shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題12

 

毎年恒例のFANZAのGWセールで性懲りもなくまた積みゲーを増やしてしまいました。

 

 

 

みなさんこんにちは、shanです。

今回は傑作として名高い、某♰公式♰エロゲ実況者がオススメしていた「G線上の魔王」についての感想を述べていきたいと思います。

古いゲームですし、いつもの通りネタバレはガンガンしていきますので、ご了承ください。

 

 

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http://www.akabeesoft2.com/products/g_sen/index.html

 

G線上の魔王」は、2008年5月29日に「あかべぇそふとつぅ」から発売された作品で、同ブランドは「車輪の国、向日葵の少女」と、この作品の2つが特に有名だと言えると思います。また、数々の別ブランドを持っており、特に「hibiki works」から発売されている「LOVELY×CATION」シリーズや、「しゃんぐりら」から発売されている「暁の護衛」シリーズなど、ほかにも数々の有名作品を手掛けています。

その中でもこの「G線上の魔王」は、シナリオゲーとして評価が高く、某鳥がコードギアスが好きな人なら楽しめると思うという旨の発言をしていたため、頭脳バトルが好きな私が興味を持つきっかけとなりました。

キャッチコピーは「命をかけた、純愛」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

攻略可能ヒロインは4人。シナリオは一本道形式で章ごとに分かれており、その章でメインとなるヒロインを恋人にしない選択肢を選ぶと、次のヒロインの章に進む仕組み。全6章。シュタゲみたいな、といえばわかりやすいだろうか。

メインヒロインのルートはトゥルールートなので1つだけだが、それ以外の3人のヒロインには通常のエンドとBAD エンドの2種類がある。回想シーンは通常エンド時で2回、BADにしかないシーンが1回で計3回。その性質上、メインヒロインはシーンが2回しかない。まあシナリオゲーなので、Hシーンはおまけのようなものだが。

アフターストーリーやサブキャラルートは無し。

 

・シナリオ

 

本作は美少女ゲームアワード2008において大賞・シナリオ賞などを受賞しており、私の中でシナリオゲーとしてのハードルがものすごく高かった。

なので、ふたを開けてみるとハードルを上げ過ぎてこの程度なのか、と思ってしまった印象。シナリオに期待しすぎるのもよくない。

 

あらすじとしては、主人公である浅井京介(あざいきょうすけ)は父の残した2億の借金を返済するために、学校に通う傍らで借金の取り立て側であるヤクザの養子となり、そのフロント企業の経営に携わって金を稼いでいた。

そんなとき彼の周りで、彼の関係者に関わる事件が起こり始める。一連の事件はすべて「魔王」と名乗る人物が起こしたものであり、それと同時に「魔王」を追ってやってきたという「勇者」を名乗る少女、宇佐美ハルが転校してくる。

彼女はその明晰な頭脳を持って「魔王」の仕掛けた事件に立ち向かっていくのだが、いつも最後には「魔王」に負けてしまう。はたして「魔王」の正体とは、またハルと「魔王」の因縁とは。といった感じ。

 

物語が始まってすぐに、主人公は物忘れがひどく、また気付くと全然違う場所にいたりするといった独白や、精神科医に定期的にかかっているシーンが描写され、また主人公は「魔王」が勝負を仕掛けた相手であるヤクザの養父を恨んでいることから、主人公=魔王で二重人格なんだなという暗喩がわざとらしくなされる。思えば一種の叙述トリックだったのだが、私は疑うことなく自分の中でそう思い込んでしまっていた。

まあ私は推理小説は犯人やトリックを考えながら読む派ではなく、なんとなくストーリーを読んでいるのが好きなので違うなら違うで構わないのだが。

 

個別のヒロインにおこる事件の内容や、ラストの結末についてはまた後で述べようと思う。

 

・キャラ

 

f:id:shanxdl:20200425152924p:plain 美輪 椿姫 みわ つばき

 

2章のヒロイン。1章がチュートリアル的な部分なので、最初に攻略することになるヒロイン。大家族の農家(5人姉弟)の長女で、人を疑うことを知らない純粋な性格。しかし、主人公は長い間借金取立人から逃げ回る生活や人に騙され、裏切られ続けた人生を送ってきたため、人を信用することができない。したがって、主人公の目から見た椿姫は偽善者でバカに映り、主人公に感情移入していると、椿姫の言動にはイライラしてしまう事だろう。

