shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題6.4

今までで一番長くなりました。

よければお読みください。

 

 

今回は最後に残った二人

 

この二人のルートをやると、パルフェは本当に里伽子のためのゲームだったんだなと感じる。

もう里伽子ルート以外できないもんな...。

 

 

まずは一人目

 

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杉澤 恵麻

 

主人公の義姉。主人公は家庭環境が複雑で、小学生の時に両親を事故で亡くした後、親戚筋である恵麻の家に引き取られたという過去を持つ。よって主人公高村仁の本当の名前は杉澤仁。また主人公には兄がおり、その兄と恵麻が結婚して恵麻の苗字が変わった。つまり恵麻の本当の名前は高村恵麻、なのである。

超がつくほどのブラコンで、仁の事が大好き。ファミーユのパティシエールだが、天才肌でその作り方は自分にしかわからない。

ここまで書くと、どんな話になるのか大体想像つくよね...。

 

主人公の初恋の人は恵麻なのだが、恵麻の初恋の人も仁だった。主人公ははじめ高村の家に恵麻の許嫁だと扱われていたが、養子になったことによりその話は消滅。恵麻は主人公と姉弟になったら結婚できないと泣き叫んだ過去を持つ。なお主人公は物語開始時点で恵麻が主人公の事を男として好きだったことは知らない。

 

とにかくかなり関係がこじれていて、理解するのにも苦労した。

説明でよくわからないところがあったらごめんなさい。

 

恵麻ルートと里伽子ルートは特に家族についてを扱ったシナリオとなっている。

共通ルートであきらめきれずに里伽子を追いかけていると、クリスマスの夜にもう一度だけ主人公と里伽子が駅前で待ち合わせる約束をすることになる。約束の時間は21時で、行くわけがないという里伽子に、日付が変わるまではずっと待ってるという主人公。

この約束を日付が変わるまで待たずに諦めて帰ると、家で一人クリスマスパーティをやって主人公を待っていた恵麻を選んだことになり、恵麻ルートに入る。

正直、この入り方には納得いかなかった。だって日付が変わるまで待ってるって言ったんやからそれまではいろっていう話ですやん。主人公は明らかにまだ里伽子が好きなのだから。

ちなみにNormalエンドは里伽子が関与せず、クリスマス以降も恵麻と「きょうだい」として仲良く暮らしましたという終わり方である。考え方によってはBadエンドともいえる内容である。だって二人ともお互いの事が好きなのだから。

 

Trueエンドに入るためには里伽子と恵麻のけんかシーンを見る必要がある。恵麻は最初から里伽子が仁を好きなことに気付いており、里伽子になぜ仁を振ったのかと問いかける。それに対し、恵麻は仁の、「家族」のことしか考えておらず、相手(里伽子)の気持ちは考えていないんだと激昂する里佳子。この二人の「家族」に対する考え方の違いが重要なポイントとなってくる。

ちなみにTrueエンドはこのイベントをみる必要があるので、恵麻は里伽子に仁とよりを戻してほしいと頼んでおきながら、最終的には里伽子から仁をとったクソ女である。そんなわけで恵麻ルートの評価は個人的には低め。

恵麻ルートに入ると、主人公は恵麻と肉体関係を持つが、その関係は恋人とは言えない微妙なものだった。しかし、クリスマスに来なかったことを問いただしに里伽子と仁が二人で会っていたことを恵麻が仁以外から聞いてしまったせいで、恵麻がやっぱりまだ里伽子が好きなのではと疑心暗鬼に陥り、仁の前から姿を消してしまう。

仁が、恵麻と付き合うことにしたと里伽子に報告したときの里伽子の号泣シーンは辛かった...。里伽子はほかのヒロインとのルートだと協力してくれたり、祝福してくれたりするのだが、このルートだけは本気で辛そうで見るのがしんどかった。その理由は里伽子ルートで明らかになる。

 

恵麻を追いかけた主人公はとあるペンションで恵麻を見つけ出し、そこで恵麻の独白を聞く。恵麻が主人公の兄、一人と結婚した理由は、なんと主人公の代わり。自分はもう主人公とは結婚できないので、顔がそっくりで、自分と同じくらいブラコンで主人公の事を愛している一人なら、二人で主人公を引き取り、また三人で暮らすことができると考えたからだった。

このゲームが古いせいかもしれないが、この考えだけは納得できなかった。今なら義理の姉妹と結婚する展開なんて普通だし、むしろ実の姉妹とは結婚できないから義理にしておくというむしろラッキーな設定だからだ。だから義理の姉弟の関係で結婚できないという葛藤を話されてもうーん...状態だった。

 

とにかく、恵麻ルートのラストは、もう一度仲直りした里伽子と三人で復活させたファミーユの本店を2年後に始めるが、もう主人公への気持ちを隠さないことにした里伽子から恵麻が宣戦布告される、という終わり方。

 

このときの里伽子が個人的に一番好き。CGもかわいい。しかし、この終わり方を迎えるには里伽子は陰でものすごい努力をしていたことに気付かされることになる。

 

うう...里伽子ぉ...

