shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題16

 

長すぎて草。

 

 

みなさんこんにちは、shanです。

今回紹介するゲームは

 

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ものべの - monobeno【Lose】

 

2013年10月25日にLoseさんから発売された、「ものべの-happy end-」です。

2012年に発売された「ものべの」をブラッシュアップし、アフターストーリーを追加したのが当作品で、タイトルの通り、前作「ものべの」がバッドエンドに見えるというユーザーの意見を取り入れて全ルートがハッピーエンドになるようなアフターが追加されています。

またメーカーであるLoseは、いわゆるロリに定評のある会社で代表作はこの「ものべの」のほかには「まいてつ」が有名です。(というか全部で3作品しか出していない)。またWhispという別名義でDLsiteにて音声作品を展開していることも特徴であり、後述しますがこの「ものべの」にはスピンオフとなる「あやかし郷愁譚」シリーズが音声作品として今も発売されています。

 

「あやかし郷愁譚」シリーズは2020年5月現在で18作品が発売されており、現在キャンペーン中で、3つ購入すると「ものべの-happy end-」+「アペンドデータ」+「ボイスドラマ」が、6つ購入すると「まいてつ」+「アペンドデータ」+「ボイスドラマ」がついてくるというあまりにもお得なキャンペーンを行っています。販促のつもりはないですが、興味のある方はこの機会に買ってみるのもいいと思います。なおこのうち6つはゲーム本編に登場したキャラクターを主役としたものであり、実質的なアフターであると言えます。

 

「あやかし郷愁譚」シリーズは月一回の発売が明言されているほか、47都道府県すべてのご当地妖怪を紹介することが目標であることが述べられています。こういった商法は、作品世界を長く楽しめるためよいのですが、かかるコストが高くなることから諸説であると考えます。私は関連コンテンツはすべて制覇したい派なので...。

またもう終わっていますが、fanza様で500円で売られていたりもしました。いいのか...。

こういったアペンドデータには店舗予約特典限定のものなども含まれており、そういう限定データを配布してもらえるのはうれしいのですが、当時大金をはたいて複数のパッケージを買った人から見るとどうなんだろうと思うところもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

ルートは全部で3つだが、ルート中で複数の妖怪とも接点を持つため、回想シーンがあるキャラとしては12人。

最初はすみルート、ありすルートが選べ、両方をクリアするとタイトルから夏葉ルートが解禁される。各ルートをクリアするとシームレスでアフターストーリーに入る。

プレイ時間は共通4~5時間ほどで各ルート6~8時間、アフターも6~8時間と長め。

また本作の特徴として、シナリオが章ごとに区切られており、本編中にもHシーンはあるが、特定の章まで行くごとに短編としてのHシーンが解放される。この短編は独立したものもあれば、本編の補完となるものもあるので、すべてやることを推奨する。

各ルートの章は無印とアフターでそれぞれ20ほどであり、短編シーンも20ほどある。またアペンドデータによって短編Hシーンが20追加される。

したがってHシーンの総数は相当なものであり、すべて数えると

 

夏葉 32          (メインヒロイン、妹)

夏葉+滝女郎 1

夏葉+ありす 2

夏葉+すみ 1

夏葉+ご開祖ちゃん 1

すみ 19          (メインヒロイン、赤しゃぐま)

すみ+ありす 1

ありす 17         (メインヒロイン、幼馴染)

ありす+菜穂子 1

ちま 4           (猫妖)

とおこ 4          (牛鬼)

つみ 2           (過去編のヒロイン)

ひめみや 3         (村の巫女)

なな 1           (土地神、蛭の妖怪)

ご開祖ちゃん 2       (初代の巫女、土地神)

滝女郎 3          (神域を守る滝番、蜘蛛の妖怪)

左右女郎 1         (滝女郎の分身)

菜穂子 2          (ありすの母親)

 

またこの中にも年齢の大小があるのだが、そこは割愛する。

妹の夏葉単独のシーン数がぶっちぎりなんだが...。

 

 さらにアペンドとしてボイスドラマがついてくる。

内容は5分~30分くらいの18禁のものが多く、その内訳は

 

ありす 8

ありす(小) 3

ありす+菜穂子 1

ありす+ありす(小)+ご開祖ちゃん+なな 1

いづものみこ 1             (過去編に登場した神様)

えみ 3                 (主人公とすみの娘)

ご開祖ちゃん 3

すみ 8

ちま 2

つみ 1

とおこ 1

ひめみや 1

夏葉+すみ+ありす(小) 1

夏葉 9

左右女郎 1

菜穂子 1

なな 3

滝女郎 2

鉄砲撃レ狸 1             (えみの友達の狸)

飛車角 1               (主人公の家にいる傘の九十九神、爺)

 

とこちらも膨大。正直、ボイスドラマの方はまだ聞ききれていない。

それに加えて発売1か月前からのカウントダウンボイスドラマと、独立したボイスドラマもある。

 まさにとことん楽しめる内容であると言えるだろう。

 

・シナリオ

 

シナリオに力を入れているとの評判通り、おおむね好評価なシナリオだった。

後述するが、確かにありすルート、すみルートでは夏葉の扱いがかわいそうで救いがない終わり方だったので、安易なハッピーエンドは嫌いだが、アフターとしてハッピーエンドを追加したのも納得できる内容だった。

 また、ロリに力を入れているメーカーらしく、シーンがあるすべてのヒロインと、ロリ化した状態でHすることが可能である。(どうなんだ?)