椿姫の章では、椿姫たちの住む家がダムの開発区域に指定され、立ち退きを要求されるのだが、椿姫の父親は先祖代々の土地を守るため、動こうとしない。主人公は立ち退きを迫る側であり、養父の部下のヤクザたちに頼んで、椿姫の家に圧力をかけるが、なかなか事態は好転しない。そんな時、「魔王」によって椿姫の末の弟の誘拐事件が起こる。身代金の5000万をめぐって「魔王」とハルはバトルを繰り広げるが、「魔王」が金を手にする。弟は帰ってくるが、その事件を通じて椿姫は人を疑うことを知ってしまう。

椿姫は今まで弟妹たちのため、家族のためにしていた献身が馬鹿らしくなってしまい、もっと年相応に遊びたいと、家族を無視して夜の街で遊ぶようになる。

BADでは、完全に家族と訣別し、主人公の女になって酒や薬におぼれ、主人公の仕事の手伝いをするようになった椿姫が描かれる。椿姫は物語開始時点で主人公の事が好きだが、主人公は椿姫を利用しているだけである。このルートは短いので、堕落した後の椿姫の描写をもう少ししてほしかった。

椿姫エンドでは、主人公が椿姫のやさしさに触れ、人を信じる気持ちを取り戻す。椿姫は、自分の家の立ち退きを成功させないと殺されてしまう主人公のため、家族にうそをついてまで主人公の味方をする。その時主人公は、椿姫が人を疑う事を知らないのではなく、気付いているけれど家族の絆といったもっと大切なもののために人を信じているということを知る。主人公は改心し、椿姫の家を取り壊しに来たヤクザとの死闘の末、ヤクザと訣別する。という終わり方。

友達を信じられなくなっていく椿姫の心理描写が巧みで、そこがよかった。

声優は神崎ちろさんという方らしいが、詳しくは知らなかった。演技やキャラ設定に関しては特に思うところは無し。

なお、主人公が椿姫に関わらない選択をすると、椿姫の家は勝手に立ち退きが終了し、次のヒロインの章へと向かう。

 

f:id:shanxdl:20200425155253p:plain 浅井 花音 あざい かのん

 

3章のヒロイン。主人公の養父と愛人の間にできた子供で戸籍上は主人公の妹。主人公の事は「兄さん」と呼ぶ。幼いころからフィギュアスケートの選手として育てられ、母親も元フィギュアスケート選手。来年に控えたオリンピックの最有力候補選手に選ばれている。自分の事を「のんちゃん」と呼び、よくアホっぽい発言を繰り返し、父親がヤクザであることには関心がないように見える。しかし、実際はフィギュアスケート以外の事を考えないようにするため、それ以外の事はすべて目を背けているだけだった。真面目な会話をするときは一人称が「わたし」になる。また、母親とは確執があり、母親は自分がいけなかったオリンピックに娘を出場させることが人生となっており、そのためなら何でもするし、娘の幸せはオリンピックに出場することだと決めつけて、娘のことを何も見ていない。そのせいで花音は傲慢になり、自分の非を認めない性格に育った。

花音の章では、オリンピック選考のための大会の1つで花音がわざと負けるように「魔王」から脅迫状が届く。

脅迫の事を花音に伏せ、主人公とハルはヤクザと協力しながら大会の会場に仕掛けられて爆弾を探して奮闘するが、母親がぽろっと脅迫の事を花音に話してしまい、動揺から花音は大会で優勝を逃してしまう。時を同じくして花音は主人公に告白し、付き合いだすようになる。義妹だからセーフだよね!

