俺は止まんねぇからよ...。
ということでこんにちは、shanです。
今回紹介するゲームはこちら!
ALcotハニカムさんから2010年5月28日に発売された、「リアル妹がいる大泉くんのばあい」です。ALcotとALcotハニカムという2つのブランドを持つこのメーカーは、「Clover Heart's」や「キミのとなりで恋してる!」などが有名なのだと思いますが、正直エロゲ初心者の私としてはよく知らないメーカーさんでした。ただ、音泉でやっていた「あるらじ! そよぎと六花の Radio de ALcot!」は北見六花さんが好きという事もあり、たまに聞いていました。
この作品は、某ニコニコ動画でエロゲの紹介動画を上げている方の動画から知り、fanzaセールで半額だったこともあり、プレイすることとなりました。
あと実妹ものを一度プレイしてみたかった。
ではここからいつもの。
以下、常体。
・攻略
ミドルプライスのゲームで攻略可能ヒロインは3人。
総プレイ時間は5~6時間ほど。実妹はトゥルーエンドなので、最後にしかプレイできない。
物語の構成は序章、OPがあって、共通ルートの選択肢で2つに分岐。実妹は最初からプレイしなおすと、独自の章が選択できるようになるという感じ。
回想シーンは2人の妹が2回ずつであとの1人が3回。これについて詳しくは後述。
アフターストーリーはなし。
・シナリオ
本作はシナリオゲーとしても一定の評価を得ており、実際回想シーンが少ないことを考えても製作者側もシナリオに重きを置いているのではないかと考えられる。私としては最後まで読んでシナリオはよかったと感じたものの、キャラの魅力が十分伝わらなかったと感じたので、もう少しイチャラブシーンを増やしてほしかったと感じた。
あらすじは
隠れオタクで優等生なメガネイケメンである大泉涼(おおいずみ りょう)は、現実の妹・栞(しおり)に冷たくされ、虐げられているうちにゲームに登場する二次元の妹しか愛せなくなってしまった。ある日、涼はとある美少女ゲームの妹ヒロイン・麻衣(まい)を本気で好きになってしまう。麻衣は攻略不可能なキャラであるはずが、そのゲームを何周もしているうちにふと見慣れない選択肢が現れる。その選択肢を選ぶと、なんと麻衣ルートが出現したではないか。しかしゲームを終えた涼が翌朝目覚めると、枕元には麻衣そっくりの女の子が現れていた。それから涼と2人の妹たちとの生活が始まる...。というもの。
詳しい説明は後述するが、麻衣が現れた理由は神様に願ったからで、神様の声は麻衣にしか聞こえないが、実際に神様の力が作用する。一方で神様の正体や存在、目的については一切語られない。
神様の存在は割と序盤で語られるのでファンタジーだと割り切ることができて、これはこれでよい。
前述したが、全体を通してストーリーの短さが感じられ、特に栞と麻衣の可愛さの表現が物足りないと感じたところが残念だった。
・キャラ
妹尾 美紀 せのお みき 162-86-58-85
主人公の親友の妹。ちなみに主人公と親友は妹エロゲ好きの仲間で同類だが、こいつは自分の兄は罵倒して主人公をべた褒めしてくる。物語開始時から主人公に対する好感度100 %を隠しもせず、どんどん攻めてくる。
ちなみに幼少期は体が弱く、そのときずっと自分を元気づけてくれていた兄に感謝していて、普段の罵倒はその裏返しである。
共通ルートの選択肢で、主人公の童貞をもらってほしいと冗談で言ってしまうと、こいつのルートに入り、主人公が逆レされてしまう。展開が唐突すぎて???となってしまった。押しの強いキャラは個人的に苦手。
最後は親友と主人公で、美紀をかけて河原で殴り合いをし、美紀を手に入れる。このキャラ自体には特に思うところはないが、親友の、自分が大切にしていた妹に対する気持ちをこめた勝負、みたいな熱い展開となって、友情パワーで親友に対しての好感度が私の中で上がった。
こいつも妹だが、主人公の家族とは関係がないのでサブキャラだろうなと思うが、回想シーンは3回で一番多い。理不尽。
CVは日向苺さん。調べたけど、出演作があまり多くなかった。声に関しては特にいうところはない。
ちなみにこいつのルートだと麻衣はいつの間にか消えて、主人公たちの記憶からもなくなってしまう。かわいそう。
大泉 麻衣 おおいずみ まい 156-76-56-79
ゲームから出てきた「理想の妹」。世話好きで家庭的、ちょっぴり甘えん坊なお兄ちゃん子でヤキモチ焼き。エロゲの世界の常識を持っており、兄と入浴しようとしたり、布団に潜り込んだりする。と、みせかけて実はそのことを恥ずかしく思っていたり、誰もいないところでは主人公のことを「お兄ちゃん」ではなく「涼さん」と呼ぶなど意味深な表現が見られる。
主人公の童貞を妹にあげる選択肢を選ぶと麻衣ルートに入る。麻衣ルートでは主人公と麻衣が付き合って、現実の妹の栞に隠れてイチャイチャするのだが、突然なぜか栞と麻衣の体が入れ替わってしまう。(ここ君の名は。のパクリ)主人公は麻衣の姿をした栞を抱き、セックスをしてしまうが、帰ってきた栞の姿をした麻衣はそのことを聞いてなぜか笑顔を浮かべる。
その後麻衣はゲームの世界へ帰ると言って消えてしまい、主人公は抜け殻のようになってしまうが、最後には親友から妹モノのエロゲを勧められ、自分が妹が大好きなことを認識して終わり。
よって麻衣ルートでは回想シーンは2回だが、実質1回は声が麻衣でも中身が栞だと考えると実質1回か?