 

それではついにラスト、真打登場である

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夏海 里伽子

 

主人公と同じ大学に通っており、主人公に頼られると、「もう、しょうがないなぁ...仁は」の一言ですべてをやってくれる人。

物語開始時点で主人公の告白を一度断っている。

色々と理由をつけて、復活したファミーユには参加しないのだが、そのことには深い理由があったのだ...。

 

上でも書いたが、里伽子ルートをやると、主人公がくっつくのは里伽子以外ありえないと思ってしまうため、ほかのルートがプレイできなくなる。それくらいカタルシスがすさまじいルートで、前評判の高さに恥じないシナリオだったと思う。

 

里伽子はBad,Normal,trueの三種類があり、BadとTrueは入り方が同じだが、Normalを見ているかどうかでエンドが分岐する。私ははじめ、Badエンドは短くてすぐ終わるだろうと安易に考えてシナリオ回収のため始めてしまったのだが、個別ルートの半分くらいまではTrueと同じ話を通っていくため、かなり長かった。安易に始めるべきではなったことが反省点。

 

里伽子ルートは恵麻ルートで説明した通り、クリスマスに里伽子を三時間待つとルートに入る。日付がすぎてようやく現れた里伽子に主人公はケーキとブレスレットをプレゼントし、もう一度告白する。このときの里伽子の返事「もう、しょうがないなぁ...仁はぁ」はかなりよかった。里伽子のこのセリフには里伽子の気持ちが色々と詰まっており、その言葉にできない感じをこの言葉の中に詰めているのはすごくよかった。ヒロインの口癖が色々な意味にとれて、重要な場面でその言葉が使われる展開すごく好き。

しかしそのときの里伽子は単にうれしいだけではない表情を抱いており、不穏な空気が漂う。

里伽子ルートには共通ルートからずっと示唆される様々な伏線がある。

これを示していくと

・主人公の前でご飯を食べない。(前は食べていた。告白の時のケーキも主人公に食べさせてもらった)

・超がつく近眼なのにコンタクトをしない。(眼鏡をしないのは一度主人公に笑われたからで、初めて会ったときからコンタクトをつけていた)

・主人公の前でノートをとらない。(前は主人公が話しかけていても平気でノートをとっていた)

・主人公が誕生日にプレゼントしたブレスレットをつけていない。(あげたときは勤務中でも外そうとしなかった。だからこそ主人公は今回の告白でもう一度プレゼントした)

さらに告白後の初H中にも、主人公は里伽子と気持ちが通じ合っていない違和感を抱き、また里伽子のセリフにも違和感がある。

・覚悟を決めるためにスカーフで腕を縛れと里伽子が言いだし、主人公が結んだあと、腕が動かせないと繰り返して言う。

・主人公のずっと好きだったというセリフに嘘つきと返す。

・もっと早くくればよかったのに。行かないで。離れちゃやだ。というセリフ。

・抱きしめられないから抱きしめてほしいというセリフ。

・俺はこんなにも里伽子が好きなのに、どうして心が追い付いていない気にさせられるんだろう...。というセリフ

 

ここまで書けばわかった人もいるかもしれないが一旦置いておいて、

Normalエンドの場合はこの初Hのあと、急に里伽子の出産シーンに飛ぶ。

そこで主人公と里伽子が二人の子供を抱いて笑いあって終わり。

ここでも里伽子の、「自分の子を抱けるなんて...思わなかったんだもん...」というセリフから何かを察することができる。

 

BadとTrueは途中までは同じイベントが起こる。

クリスマスが終わって、正月に主人公が帰省するとなったとたん、主人公と離れたくないとわがままをいう里伽子。共通ルートでクールな姿しか見ていなかったので、このときの里伽子がかわいくてかなりよかったのだが、里伽子は主人公が家族、特に恵麻と過ごすのを嫌がるのだ。里伽子も恵麻がまだ主人公を好きなことを知っており、そのことも理由の一つなのだが、ここでも主人公と里伽子が持つ「家族」に対する価値観の違いが表れていると思う。しかし、じゃあ主人公は帰省を取りやめて里伽子と一緒に過ごすと決めたとたん、一緒に泊まることに気付くと里伽子は手のひらを返してしまう。

まだ里伽子は本心を見せてくれないのだ。

 