BADでは、初めて負けた悔しさと、負けを認められない傲慢さから主人公に逃げてしまい、主人公が花音を抱いてしまうことで花音は強さを失ってしまう。次の大会でも負けてオリンピックへの出場権を失ってしまい、母親は自殺してしまう、というもの。

BADなんだからこれくらい悲惨なほうがいいよね、という感じ。

花音エンドでは、母親のことは大嫌いでクズだと思っているが、それでも家族だから愛している、という思いを伝えることができ、母親もやっと自分は娘の事を何も見ていなかった、ということに気付く。自分の負けを認められるようになった花音は次の大会で素晴らしい演技をするが、養父が後ろから手を回しており、不正によって花音は1位を逃してしまう。それでも花音は自分が弱かったせいだ、と淡々と語り、オリンピックに向けて次の大会への準備を始める、といった終わり方。

こういう家族のすれ違いの解消みたいなシナリオは個人的に好きなので、満足した。

声優はこおろぎさとみさんで、私はこおろぎさとみさんや、かないみかさんのような一昔前のいわゆるアニメ声が死ぬほど好きなので、とてもよかった。Hシーンの演技も上手かった。

章開始時点で、花音は主人公の家に同棲をしに来るのだが、花音の告白を雰囲気を察して流したり、花音に一切手を出さないでいると次のヒロインのルートに進む。

その場合の花音が、兄さんは何もしなかったからね、と悲しそうに言うシーンがかなり心に来た。

 

f:id:shanxdl:20200425161747p:plain 白鳥 水羽 しらとり みずは

 

4章のヒロイン。「魔王」は戦略顧問として、とある大企業のブレーンを務めているのだが、そのライバル会社となる大財閥のお嬢様。主人公たちの通う学園の理事長の娘でもある。いつも他人を寄せ付けない雰囲気をまとっており、友達はいないが、実際は両親が離婚して父方に引き取られ、父親は仕事にかまけてネグレクトされて育ったので、人との接し方がわからないだけである。父親と愛人との間にできた腹違いの姉、ユキがおり、今は遠く離れているが、幼少時は一緒に暮らし、一緒に遊んでいた。

水羽の章は、ユキが再び水羽の前に姿を現したところから始まる。これまでの章で水羽は、ツンツンしたとっつきにくいキャラとして描かれていたのだが、ユキが現れたことにより、ユキにべったりくっつくようになり、言動が幼くなる。かわいい。

昔一度だけ優しくしてもらったことで主人公に惚れており、主人公に告白するためにユジと協力してアプローチを仕掛けてくるが、主人公は金を稼ぐことで忙しく、全く興味がないため、それをかわし続ける。

BADでは、無防備に1人で主人公の部屋を訪れた水羽を、主人公が都合のいい女として抱いてしまい、主人公からの愛情を与えられなかった水羽は精神が摩耗して自殺してしまう。

水羽エンドでは、主人公が水羽に愛情を注ぐので2人のイチャイチャを見ることができる。甘えてくる水羽が最高にかわいい。甘えてくるときは幼くなる系ヒロインっていいよね。しかし、なぜかいきなり3年後に話が飛ぶので、もっとイチャイチャを見せろよという気持ちになる。途中でユキが自分と母親を捨てた水羽の父親に復讐するシーンがあったり、父親と水羽、そしてユキが和解するシーンがあったりするのだが、最後は水羽と結婚して終了。ちなみに父親のCVは緒方賢一

この章では「魔王」との対決は、水羽と付き合わなかった場合に起こり、実はユキが「魔王」側の人間であったことがわかる。ハルと主人公は、ユキを通じて「魔王」と対決するが、最後にはユキが負けて主人公の養父につかまり、殺されかける。そこを主人公が身を挺して守ったところで、次の章へ進む。

水羽のCVは海原エレナさんで、とにかくつきあっているときの水羽が可愛かった。ヤンデレが入っているのもイイネ・

 

f:id:shanxdl:20200425163715p:plain 宇佐美 ハル うさみ はる

 

5章のヒロイン。「魔王」を追いかけ続けている少女。その正体は主人公の父親に連帯保証人を押しつけて2億の借金を背負わせた張本人である男の実の娘であり、母親はプロのヴァイオリニスト。なお、父親は主人公の父親に復讐のため殺されており、(そのため主人公の父親は捕まって、死刑の判決がでている)母親は海外でコンサートを行っていた際に「魔王」が起こした爆破事件によって殺されている。

ハルの章では、前章でユキをかばったことからヤクザに追われていた主人公の前に宇佐美が現れ、主人公に自分の正体を明かし、幼いころ友達のいなかった自分と遊んでくれて、主人公の事がずっと好きだったことを明かす。主人公はそれどころではなく、ハルを追い返す。