 

あらすじは

犀玉(さいたま)医科大学に通う主人公、沢井透(さわいとおる)は、夏休みを利用して妹の夏葉(なつは)と高知の田舎、茂伸(ものべの)にある実家への帰省を決意する。

このとき主人公は医学部5年生と言っているので、23歳、夏葉は小学校の宿題があるので、後の展開と合わせて12歳であると考えられる。

主人公たちが帰省するのは、大学に入学して以来5年ぶりのことで、それは今まで夏葉が茂伸へ帰るのを泣いて嫌がったせいであった。

帰省した先のバス停で主人公たちは出迎えてくれた幼馴染のありす、主人公の家の家守である赤しゃぐまのすみ、すみや透たちを守ってくれている傘の妖怪である飛車角と会う。茂伸は人間と妖怪が共存する土地だったのだ。

久しぶりの実家を堪能する主人公と夏葉だったが、御盆の夏祭りである七星祭の日、神様への奉納を行う面舞を見た時、夏葉が倒れてしまう。心配する主人公たちだったが、次の日から夏葉の体に異変が起こり、急に20歳くらいまで成長してしまう。主人公たちは夏葉に起きた異変を解明するため、立ち上がる。

といった内容。

 

主人公は茂伸でのみ信仰されている「ひめみや流」という地域信仰の中で、土地の神様の声を聴く「博師(はかしょ)」という家の家系で、両親は無くなっているものの優秀な博師だった父に教えてもらってその知識を一通り持っている。

また「赤しゃぐま」とは四国に伝わる妖怪で、人家に住み着く赤い威し毛(しゃぐま)が特徴の子供のような妖怪で、座敷童子の仲間とする説もあり、座敷童子と同様、これが住み着いた家は栄え、いなくなると家が没落するともいう。なお座敷童と同列にすると本人は怒る。

このような都会を離れた田舎で、独自の侵攻が残っている舞台であり、さらに妖怪が出てくるという設定は非常にワクワクするものである。

 

また、物語が進むと、体に異常が起こった夏葉を残して、村唯一の道が土砂崩れで通れなくなり、村が孤立するというのも王道展開でよい。

一方で、序盤は主人公が妹の夏葉を過剰に可愛がり、夏葉も子供らしいわがままな言動が目立つが、それもすべて伏線となっている。

 

個別ルートの展開に関しては後述。

 

・キャラ

 

f:id:shanxdl:20200531225634p:plain 有島 ありす ありしま ありす

 

 不至の集落に2軒しかない家のお隣さんで、主人公の幼馴染。年齢は主人公の5つ下なので18歳。昔から主人公の許嫁を自称し、積極的なアプローチで主人公に迫っているが、主人公が鈍感すぎて理解されていない。裁縫、おしゃれが得意で服を自作できるほどの腕前を持つが、興味のないことはとことん苦手で、勉強は不出来。両親は村唯一の診療機関、「有島診療所」の医師と看護師であり、ありすの父親は主人公が医者を目指すきっかけとなった人物である。主人公の呼び方は「透さん」(昔は「透ちゃん」)。

夏葉の異常に対して科学的なアプローチを通じての解明を選ぶとありすルートに入る。主人公とありすによる、有島家の書庫を通じた調べものやありすの父親の手を借りて、夏葉の病名がIAGS Idopathic Acceleration Growth Syndrome(突発性成長加速症)であることが明らかになる。

このIAGSは架空の病名だが、体が急激に老化する病気は知られており、一般的に早老症と呼ばれる。IAGSもそうだが、早老症は遺伝子に異常があることが原因であり、遺伝性疾患である。IAGSは1日に1年程度のペースで体が成長していき、放っておくと死に至る難病として描かれている。しかし、夏葉の体は主人公との触れ合いによりもとの年齢まで戻ったりもする。この症状は医学では解明できず、また夏葉が滝、ひいては水を異常に怖がることから、何らかの祟りを想像した主人公は、夏葉とありすとともに、土砂崩れを迂回して山伝いに茂伸からの脱出を図る。

大昔、ひめみやは茂伸の土地神と協約を結ぶことにより、人に害をなさない妖怪と人間が共存する世界と、妖怪だけが住む世界の2つを同じ場所に重ね合わせ、見えず触れずの境を作った。しかし、何らかの原因(のちに夏葉と判明する)によりその境が乱れ、ルートの後半では、人に害をなす妖怪が姿を見せるようになる。そこで主人公は、牛鬼の「とおこ」に協力してもらって茂伸を脱出する。

最後は雨の降りしきる中茂伸の村境でとおこと別れ、意識を失い目覚めなくなってしまった夏葉を背負ったまま、ありすと2人で犀玉にある下宿先を目指して終了。確かにこれはあまりにも救いがない(そこがよかったりもする)。

CVはヒマリさん。私個人はあまりなじみがなかったが、元気のいい感じの声がはまっていてよかったと思う。

 

またこれは仕方のないことだが、夏葉が病気なのにそれを放って告白し、セックスする展開には少し違和感を覚えた。

 

f:id:shanxdl:20200531232003p:plain とおこ

 

大昔(江戸時代くらい)、沢井家の井戸に落ちたところを助けられて以来、沢井家に恩を返すことを約束した牛鬼(うしおに)。主人公の代ではもう恩の貸し借りの総数はあいまいになっており、近所のお姉さん感覚で接しているが、それでもお互いに礼を忘れてはいない。とても力が強いが、ひめみやと協約を結んでいるため、家の中に入ることはできない。またとおこ自身も家が嫌いで、主人公の家の裏山に住んでおり、星の天井、草の布団で眠っているが、主人公が呼んだ時やたまにふらっと姿を見せる。またケンタウロスのように下半身を牛のそれに変化させることができ、その背に主人公たちを乗せて山の中を猛スピードで送ってくれる。