帰省から戻った主人公は里伽子の左手の包帯に気付く。正月中に料理をして火傷したと説明する里伽子。

心配する主人公だが、片手で起用に料理をする里伽子をみて一旦は言うのをやめる。むしろ料理を食べさせてあげたりしていちゃつく主人公。しかし、それからしばらくしたある日、恵麻が風呂場で滑ったときに右手を痛めてしまう。勤務中はそれを隠していた恵麻だったが、主人公はすぐに気づき、遊びに来ていた里伽子を放って病院に付き添いに行ってしまう。このことで主人公が家族を何より大切にしていることを思い知らされてしまう里伽子。

さらに里伽子の包帯についても由飛が包帯を巻きなおしている所を目撃し、火傷の跡なんてないことがばれてしまう。

そのことを由飛が主人公に報告し、それが自分に甘えたいからだと考えた主人公は里伽子を恥ずかしめてやろうと考え、里伽子の包帯を強引にとってしまう。

 

それがパンドラの箱だったとも知らずに。

 

里伽子の手を触っていた主人公はその違和感に気付く。そう、左手が動かないのだ。

そういえば里伽子は左利きだったことを思い出す主人公。

とうとう秘密がばれてしまい、逃げ出す里伽子。おいかける主人公。

里伽子が主人公の部屋から逃げるとき、ブーツを履いていかなかったことがすごく細かくて悲しかった。

駅でやっと里伽子を捕まえ、真相を問いただす。

原因はファミーユの火事だった。火事があった日、主人公にもらったブレスレットを店に忘れたのに気付いた里伽子はチーフなので預かっていた店のカギを使い、店に戻ろうとした。里伽子が店についたとき、すでに店は燃えており、里伽子は必死の思いでブレスレットを見つけ出したが、そのとき店の中にあった仁の父母兄の位牌を主人公のために持ち出そうと考える。なんとか位牌を救出するものの、落ちてきた木材が左腕に当たり、釘が刺さってしまったことが原因で神経を損傷し、手術したが左手が動かなくなってしまう。それ以来里伽子は今いない人よりすぐ近くにいる人の方が大事、と言うようになったのだ。ちなみにこの言葉は恵麻も使うが、恵麻と里伽子では意味が違っているのがまた面白い。

そもそもなぜそこまでしたのか。それは里伽子も仁の事が好きだったからに他ならない。理由を尋ねる主人公にそんなのわからない、あんたといるのが楽しかったと答える里伽子。好きになる理由がない、というのもここまで考えてあると手抜きではなく、感動してしまった。

 

このことを知ってしまったら、仁は私の怪我も自分のせいだと思い込んでしまうに違いない。だから今まで通りではいられない。別れようと切り出す里伽子。主人公にもらったブレスレットを返したいが、左手が動かなくて外せないから外してくれという里伽子。思い出のブレスレットさえ、今の里伽子にとっては鎖になっている演出が憎い。

一つ目にもらった方は友達としてだから返さなくていいよね、と過去の思い出にすがる里伽子が痛々しい。しかし別れたくない主人公はどうしてすぐに相談してくれなかったのか、頼ってくれなかったのかと詰め寄る。

ここからまだ先がある。

いい加減里伽子を救ってやってくれよ...。

 

主人公が告白して振られる前、主人公は里伽子を送っていく帰り道で初めてキスをしている。そのとき仁と別れてから、やっとここまで来たのか、このヘタレめ...と仁をなじる里伽子が最高にかわいい。古い考え方かも知れないが、個人的にはずっと待っている女の子には最高のエモさを感じる。

そこから仁の告白までには2週間の間が空いている。その間にあったことがファミーユの放火事件である。ファミーユが燃えたショックで恵麻は寝込んでしまい、仁は1週間付きっきりで恵麻の看病をした。そのとき、わざと仁を一人と思い込んだ振りをして仁の愛情を求めた恵麻とかいうクソエピソードもあるのだが、このとき里伽子も自分の左手が動かない恐怖と戦っていた。

いつもは頼られてばかりの里伽子が初めて仁を頼ろうと思った瞬間、仁は「家族」である恵麻にかかりっきりで里伽子に頼らせてあげることができなかった。

携帯が焼けてしまったため、必死で仁の番号を思い出し、震える右手で何度も間違えながら番号をプッシュし、ようやくつながった電話で仁は言う。

姉さんの具合が悪くて付きっきりで看病しなくちゃいけない。里伽子ならわかってくれるだろ?

