公は夢の世界に囚われたままだった。カステラは1度目に主人公が世界を終わらせた際、本体の天使から分かれた分体であり、結愛に飼われていたことと、結愛が最後の天使だったことから、結愛との間に繋がりがあった。カステラはA主人公を憐れんでA結愛に助けを求め、ノアの手助けもあってA結愛がA主人公を助けるために来たのがこのFD世界だった。そこではカステラが世界を維持する役割を担っていたが、カステラの力が失われつつあったため、主人公と結愛以外の人間がハリボテになっていた。結愛は主人公を現実世界へ連れ帰ろうと何度もループしたが全て失敗し、今回のラストチャンスでもうまくいかなかった。そしてカステラが力を使い果たして消えてしまい、世界が崩壊する寸前、結愛が再び天使の力を受け継いで世界をかろうじて維持し、結愛の現実世界での役割を主人公に明け渡す事で、自分の代わりに主人公を現実世界へ送り、自分は夢の世界に残る。主人公は現実で、結愛の代わり(紬の従兄弟で幼馴染)として目覚めるが、両親にもなじめず、また現実の紬とも夢の紬との間の違いを感じて上手く付き合えなかった。主人公の夢渡りの能力はなぜか失われておらず、主人公はそれを使って現実世界で結愛を探そうとするが、見つからないまま3か月が過ぎた。現実世界での人間関係を完全に放棄していた主人公に紬が怒り、面倒を見ようとするが、主人公はそれも拒絶し、紬と喧嘩になってしまう。しかし、それがきっかけで主人公は夢の世界での他の人々に力を貸してほしいと思うようになる。主人公が本編最後でした、現実世界に帰った人々が自分の事を忘れてほしい、という願いは天使によって1夜限りの撤回が認められ、主人公は夢渡りによって夢の世界で関わりのあった人々に会いに行く。夢の世界の人々はそれぞれ現実世界で関係を築いていたので、紬→ありす→晃司→貴美香→深織と話を聞くうちに、深織が医療関係の研究で行った南米のとある国に、「天使」と呼ばれている名前の無い女の子が寝ていた、という情報を手に入れる。主人公は早速その国へ向かい、「ミッテベル」にそっくりなその町「パラフェーダ」で、ベッドに寝ている結愛と再会する。主人公は結愛の夢の中に入り、結愛とついに再会するが、目覚めた時結愛はその痕跡ごと消えてしまっていた。しかし、主人公は結愛が夢の中で「大丈夫」と言っていたことを頼りに再び日本へ帰る。

主人公を送り出した後、結愛は1人で夢の世界に残っていたが、ノアが世界に介入し、結愛のために現実世界に肉体を用意してくれていた。そのため、結愛は主人公が迎えに来てくれるのを待てばよかった。ノアは「尊いもの」とは何かを結愛に尋ね、結愛はそれは人によって異なるものだ、と答える。しかし、本編とは異なる結末に納得したノアは世界を去る。最後は家に帰ってきた主人公が、隣に引っ越してきた結愛とカステラを見つけるところで終わり。

 

最後に外から結愛の家の2階を見上げる主人公の構図が、本編で結愛と初めて出会った時と同じ構図なのがよかった。また、結末についても本編最後よりは納得できるものであると考えられたのでよかった。

最後に全員の協力があって、グランドルートのヒロインのところに向かう展開は王道のものであるがゆえに好きなので、変に改変せずそのまま展開を出してきたところはよかった。

ゲーム中では、恋人になってからのデレ状態の結愛を補完できたこともよかったし、主人公に憎まれ口をたたいてしまう自分を戒めるためにメイド服でご奉仕Hをするシーンがよかった。また、2人だけで結婚式を挙げる展開はとても好きなので、それもよかった。膝枕してくれているCGもよかった。

 

ノアについては、主人公と結愛が本編最後に下した結末に納得できないとして場をかき乱す悪役として最初は描かれていたが、最も尊敬する人物は結愛であるという発言があったり、最終的には結愛を助けてくれたりしていたのでよくわからないキャラになっていた。CVに関しては完全に無駄遣いだったのが惜しい。

 

 

・おわりに

 

キャラゲーとしてみればかなり良い出来のFDであったことに加えて、紬と結愛の掘り下げが1段勝るものであったように思う。結愛ルートのグランドもすっきりするものだったし、前作とまとめてみればキャラゲーとして良作と言える出来なのではないだろうか。とにかく紬と結愛だけはやる価値のある作品だと思った。