そのとき、「魔王」による立てこもり事件が起きる。「魔王」は自分が雇われていた会社の重役と、高名な政治家の1人を人質にとり、その会社のビルに立てこもって、その周りを封鎖した。ここで「魔王」の正体が明かされ、なんと主人公の兄だったことが明らかになる。これが多分叙述トリックで、魔王が出てくる場面では、今まで自分の事を「浅井」と名乗っていたが、主人公が「アザイ」と読むのに対し、自分は「アサイ」と名乗っていたという(せこい)。さらに主人公の兄に関する情報は、申し訳程度に数年前に留学中、テロに巻き込まれて死んだことが語られている程度で、意図的に情報が隠されていた。

兄は父親の無念を晴らすべく行動しており、最終的な目標は父親を刑務所から解放すること、そして父親の仇の娘であるハルを殺すことだった。その時点で主人公はすでに娘に罪はないとしてハルの事を赦し、恋人になっており、2人は協力して「魔王」最後の事件に立ち向かう。事件はいくつものトリックの応酬を経て、最終的に「魔王」の焼死という結果に終わり、EDが流れる。

これだけで終わるなら期待外れという評価をしていたところだが、ED後に思わぬ落とし穴があった。

ED後も話は続き、「魔王」が実は生きていて、ハルを殺そうと主人公のアパートまでやってくる。ハルも母親を殺した「魔王」には深い殺意を持っており、主人公からハルへの殺意は消えても、ハルの殺意は消えていなかった。魔王は最後にハルに自分を殺させることで、ハルの人生を汚すつもりだったのだ。それに気づいた主人公はとっさにハルより先に自らが隠し持っていた拳銃で兄を撃ち殺す。

これで事件は終わり、主人公は警察に捕まりハルをかばうため、嘘をつきとおす。これまでのヒロインたちが面会にやって来るが、主人公は傲慢な態度で心で泣きながらそれを追い返し続ける。このシーンはかなり心に来た。

そして時は流れ、主人公に課された刑期8年が終了し、主人公は釈放された。刑務所から歩き出す主人公の前にハルと子どもが現れ、自分の事をお父さんと呼ぶ。主人公は殺人犯の娘を生ませてしまったことに絶望する、という終わり。

CVはかわしまりのさん。安定したうまさで特にいう事は無し。

ハルも昔は天才ヴァイオリン少女だったのだが、母親の死がトラウマになってヴァイオリンを弾けなくなっている。彼女はそれをG線上に魔王がいると表現するのだが、タイトル要素はそこだけなので、どうなんだろうなという気もする。

いつもはアホな言動をしているが、ここぞというときには思考を回転させ、切れ者になるキャラは好きだが、「魔王」に負けるシーンが多いうえに、なんだか細かく考察するとトリックに矛盾が出てくる可能性があるので、詳しくは語らないことにする。

 

この後味の悪さを含めてED後が、この作品の評価を上げているのではないかと考えた。このエンドは、ハルに汚点を作らず、幸せに暮らしてほしいという主人公の願いとは反するが、ハルの幸せは主人公と暮らすことであるため、ある意味ではgoodエンドともいえる。しかし、またもや親のせいで悲しい思いをすることになる、何の罪もない子どもが生まれてしまった主人公の気持ちを考えると、私はこれはbadエンドよりなのではないかと考えた。

 

・その他

 

「魔王」のCVが福山潤なので、完全にギアスじゃねーか、と1人で突っ込んでいた。

また自分は古い作品をオマージュした話や曲がとても好きなので、BGMがG線上のアリアをはじめとするクラシックのアレンジになっていたのはとてもよかった。

 

・最後に

 

名作と呼ばれる作品をプレイしたが、事前のハードルが高すぎて、さすが名作!とはならなかった印象。それでも物語が二転三転していく様はさすがだと思ったしED後にも驚きの要素があったりして、名作たるゆえんは感じられたと思う。

物語のなんでも要素としてヤクザが使われていたが、なんだかヤクザに万能感が感じられて、もう少し違う要素を足してほしかった感じがした。

12年前の作品だけあって絵が古いが、それでもシナリオ目的なので十分楽しめる作品だと思った。