ありすルートでは主人公たちの逃亡に力を貸してくれ、またすみルートではとある場所への戦いに力を貸してくれ、また短編の中で主人公の2番目の奥さんとなる。

こういう大昔からの約束で、ものすごく力の強いキャラが力を貸してくれる展開はすごく好き。

CVはかわしまりのさん。とおこのしゃべり方は漢字のないのんびりしたしゃべり方だが、その雰囲気がとてもよく出ていてよかった。

 

ありすアフターでは犀玉のアパートでの2人の暮らしが描かれる。

夏葉はあれからなぜか老いることはなく、肉体年齢は20歳ほどで止まったまま、しかし目覚めることなく、また主人公の銀行口座が謎の力で凍結され、茂伸への電話はすべてはじかれてしまう。そんな中、心労が祟って、ありすが過労で倒れてしまう。

こういう、ヒロインと逃げた先で小さなアパートなんかで細々と終わりの見えない生活を続ける展開が大好きなので、とてもよかった。

慌てて病院へ向かった主人公の前に現れたのは、主人公が大学で所属する研究室の教授である、南雲教授だった。IAGS研究の第一人者だった教授は主人公の事情を聴き、夏葉の治療に力を貸してくれる。

少し希望を見出した主人公だったが、そんなとき星辰ひめみや様が主人公の前に姿を現し、その顕現のために必要な代償として、ありすの時間が奪われてありすが小さくなってしまう。

 

f:id:shanxdl:20200531233855p:plain 星辰ひめみや せいしん ひめみや (ご開祖ちゃん)

 

ひめみや流の開祖。星辰大王(蕃神トナリノクニノカミ、バンシンー異国の神のこと)の娘の1人で、茂伸を安定させるために大王によって送られた。6歳で必要な修業を全て終えた大天才で、茂伸の安定後は不測の事態に備えるため根の国(根之堅洲國ネノカタスクニーあの世)でその時を待っている。そのため肉体的には6歳から成長していない。星辰ひめみやは肩書きであり名前がなく、主人公とありすに付けてもらった「ご開祖ちゃん」という名前を気に入っている。肉体は滅んでいるため、現世に顕現するためには茂伸に関わりのある女性の時間を借りる必要があり、若返ってしまった女性は代理人と認めた男(この場合は主人公)がその女性の子袋に精を放つことで精算される。

 

ありすアフターでは夏葉と茂伸の関係を主人公たちに伝え、茂伸の危機を救うために現世に顕現し、ありすの時間を借りてしまったために主人公たちとしばらくアパートで暮らすことになる。このときは主人公たちが親しみのある存在を望んだため語尾が「~ッス」になる。またありすが主人公を誘惑しないことを無意識下で望んだため、主人公たちが精神的に自立してからのちは中性的な話し方をするようになる。

短編ではすべてが終わって根の国に戻ってから、こっそり持ってきた主人公の髪の毛から主人公の分身を作り出し、その主人公と根の国でイチャイチャ生活を送る。

主人公と2人で買い物に出かけるシーンがかわいい。

CVは上原あおいさんで、上原あおいというイメージ通りの元気な声だった。

 

f:id:shanxdl:20200531235223p:plain ありす(小)

 

ご開祖ちゃんにより、時間を借りられてしまったありす。記憶も失われているが、ありす視点から大きくなった主人公の事をすぐに認識し、主人公と2人で暮らしていることを理解して、主人公に惚れてもらおうとするなど、昔から変わらない。

また小さいながらも日々の病院実習で忙しい主人公に変わって家事をこなし、病院内での会議に出席する主人公にスーツを着ていくよう助言するなどしっかりしている。 正直このスーツのシーンは少し感動してしまった。また幼妻というジャンルが好きなのでとてもよかった。主人公の呼び方は「透ちゃん」。

 

主人公は最初、小さくなったありすとのセックスに迷い、ありすの意見を無視して1人で悩むが、ご開祖ちゃんの助言もあってありすを元に戻せるように取り組んでいく。

またご開祖ちゃんからは茂伸のことが語られる。茂伸の境が乱れた原因は夏葉の体の中に「御留水(おとめみず)」という水があることが原因だった。御留水はあるべきものを定まった状態に留める力をもった依り代で、この力により茂伸の境は安定を保っていた。夏葉は昔この御留水を飲んでしまい(詳細は夏葉ルートで語られる)、夏葉の心と融合してしまった御留水が、夏葉の心に連動して揺らいだため(特に主人公がありすとつきあってから)、境が乱れたということだった。夏葉の老化が止まっている原因は御留水が夏葉の体をあるべき状態に保ってくれているからだった。

IAGSの治療法さえ見つかれば、夏葉を治せることがわかった主人公はその研究に精を注ぐ。茂伸を脱出してから7年がたち、主人公はついにIAGSの治療薬となる酵素を見つける。この酵素はIAGSの原因となる遺伝子の修復に関与するもので、これを投与することにより、IAGSが治療できるようになる。

詳しくはないが、酵素や触媒を見つける研究は有機化学の分野ではよく行われていることであり、その研究はプール、いや海の中に落ちた一滴の血液を探す作業にも等しいと言われている。ヒントも何もなくただひたすらに物量をこなす作業だと聞いたことがあり、7年で見つかったのも現実に即して考えればラッキーだったのではないだろうか。

 

 

酵素が見つかる1年ほど前、主人公とご開祖ちゃんは買い物デートに行き、ご開祖ちゃんはそこで1つのチューリップの球根を買う。しかしそのチューリップは季節になっても花が咲かず、主人公たちは不思議がっていた。

