shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題25

 

 

どうもこんにちは、shanです。

最近は順調に積みゲーの消化が進んでおります。

というわけで、今回紹介する作品はこちら。

 

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『黄昏のフォルクローレ』

 

Citrusより2019年6月28日に発売された「黄昏のフォルクローレ」です。

Citrusは「SHUFFLE!」、「月に寄りそう乙女の作法」などで有名なNavelが立ち上げた姉妹ブランドであり、この作品はその処女作に当たります。

私はいつまでも「つりおつ」がプレイしたくて待っているのですが、なかなかセール対象になってくれない...。

この作品は「つりおつ」でも原画を担当された鈴平ひろ先生が単独原画を担当されており、なおかつメインヒロイン役の遥そらさんが自身のツイッターで出来について語っていたため、以前から気になっていました。

 なお「フォルクローレ」とは英語のfolkloreをスペイン語読みしたもので、民話とか伝承といった意味があるようです。この作品の時代背景が(多分)大正時代に設定されていることを考えると、あっているのではないかと思います。大正浪漫すき。

また、本作のライターは「ハピメア」を書いた森崎亮人先生であるため、シナリオに関しては期待せずに入ることができました。ハピメア」お前絶対許さんからな...。

 

余談ですが、遥そらさんは2021年4月1日から音泉にて歩サラさんと「SORASARAニュースタイム」というラジオ番組を隔週にて始められています。「処女ラジ」の終了に伴い、エロゲ声優ラジオを探していた私にとってはありがたい番組なのですが、この第一回放送で、パーソナリティの2人が他己紹介をする場面がありました。その中でお互いのことをメインヒロインの声質を持っている、と紹介しながら遥そらさんは王道のヒロインが、歩サラさんはIQの低いヒロインが似合う、という話をされていました。個人的に遥そらさんは「サノバウィッチ」の因幡めぐるや「金色ラブリッチェ」の妃玲奈の印象が強く、おバカなヒロインといえば遥そらさんのイメージがあった私にとっては少々驚きでした。しかし、今回のメインヒロインのような深窓の令嬢的な演技もとても素晴らしく、改めて遥そらさんのすごさを感じました。

 

余談終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

ロープライス作品であり、攻略対象はメインヒロイン一人だけ。シナリオは一本道だが、ラストでBADとTRUEに分岐する。またTRUEエンドを見た後に「黄昏逸話」という10分程度の本編のサイドストーリーを見ることができる。プレイ時間は15時間ほど。

 回想シーンは9回で、うちフェラのみが1回、オナニーのみが1回。ロープライスにしてはシーン数は多いと思う。

 

 

・あらすじ

 

医者の息子であった主人公、隈方有馬(くまがたありま)は5年前、父の得意先だった帝都有数の名家「乙部(おとべ)家」で起きた事件をきっかけに父を亡くし、天涯孤独の身となってしまう。しかし、その事件に責任を感じた乙部家は彼を引き取り、一人娘である乙部すぴかの従者として働かせた。生まれつき体が弱いすぴかは権力争いの巻き起こる本家から離れ、別邸にて穏やかに時を過ごしていた。なぜ男である主人公が年頃の娘であるすぴかの従者になったのか、5年前に起きた事件とは?その答えは夜の帳が降り、主人公を呼ぶ鈴の音がすぴかの部屋から聞こえた時に明らかになる。そう、すぴかは人の精気を食べる化物だったのだ。5年前に屋敷で起きた事件とは、すぴかの化物の血が覚醒し、能力が暴走して屋敷にいた人間の命を全て吸い取ってしまったことだった。主人公はなぜか命を吸い取られても生きており、それが目に留まった乙部家によってそれ以来、すぴかの「食べ物」として、従者になってそばにいることを許されていた。

なお、このエナジードレインは空気を通じても行えるが、すぴかは主人公の精液を通して主人公の命を吸うのが好きで、主人公と性行為を行う事を好んでいる。主人公は死なないとはいえ、いつも死ぬ寸前まで精気を吸われており、そのせいでほかの女性と性行為をしてしまったらすぴかにあげる分が足りなくなって死ぬのではないかというトラウマが刻まれており、女性に興味が持てない、という設定が面白いと思った。

触らなくても精気を吸い取れるのはチートすぎないか??

後、私はどうしても「有馬」というと苗字だと思ってしまうため、すぴかの呼ぶ「有馬」が苗字呼びに聞こえて最後まで違和感があった。

 

そんな偽りの平穏の日々に、ある日一つの事件が起こる。それは、帝都で男たちが精気を吸われたかのような姿の死体で発見され、またすぴかの姿が目撃されている、というものだった。身に覚えのないすぴかと主人公は、事件の真相を探るため、調査を開始する、というもの。

 

・キャラ

 

f:id:shanxdl:20210424180751p:plain 乙部 すぴか おとべ すぴか

 

白髪!白髪!