いつものように里伽子に頼る主人公。思わずこっちは大丈夫だからお大事にと電話を切ってしまう里伽子。電話を切った後の

「あたしってすごいねぇ...。あたしなら...わかってくれるんだぁ...。あははは...あはははははは...」というセリフで泣きそうになった。

手術が成功した後も、主人公は里伽子の異変に気付かなかった。恵麻が怪我したときはすぐに気づいたのに。

このとき里伽子は主人公にとっては「家族」が一番で自分は一番にはなれないことに気付いてしまう。だから仁を振ったのだ。

最後の別れ際の

「大好きだから...仁が、憎いよぉ!」というセリフは里伽子の本心だった。

 

このシーン、とても感動したのだが、いくら隠してたからって、自分の好きな人がいつもと違う手で食べてて気づかないとかあるぅ?と思ってしまったのは内緒である。

 

で、ここからが分岐。

Badだと主人公は完全に心が折れてしまい、大学を離れて実家からも遠い地で、バイトをして食いつなぎながら、くるはずもない里伽子を探し続けるという終わり方。自分からは里伽子に会いに行くこともできず、みじめな終わり方である。

初見でこのエンドとか頭おかしなるでほんま。

 

Trueだと、Normalエンドで子供が生まれた時までの間を補完していく感じになる。

真実を突き付けられた主人公は、これ以上後悔しないために必死で頑張ることにする。まずはファミーユ本店を復活させることを目標に仕事を一層頑張り、里伽子の手のリハビリのための勉強もする。また、ノートが取れない里伽子に代わってノートをとるため、大学へ復学もして、大学と仕事の両立という無茶を行う。

一方里伽子は無気力になってしまい、リハビリにもいかず、大学へも退学届を提出する。ノートやレポートが書けないせいで、三年の単位が取れず、卒業ができそうになかったからだ。こんなにリアルに利き手が使えない弊害を書いてくるとは思わなかった。プライドが高く、仁以外に友達がいなかったせいで、人に頼ることもできなかった。そしてファミーユの制服を返すために立ち寄ったとき、仁と再び顔を合わせる。ファミーユをもう一度やらなかった理由も。左手が動かないせいで制服が着れないからだったのも悲しすぎる...。里伽子は退学届を仁が教授に根回ししていたせいで受理されておらず、何をしても無駄だ、自分の気持ちは変わらないということを仁に告げる。

ここから主人公の三度目の告白が始まる。

主人公は家族が一番大事だという想いは変えることができない。だから俺と結婚して、家族になってくれと頼む主人公。里伽子の返事は

「本当に...本当に...しょうがないなぁ、仁はぁ!」

これしかないよね。ここでこのセリフにつながるのは本当にうまい。

ファミーユで働きながら大学へ行き、さらに里伽子の世話をする。これは今までずっと里伽子が主人公にしてきたこと。ならその逆もできるはずだと答える主人公。里伽子からの初めてのお願いは、制服を着せてもらう事。

ここで里伽子が初めてファミーユの制服を着た時の再現をするのがめっちゃすき。

里伽子の、「お店、手伝えなくってごめんね...。」

のセリフで一気にカタルシスがやってきて泣きそうになった。

主人公が家族にこだわる理由は、初恋の人である恵麻と家族にならざるを得なかったからだと思う。恵麻を好きな気持ちを何とか家族愛としてごまかして膨らませ続けた結果がこうなのではないか。

 

あとは二人がやっと通じ合ってHして終了。

リハビリには5年かかったが、里伽子は手を元通りにし、自分のこどもを抱くことができるようになったという終わり方。

 

 

 

 

 

いや、めっちゃよかったね。里伽子ルートだけ伏線の張り方が尋常じゃなさ過ぎて、シナリオのうまさを痛感したレベル。

ちなみに恵麻エンドでも里伽子がファミーユの制服を着ているので、手は治っているんだろうなと思わせるが、ほかのヒロインのエンドだと、里伽子は手を引いて主人公のことを応援しているだけなので、一生手は治らず、主人公への想いを抱えながら、また主人公に頼られる生活を続けるんだろうなと考えると、とてもプレイすることができない。里伽子ルートは絶対に最後にやらないとだめですね。

 

とはいえ全体としてはシナリオは短めで15時間もやれば全員終わるレベル。

あと残念な点が声優の演技が全体的にひどいところ。里伽子のHシーンの声なんてひどいもんだった。まあ泣きの演技はよかったけど。

約15年も前のゲームとは思えない、いまだしても通用するシナリオが最高で、丸戸史明の一旦を知れたのではないだろうか。

ああ里伽子かわいいよ里伽子

 

 

(追記)

由飛の感想の時に、里伽子が主人公の前で飯を食わないことを弱みを見せないと表現したが、あれは左手が使えないため、ご飯を食べているところを主人公に見られたくなかったこと、そのなかでも自分が一番好きな主人公の手料理であるチャーハンは主人公の目の前で食べることが思い出されてしまった。里伽子ルートをやってから共通ルートの里伽子を見ると、里伽子の気持ちがわかるようになって辛い...。

ああ里伽子ぉ...