さらにちょうど同じくらいの時期、ありすの妊娠が発覚し、酵素が見つかるのと同時期に子供が生まれる。主人公とありすはその男の子にご開祖ちゃんに感謝の気持ちを込めて「ほくと」という名前を付ける。

そして主人公とありすが研究発表の祝いのパーティに出席して帰ってきたのち、ご開祖ちゃんは姿を消していた。さらに部屋の中からはほくとの鳴き声が聞こえ、主人公たちが慌てて部屋に入るとそこにはほくとを抱いた夏葉が座っていた。

夏葉の年齢は眠り始める前のままで、実年齢が19歳なのを考えると年相応だった。

また鉢植えを見ると黄色いチューリップが咲いていた。黄色いチューリップの花言葉は「かなわぬ恋」で、ありすはご開祖ちゃんのことを想い、主人公はまたこのチューリップが夏葉の自分に対する恋心を吸い上げていたのかもしれないと考える。

最後は主人公とありすが茂伸の皆を招待して結婚式を挙げるところで話は終わる。

 

話の展開といい、ご開祖ちゃんの登場と言い、一度茂伸に里帰りしたときのありすとすみの会話といい、最後が花言葉で終わるところといい、よさみポイントが存分に詰め込まれたシナリオだったように思う。

幼いころから想い続けてきた主人公に対する一途な思いが溢れた同棲生活であったり、そこからくる献身的なふるまいだったり、主人公を支えたいと看護師になることを決意するなど、昔からの時間の流れを感じさせるとてもいい出来だった。

茂伸に帰省した時、今まで主人公を支えてきた、また主人公の事が好きであるすみから主人公との幸せを願われる場面は感動もの。

 

また茂伸に帰省したとき、ご開祖ちゃんが借りた時間を返すためにロリ化したちま、とおこ、ひめみや、滝女郎とセックスするシーンがある。

 

この主人公はセックスシーンには人格が変わるうえ、テキストが感嘆符を多用したり、して!、されて!などの連用形で終わる文章が多かったため個人的には好きではなかった。攻略する3人のメインヒロインすべてに飲尿シーンがあるなど、少々マニアックなものもある。

また音声サークルでもあるからか、セックス時の水音のSEがあったり、セリフの誤字、入れ忘れ、場面指定の消し忘れ、間違った台本のままの音声などがあったりして、個人的にはそこもマイナス。

またフェラの時のちゅぱ音をモノローグで半分ほど済ませているのも問題。

 

この作品における主人公は、付き合う前は相手の事も全て自分1人で背負おうとし、決して他人に弱さを見せないが、ヒロインと付き合い始めると、自分の弱い部分もヒロインに見せるようになり、最終的にはそれは甘えであり相手の事を考えることが必要であることを知り、相手への気遣いができるようになるという、主人公側の成長も心情として読み取れるところがよかった。

 

ありすという名前の通り、ありすルートでは不思議の国のアリスの衣装を着たありすとセックスできるが、その時のアリスに対する解釈が面白かった。

フリルの付いたかわいいアリスの衣装は自分の少女性を強調するものであり、そのドレスを着ている限り自分は永遠に少女でありセックスをすることはできない。

しかし、恋を知り、大人になるためにアリスは服を脱ぎ、セックスを行うというもの。

それはそれとしてアリス衣装を着たままのセックスも自分は好きだが。

 

 

f:id:shanxdl:20200601002819p:plain すみ

 

主人公の家の家守である赤しゃぐま。ロリばばあ!和服!妖怪!って感じのヒロイン。主人公の母は体が弱く、主人公は占いで「生まれることができない」とされていた。そこで主人公の父が主人公を守るために呼び寄せた妖。実はそのことが夏葉の御留水と関係しているのだが、それは後述。妖には珍しく、実年齢が主人公と同い年であるが、見た目は童女のまま変わらず、主人公の幼いころは「すみおねーちゃん」として面倒を見ていた。カタカナ語を覚えられないなど時代がかった話し方をし(~のじゃ。など)、一人称は「わらわ」。主人公の呼び方は「透」。主人公の初恋の相手であり、主人公の事が好き。ツンデレ

普段は素っ気ない態度をとるが、主人公に何かあると真っ先に心配し、さりげなく主人公に対して気遣いし、主人公が本気で頼んだことにはどんなことでもこたえてくれるいじらしさがたまらないヒロイン。作中で人気No.1なのも納得。

 

すみルートでは夏葉の異常成長が起こった原因を、妖怪の力であるという推測の元解明していくことになる。茂伸に古くから伝わる「七面頬(なつらおお)」と呼ばれる大妖が、悪さをした人間に「時喰み(ときはみ)」を行って時間を奪ってしまう、という言い伝えを手掛かりに、七面頬を探すことになる。

 

このルートでは多くの妖怪が主人公の味方となり、さながらRPGのような冒険を繰り広げていくルートになるのが楽しい。

仲間になるのはとおこ(牛鬼)、ちま(ひめみやの飼う猫妖)、めっかい(ひめみやの飼う犬)、飛車角(すみと主人公を守ってくれている傘妖)。左右女郎(滝女郎の分身)。

とおこは上述の通り。ちまについては後述。飛車角は江戸時代以前から生きていると思われる傘の妖怪で、現在ではお爺ちゃんだが感動エピソードがあるので後述。左右女郎についても後述。

 