栞が入っているときは声を低く、そっけなくする声優さんの演技もよかったし、何よりも普段の甘えるような、上目遣いを幻視してしまうほどの声が最高によかった。麻衣の声がかわいすぎて辛い。CVは氷川めぐみさん。こちらも調べたが出演作が少なく名義はわからなかった。こんなに素晴らしい声なのに...もったいない...。
で、トゥルーである栞ルートに入ると、麻衣の正体が明らかになる。
主人公の家は両親の仲が悪く離婚寸前で、両親はずっと家に帰ってこなかった。そこで栞を守ってきたのが主人公なのだが、麻衣は主人公の父親の再婚相手の娘だった。本名は「月吉 舞」。舞は難病で入院しており、先は長くないと言われていた。母親から再婚相手の義兄となる主人公の事を聞かされ、一目見たいと無理をして病院を抜け出したその先で、主人公と栞の兄妹を見つける。そこに兄妹の絆をみた舞は、離婚によって2人が離れ離れになるのを阻止したいと思い、自分の命を2人のために役立てたいと神様に祈った結果、願いが聞き遂げられ正体を言うのを禁止するという条件付きで麻衣として2人の前に姿を現すこととなった。
つまり、麻衣ルートの最後で麻衣が消えた理由は、栞が主人公に心を許したことで2人の絆を確認することができ、目的を達成したからだと考えられる。
このゲームは栞ルートが本筋で、後は蛇足みたいなものなのでもったいないが、麻衣とのちゃんとした付き合いをもっと見たかった。
あと、麻衣がゲームから出てきて、自分の事を「麻衣」と呼び捨てにしてほしいと頼んだ時に、自分の妹は栞だけなのでそれはできない、「麻衣ちゃん」と呼ぶ、と言った主人公がかっこよかったのに、それから特に理由もなく「麻衣」と呼ぶようになったり、また「麻衣ちゃん」に戻ったりと一貫性がなかったので、そこのこだわりをちゃんと持ってほしかった。
が、一度だけ麻衣が主人公の事を「お義兄ちゃん」と呼ぶシーンがあってそれはエモかった。同音の中に意味を含められるのが日本語のいいところ。
大泉 栞 おおいずみ しおり 148-82-58-85
主人公のリアル妹。主人公にそっけない態度をとり、主人公の前では決して笑わない。家の中では主人公とは最低限の会話しかしないが、主人公のご飯を3食作っていたり、他人が主人公の事をけなすと怒ったりするツンデレ。
栞が主人公に冷たく当たるようになったのは、幼少期に両親の喧嘩のせいでおびえていた栞を、主人公が守って一緒に寝たり遊んだりしているうちに、兄の事が好きになってしまい、キスをしたところを両親に見つかって殴られたのが原因。それ以降栞は兄が大好きだという気持ちを封印し、主人公に冷たく当たっているのだ。主人公が日課のランニングに出かけた時、タオルと夜食を作ってやり、それを麻衣が用意したように頼むシーンは結構感動した。
栞ルートでは麻衣の後押しもあって主人公が栞に告白し、栞がそれに答えて2人が付き合いだし、麻衣が満足して記憶と現実から消える。
その後、結局両親の離婚が成立して2人は離れ離れになるが、主人公が自立したら栞を迎えに行くと約束してエンディングとなる。
実妹ルートでは外せない葛藤は主人公の中では多少あるものの、両親との家族会議シーンは無し、栞は大好きなお兄ちゃんとくっついたのがうれしくてポンコツと化し、最後までそれには触れなかったのであまり実妹としての重さが感じられなかった。
栞は昔兄に教えてもらったバスケットボールをずっと続けており、離れ離れになるのは嫌だとわがままを言う栞をバスケットの勝負で言う事を聞かせるシーンはかっこよかったのに、対決の様子が描写されず、結果だけで終わってしまったのは残念だった。
ライターさんにスポーツの描写が難しかったのだろうか...。
せっかくツインテのツンデレ妹がいて、兄に命令してほしいと頼むドMなのに主人公が優しすぎるせいで命令せず、お尻もたたかないなんてもったいないと思ってしまった。
今まで兄を罵倒していたのは、自分が叱られたかったからってシチュ最高だと思いません??
栞との回想シーンは2回で日常のイチャラブシーンも少なく、物足りなかった。かといってシナリオ的には確かにまとまってはいたものの普通の範囲からは脱しておらず今一歩残念な印象を受けた。あと妹モノならおもらしシーンはあってしかるべきだと思うのにそれもなかったし...。(検尿ならあった。若干だけど)
CVは遠野そよぎさん。鉄板どころだが、いい意味でこの人の特徴があまり感じられない演技だと感じた。こんな声も出せたなんて驚きである。
ちなみにエピローグは、主人公と栞が2人で歩いているところに元気になった舞がすれ違うシーンで終わる。2人は麻衣のことは覚えていないが、こういう神様の不思議パワーで不治の病が治ってしまうとなんだかなあ...という気分になる。
今思ったが148cmでこの3サイズだと相当グラマーじゃないか?その辺の設定はもっときちんとするべき。
・その他
OPが結構気に入った。歌は片霧烈火さん。
あと
このシーンOPのラストなのだが、なんだかすごく気に入ってしまった。
P.S.
栞ルートの最後で主人公が、俺の妹に生まれてきてくれて一というモノローグの後、ED歌詞が「ありがとう」から始まるのが凝っていてよかった。
公式サイトのSDキャラがすごくかわいいのだが、本編中で一切出てこないのが残念。何のために作ったのか...。
・総評
キャラがすごく魅力的だっただけに、もうすこしキャラの掘り下げをやってもよかったのではないかと感じた。栞と麻衣ともっとイチャイチャしたかった。
しかし全体的に見て十分まとまっていたと感じたので良ゲーではあると思った。