七面頬を探す途中、主人公はすみと結ばれるわけだが、このルートではセックスをしている場面を夏葉に見られてしまう。そのせいで夏葉は心を閉ざしてしまい、御留水の力が暴走して茂伸に悪い妖怪があふれかえってしまうと同時に、夏葉の成長が一気に加速して夏葉が老化してしまう。

何とか妖怪たちを鎮めた主人公たちであったが、夏葉が姿を消してしまい、主人公とすみは夏葉のお願いを聞いて夏葉を運んだというとおこを見つけ出し、夏葉が向かった神域である「オオトメ釜」という滝へ向かう。

 

ここまでの流れをみると悪いのは完全に主人公のように思えるので、そこが印象の良くないところ。一方で、伝奇ものには人間の些細な過ちで大きな災いが起こることはままあるので王道と言えば王道か。

 

 

閑話休題

 

f:id:shanxdl:20200601221356p:plain ちま

 

ひめみやの飼う二尾の白い猫妖。化け猫と呼ばれると怒る。「おしゃれの先輩」としてありすにものすごくなついているが、それ以外の人間の事は見下した態度をとる。しかし主人公の事は時を重ねるごとに少しだけ信用していっているようである。

言動は猫そのもので気まぐれ。しかし主人公たちの冒険においては遊撃隊としてそこそこの攻撃力を持ち、意外と役に立つ。

CVは宮沢ゆあなさん。聞いたことのない声優さんだった。サブキャラという事もあり、語ることは特になし。自分猫より犬派なもので...。

 

f:id:shanxdl:20200601221945p:plain めっかい

 

ひめみやの飼い犬。妖怪退治をしたことで有名な忠犬の末裔らしい。人の言葉がわかり、またその吠え声は妖怪たちを麻痺させ、おびえさせる効果を持つ。オス。

Hシーンはなし。

 

 

 

 

 

主人公たちが向かったオオトメ釜で待っていたのは、滝を守る滝番である蜘蛛の妖怪「滝女郎」であった。主人公サイドではわからないが、夏葉が昔御留水を飲んでしまったのは自分が目を離してしまったからであり(御留水はオオトメ釜に祀られている)、それに責任を感じていた滝女郎は夏葉の「誰とも会いたくない」という願いを聞き入れ、主人公とすみを追い返そうとする。

滝女郎に想いをぶつけてわからせるという主人公ムーブをかましたのち、お約束である滝の裏の洞窟で見たものは稚座(ちぐら、結界のような場所)にうずくまる年老いた夏葉の姿だった。

このゲームの恐ろしいところはこの夏葉(老)の立ち絵が用意してあるところ。肉体年齢80歳くらいの、幼女の話し方をする夏葉(年老いた演技で声あり)はほとんどブラクラであり、実際、発売時に幾多のロリコンプレイヤーにトラウマを植え付けたという。私もカオチャで同じような展開を見たことがなければ(あっちは1枚絵だが)危なかっただろう。そのユーザー意見を反映して「ものべの-happy end-」版ではデフォルトで夏葉(老)の立ち絵とボイスがオフになっているが、ここは物語の大事な展開なので削ってしまってよいかは悩むところ。

老化が進みすぎ、稚座から出てしまうと御留水の力が弱まって肉体的に死んでしまう状態にまでなった夏葉の前で主人公とすみは夏葉を元に戻す方法を探すことを誓い、最後には夏葉に2人の関係を認めてもらって、夏葉の前で結婚式を挙げて終了。

 

うーーん。確かにこれだとあまりにも夏葉がかわいそうすぎる。

ハッピーエンドで終わらないのも伝奇ものにはよくあることだが、これでは安心してすみとイチャイチャできない。

 

すみのCVは佐倉江美さん。表だと永井真衣さんというらしいが、残念ながら見かけたことがない。しかしプロフィールにロリババアが得意と書いてある通り、雰囲気が抜群で、さらに主人公に甘えるときの声色が好きすぎる。もっと出番が増えてほしいと思う声優さんだった。

 

f:id:shanxdl:20200601224621p:plain 滝女郎 たきじょろう

 

御留水を祀る神域である「オオトメ釜」という巨大な滝を守る滝番の蜘蛛の妖怪。強大な力を持つが、人間に興味があり、時には分身を送って人間と交流している。

すみルートでは、夏葉が老化し、さらにオオトメ釜から外に出られないという状態になってしまっているのを深く嘆いており、主人公たちが夏葉を助けるのに積極的に協力してくれる。一人称は「手前(てまえ)」で二人称は「其処元(そこもと)」。

CVは一色ヒカルさん。古語で話すため(げに~。いと~なれば。など)内容がわかりにくいが、雰囲気が良く出ていたと思う。蜘蛛の触角を模しているのだろうが、この細いツインテールが大好きなのでよかった。

 

 

 

すみアフターの前に飛車角過去編がある。

これは大昔(江戸時代くらい)、出雲の国で飛車角が、とある禁忌の実験台にされてツミトガケガレを体にため込んでしまい、周囲のものを死なせてしまう瘴気をまき散らすようになった「つみ」という少女を、「つみ」を退治するためにやってきた「いづものみこ」という神から守り、ともに暮らすというもの。

最終的に「つみ」は飛車角に恋をし、飛車角のおかげで浄化されて根の国へ向かう。

その後飛車角は主人公の家へ向かうすみに出会うといった流れ。

 

f:id:shanxdl:20200601225649p:plain 飛車角 ひしゃかく

 

本作の裏主人公ともいうべき、傘の妖怪。江戸時代以前の大昔から生きており、何かを守るという傘妖の「性」に従って、弱いものを助けてきた。妖怪の出入りを結界で制限している茂伸に向かうすみを見て、生身では消滅してしまうと心配し、すみと同行する。名前の由来は、大昔人間と戦争をした際、将棋の飛車と角を合わせたよりも強いと人間が恐れたから。

現在はすみ、そしてすみの守る主人公とその家を守っており、一家のお爺ちゃん的存在。主人公の事は認めているが、呼び方が「透ボン」であり、まだまだ飛車角から見て子どもの様子。すみルートでは重要な役割を果たすことになるが、それは後述。

わざわざ男?キャラを紹介するくらい重要な人物でかっこよかった。

ハードボイルドなおじいちゃんのキャラが好きなだけ。

 

 

 

すみアフターでは、無印の終わりから7年後、医者になることをあきらめて大学を休学し、博師(はかしょ、忘れてると思うけど上述参照)修行を終えた主人公のシーンから始まる。また2人の間には「えみ」という子どもが生まれている。飛車角はボケが進んでおり、主人公と父親を間違えたり、眠っている時間が多くなったりしている。

また夏葉の老化についての原因はIAGSであることが、ありすの父親と南雲教授の研究によって明らかになっており、時喰みとは何の関係もなかったことがわかる点も後味が悪い点である。

 

 

f:id:shanxdl:20200601230750p:plain えみ

 

主人公とすみの間に生まれた半人半妖のハーフ。もろもろの描写からおそらく3歳くらい。お転婆で好奇心旺盛、じっとしていられないが主人公とすみのいう事は基本的に聞くよいこである。CV桐谷華で、もう、ヤバイの一言しかない。まず桐谷華の幼女ボイスが聞けるのがヤバいし、演技力が高すぎてまるで実際にその場を駆け回っているような錯覚に陥る。また、子どものかわいい部分のみを意図的に抽出して作られているのでかわいいし、キャラデザもかわいい。つまりかわいい。まだ言葉がうまくしゃべれないので「する」が「すゆ」になったりするのもあざとくていい。主人公の呼び方は「とおたん」、すみの呼び方は「かあたん」。すみルートの60%くらいはえみのかわいさでできていると言っても過言ではない。またアフターの最序盤から登場するので、本編にしっかり絡んでくるのもよい。このキャラに桐谷華を持ってくるあたり、流石Lose、よくわかっている。

 

f:id:shanxdl:20200601231339p:plain

 

個人的にはこのCGがかわいすぎて変な声出た。

 

 

 

f:id:shanxdl:20200601232129p:plain ひめみや

 

茂伸村の地域信仰である「ひめみや流」の当代の巫女。年齢不詳で村の年寄りたちに敬われ、名前を呼び捨てにしていることから相当な年齢である可能性がある。村の人々には「ひめみや様」と呼ばれており、村を守るためならばいかなる手段も辞さない冷徹な一面を持ち、いざとなれば夏葉を殺して中の御留水を抜き出す事を考えている。夏葉の御留水が暴走して茂伸が崩壊するのを防ぐため、すみルートでは主人公の博師修行をつけてくれる。

CVは鈴田美夜子さん。代表作はリトバスのクドなので知名度は高いが、こういう低い声も出せるのは知らなかった。ひめみや様は土佐弁を話すのだが、その雰囲気が良く出ていたと思う。

 

 

 

 

まだ七面頬に会うための手掛かりを掴めていない主人公だったが、ひょんなことからえみが知り合った狸の妖怪「鉄砲撃レ狸」が、妖怪だけが住む茂伸、通称「むこうの」の住人であることを知る。茂伸とむこうのの「境」に綻びが生じ、崩壊が近づいていることを知った主人公は、むこうので七面頬の情報を集めるため、すみ、えみ、とおこ、左女郎、ちま、めっかいとともにむこうのへ旅立った。

 

 

f:id:shanxdl:20200601233356p:plain 鉄砲撃レ狸 てっぽううたれたぬき うたれちゃん

 

狸。メス。語尾が「ポコ」。おわり。

CVは早瀬ゃょぃさん。今まで名前しか聞いたことなかった。

なおvita版の「ものべの-pure smile-」追加シナリオでは人間に化けられるらしい。

 

 

f:id:shanxdl:20200601233629p:plain 左女郎 右女郎 ひだりじょろう みぎじょろう(絵のまま)

 

むこうのへ行く主人公に対して滝女郎が貸し出してくれた分身。性格はそれぞれ滝女郎の一部を強調したものになっており、左女郎は控え目で素直、右女郎は意地っ張りで腕白となっている。2つも性格補正かかるとかずるい。

また名前は分身を出したときの位置関係で滝女郎が適当に付けた。分身同士で、心の中で意思疎通を行う事ができ、電波の通じないむこうのに携帯電話感覚で持ち込まれた。また本体と同様に蜘蛛の糸を操ることができる。

主人公はむこうのに行くにあたり、思慮深く責任感のある性格だとして左女郎を連れていくことを決めた。

CVは本体と変わらず一色ヒカルさんで、3つの人格の演じ分けがうまくできていたように思えてすごかった。

 

 

 

むこうのでは大妖との話し合いやバトルもあったが、最終的に七面頬が出雲の地で土地神になるための修行をしていることを突き止めることができた。そこで主人公、すみ、えみ、飛車角は七面頬に会うため出雲へ向かう。出雲ですみとえみと3人で温泉につかるシーンがあるのだが、そのシーンのえみがかわいい。

むこうので教えてもらった通りに七面頬を呼び出すと、そこは大昔飛車角とつみが暮らした洞窟だった。が、七面頬は修行のため眠りについており、格の低い人間である主人公の声は七面頬に通らない。そこで飛車角は昔いづものみこに教えてもらった呪文を思い出していづものみこを呼び出し、七面頬を起こしてもらう。

七面頬にも時間を逆行させることは不可能だったが、七面頬の持つ時喰みの力をいづものみこの持つ鏡で跳ね返して若返りの力に変え、それを主人公が禁忌である「振替祈祷」という術を行って夏葉を対象に移すことで夏葉を若返らせる計画を思いつく。しかし、これには1つ弱点があり、「振替祈祷」を行うと「かやりの風」という代償が働き、主人公にダメージがいってしまうというものだった。しかし、その代償は七面頬が食べてくれることを約束し、主人公はこれを行う事を決める。

この時点で論理が結構ガバガバだが、勢いで押し切られる。

術をやり切った瞬間、想定よりも大きなかやりの風が吹き、七面頬はこれを食べることを放棄してしまう。死んでしまうかと思われた主人公だったが、そこに飛車角が現れ、主人公を守る。さらに出雲という土地の縁によって根の国からつみが現れてかやりの風=ツミを代わりに背負ってくれ、主人公は助かるが、飛車角はつみと一緒に根の国へ旅立ってしまう。

このときの飛車角を守ろうとする主人公に対してそれを叱った飛車角のセリフ、最後に呼び方が「透のダンナ」へと変化したこと、つみと笑いながら旅立っていった飛車角を見送るシーンは、感動した。

誤解を恐れず言えば、帰ってきたドラえもん。そりゃ感動してしまうわ...。

 

無事、夏葉を元の体に戻した主人公たちは茂伸へと帰還し、御留水を夏葉の体から抜くための儀式を行うが、儀式が無事終了しても夏葉は一向に目覚めない。

主人公たちは、せめて夏葉が夢の中では楽しく過ごせるように、夢を操る「獏」という妖怪を中国から呼び寄せ、夏葉の悪夢を取り除いて楽しい夢を見せてあげるよう頼んでいた。夏葉はアフターが始まる2年ほど前から、眠り続けるようになり、主人公は夢の中まで夏葉を起こしに行く。

夢で出会った夏葉から、主人公は飛車角が夢の中に遊びに来て現実での出来事を教えてくれていたことを知る。飛車角が寝てばかりいたのはボケのせいではなく、夏葉のところに行っていたからだったのだ。ここも結構感動ポイントだった。

夏葉は主人公に告白し、夢の中で一緒に暮らそうと提案する。両親を亡くしてからの主人公と夏葉はお互いに共依存関係にあったため、夏葉が主人公を好きになったのも仕方のないことであった。主人公は告白を断り、これからはお互いが自分の足で立って歩いていくことを共に約束する。

最後は夏葉、うたれちゃん、えみの人間、妖怪、半妖が手を取り合い、仲良く遊ぶシーンで終了。

このルートの夏葉は術によって7年間の成長をなかったことにされており、実年齢は19歳だが、肉体年齢と精神年齢は12歳のままとなっている。

 

このルートは少し話した通りRPG的な要素が強く、たくさんの妖怪が登場して楽しいものであったが、その分日常パートの描写が少なく、すみとのイチャイチャが楽しめなかったのが唯一の残念ポイント。そのあたりは短編集で補完してあるのだが、夏葉が32に対しすみは19と不遇ぶりが目立つ。ありすも17

 

えみが産まれたあとのアフターでのすみはバブみ属性も獲得し、また妖怪であるからか、夫を立てる、妻は家を守るなどの古い日本の慣習が残っており、大和撫子が好きな自分としてはとてもよかった。和服ばかりではなく、洋服での回想もあるところもわかっている。

 

f:id:shanxdl:20200602004520p:plain 七面頬 なつらおお 

 

七つの頭を持つ蛭の大妖。妖怪としての名前は「なつらおお」だが、人の形をとると読み方が「ななつらお」に変わり、それゆえ「なな」と呼ばれることを望む。出雲で土地神になるための修行を積んでおり、茂伸に住む産子のことは大切に思っている。人の形をとると、考えながら話すために無感情でゆっくりとした話し方になる。

ありすルートで、ご開祖ちゃんの精算を行う際に人の形をしたなな様に会うことができる。

CVはあじ秋刀魚さん。元気なイメージがあったので、こういう無口系キャラができることに驚いた。

 

 

f:id:shanxdl:20200602003315p:plain 沢井 夏葉 さわい なつは

 

主人公の実の妹。冒頭の描写やその後の展開から考えると12歳。夏葉を産んだ直後に母を、夏葉を産む前に父親をそれぞれ病気で亡くしており、それゆえ兄である主人公から過保護に育てられ、共依存に近い関係に陥っている。上2人のルートで明らかになっている通り、幼少期に御留水を飲んでしまったことから祟りを恐れて茂伸を離れたいと主人公に頼み、兄と共に犀玉にあるアパートに暮らしている。が、本人は御留水のことは忘れてしまっている(強い精神的ストレスによるため)。明るく活発だが、時には年相応のわがままを言って兄を困らせている。成長すると作中でとおこの次に大きい巨乳となるため、本作のロリ担当兼巨乳担当。

ありすルートでは、母親を早くに亡くした影響で三つ編みができないことをありすに見抜かれており、こういったちょっとした要素がとても良いと思う。

作中で一番初めに異常成長した際に、初潮が起こる描写があるので、セックスは可能。(その後元に戻ったのでは?)主人公の呼び方は「お兄ちゃん」で、一人称は「夏葉」。付き合ってからも呼び方は「お兄ちゃん」が一番好き。

CVは杏子御津さん。実は私が攻略するキャラの中では初めての出演。天真爛漫な声から大人びた声まで(ばばあの声まで)演じ分けがきっちりできていてすごいと思った。

 

夏葉ルートの最初は共通ルートを夏葉視点で振り返っていくことになる。ここで夏葉は性に無知なふりをしておきながら実は兄からのHな目線や、言葉、行為の意味を分からないふりをしていることが明らかになる。(この時点ですでに妹をHな目で見る主人公もヤバイ)。

その後、夏葉の体に異常成長が起こるが、主人公の気持ちは夏葉に向いているため、成長した夏葉に欲情するのを防ぐために夏葉を遠ざけるのではなく、兄としての気持ちを強く持ち、夏葉と一緒に過ごして夏葉の心のケアをすることができる。

夏葉と悩みを共有し、他ルートと異なって夏葉の体の異常を夏葉自身と共に考えることで、夏葉の疎外感を防ぐ。また、夏葉の体に欲情してしまっていることを夏葉に正直に伝える。

夏葉の体は20歳くらいの年齢で安定し、夏葉との挿入なしの性行為を繰り返すことで夏葉の精神が満たされ、徐々に姿が戻っていく。

 

f:id:shanxdl:20200602010157p:plain 夏葉(大)

 

アフターで7年後にこの姿になるため、肉体年齢的には19歳だと思われる。一番最初に異常成長したときはこの年齢になる。おっぱいがおおきい。あと服がありすの母親のおさがりという設定に忠実でダサい。

 

f:id:shanxdl:20200602010431p:plain 夏葉(中)

 

肉体年齢的には14歳くらいの夏葉。普通にかわいい。

 

 

その後も主人公と夏葉は交際を続けるが、実の兄妹だという体裁を気にして主人公は夏葉に告白することができない。そこをすみ、ありすに後押しされ、主人公はついに自分の気持ちに正直になり、夏葉に告白をする。

夏葉が御留水を飲んだ経緯は、昔夏葉が両親がいないことでイジメられていたとき、1人になれる場所としてオオトメ釜にとおこに頼んで送ってもらい、そこで主人公の父親がすみを呼ぶために結界に開けたまま、ふさがずに死んでしまった小さな穴からオオトメ釜内部に入り込んでしまい、御留水に引き寄せられて飲んでしまったというのが真相だった。

夏葉とセックスをすると、夏葉の身体から御留水が流れ出す。これは夏葉の心が完全に満たされたから、また「おとめみず」のもつ「おとめ」という響きが言霊として作用し、夏葉が処女(おとめ)ではなくなったからであった。

一歩間違えるとダジャレになるが、言霊と言うと高尚になる不思議。

しかし、夏葉の心と完全に一体化してしまった御留水が少しだけ残り、それによって夏葉はIAGSの進行を食い止めることができるようになった。

最後は夏葉と病気の完治と将来を誓い合って終わり。

この終わり方だと、IAGSの治療法がまったく確立されておらず、また主人公がそれを行うべき南雲教授やありすの父親に対するアプローチを全く行っていないので、ビターエンドといったところになってしまう。

 

アフターでは犀玉へ戻り、南雲教授の勤める犀玉医科大学付属病院に入院して闘病を続ける夏葉の姿が描かれる。主人公は同じ病院にインターンとして勤めており、のちに正式に雇われる。夏葉に残った御留水の力により、夏葉の成長は正常に行われ、途中から通院治療に切り替えながらも7年後、ついに治療薬となる酵素(ありすルートと同じ)を発見する。

病気が完治した夏葉に主人公は結婚指輪を渡し、最後は妊娠した夏葉をつれて7年ぶりにすみと飛車角の待つ茂伸の家に帰ったところで終了。

 

このルートでは夏葉の病気は完治するものの、場面がほぼ病院と家との往復で、さらにほかのヒロインも登場しないため、流れが淡白になってしまったのが残念。その分Hシーンは多いしバリエーションも豊富だが...。

 

IAGSは遺伝性疾患であるため、夏葉の子には遺伝している可能性が高く、酵素治療によりその症状は抑えることができるものの、近親相姦におけるリスクについては対策しておらず、また主人公が作中でそのことに少し触れていることにただのハッピーエンドでは終わらないものを感じたりもする。

 

すべてのルートで7年の時間が経過するので主人公は23歳から30歳になっており、エロゲ主人公の年齢としては高い部類にはいるのではないか。

 

 

 ・その他

 

本作には「あやかし郷愁譚」シリーズというスピンオフとなる音声作品群が存在している。私はできるだけ関連コンテンツすべてを楽しみたい+DLsiteで全作品80%オフセールをやっていたこともあって2020年5月現在発売している18作品はすべて購入した。

そのうち視聴したのはまだ1作目「洗濯狐 お紺」と2作目「送り雀 ひよ」のみだが、特に「送り雀 ひよ」については癒し音声の中に、人に忘れ去られていく妖怪の話が組み込まれていてストーリー性もあり、音声作品としては珍しい内容でその雰囲気に感動してしまった。あとCV藤咲ウサさんの声もよい。

さらにci-en上でたまにssが公開されるのもうれしいところで、「あやかし郷愁譚」シリーズで登場した妖怪と、本編登場キャラの絡みがあるのも原作ファンにとってはありがたいだろう。

これだけ関連コンテンツが出ると、結構なお金がかかってしまうが、好きなものを追いかけるのもオタクとしては悪くないと思う。

 

・総評

 

久しぶりに良質なシナリオ+自分好みの題材で、なんだかハマってしまった感がある。

これを機に妖怪ものが好きな人、また根底に流れる空気感を感じてくれる人が増えてくれることを願う。