主人公の仕える帝都有数の名家、乙部家の一人娘。その正体は、古来より乙部家が飼っている「人間を喰らう鬼」との交配の末に産まれた「祝い子」。「祝い子」は超常的な力や頭脳を持っており、乙部家はその力を使ってのし上がっていった。すぴかは「初代祝い子様」以降初めて産まれた、力の強い「個体」で、その覚醒を待つため、屋敷にて監視されていた。化物としての性質が強いため、普通の人間の食事はあまりとることができないが、酒からは「酒精」という言葉もある通り、ある程度は栄養を摂取することができる。また自身が人を食べることを受け入れられていないため、「食事」は完全に空腹が我慢できなくなったときだけであり、そのためいつもは体が弱く、すぐに体調を崩し、本性は自堕落で主人公に身の回りの世話をほとんど任せている。主人公の事を「食べて」いるときは「夜」の人格と入れ替わり、「昼」の人格は「夜」のことを覚えていないが、「夜」の人格は「昼」のことも覚えている。

 

すぴかは主人公と、身分を隠して酒を飲みに酒場へ行った帰り、「夢」を見る。それは過去に「夜」の自分が主人公を「食べて」いるシーンだった。そのことを主人公に話すと、主人公が何かを隠していることに気付くすぴか。すぴかは主人公と気まずくなり、気を紛らわせるため1人で深夜に外出し、そこで自分によく似た少女に出会う。彼女は乙部家ですぴかを「祝い子」として崇めない分家が「作った」祝い子候補であり、すぴかたちが追っている事件の真犯人だった。すぴかはその少女に殺されそうになるが、「祝い子」としての力が覚醒し、「昼」と「夜」の人格が一体化するとともに、その少女の精気を吸い取って殺してしまう。主人公はすぴかを探して街に出ており、今回の事は主人公が「食べもの」として殺される運命を回避し、すぴかのそばを離れる絶好のチャンスであり、もう戻ってこないだろうと考えていたすぴかだったが、主人公は帰ってくる。屋敷の玄関で主人公を待っていたすぴかと主人公は抱擁し、すぴかは主人公に告白する。主人公も、すぴかが人を食べるのは生き物として「自然」なことであり仕方のないこと、自分がすぴかに食べられている限り他人には被害が出ないこと、父を殺されたのは思うところがあるけれど、それよりもすぴかのそばを離れたくないことを告げ、2人は初めてのキスをする。すぴかは主人公に自分のすべてをあげると宣言し、自分が化物として暴走してしまった時は主人公に殺してくれるように頼む。

命を含めた自分のすべてをあげる、と告白してくれるヒロインが個人的に好きなのでこのシーンはよかった(ハガレンウィンリィめっちゃ好き)。また、自分の命を主人公に預けるほど主人公に依存しているすぴかが可愛くてよかった。後主人公も、化物になっていくすぴかを危惧し、実際に首を絞めかけるシーンがあるのもポイントが高い。ただ、ここでHシーンがなかったのはマイナスポイント。告白した後の盛り上がりをどうすれば!?

その後しばらくはイチャイチャ日常タイムが続く。今まではSEX=食事だったすぴかが情欲からくるSEXへの欲望に困惑したり、主人公に従者としてではなく、恋人として扱ってもらっていることを感じるために乱暴にしてほしいと頼むすぴかが可愛かった。さらに今まで主人公を「食べて」いた罪悪感から立場が逆転し、主人公に攻められる側になったすぴかが可愛い。

しかしすぴかは主人公の事を大切に思うあまり、主人公のことを死なない程度に「食べる」ことができなくなり衰弱した結果、また悪夢を見る。それは自分が帝都の人間を食べ尽くす夢で、自分の中の化物が怖くなったすぴかは主人公とのSEXの最中、自分の事を愛していると言ってほしい、と頼む。主人公は今まで一度もすぴかに「愛している」と告げたことはなく、すぴかはそれを自分が主人公に課してきた境遇のせいで思うところがあるのだろうと解釈していた。しかし、ここになっても主人公は頑なにそれを言うことを拒み、失望したすぴかは衰弱が進み、ある日夢遊病のように意識のないまま深夜に外出し、人を「食べて」しまう。それによってさらに化物に思考が寄ってしまったすぴかは、主人公の生きるのをあきらめないでほしいという頼みをかなえるため、「死んでもいい人間」を食べて生き続けることに決める。それは人間としての考え方とは決定的にずれており、主人公はすぴかが狂気に落ちたとして殺そうとするが、できなかった。主人公は一度すぴかの元から逃亡するが、また戻ってくる。そこで主人公は、隈方家が代々乙部家の「祝い子」についての研究を行っていたこと、すぴかはその「研究成果」であること、自分はすぴかの心の平穏を保ち、覚醒を促すためにすぴかのそばにいたことを独白する。

 

ここで主人公の事を信じないとBADエンドになる。主人公が自分の事を愛してくれていないのだと感じてしまったすぴかは、「手が滑って」主人公の命を吸いつくしてしまう。その後は自分を利用しようとした乙部家の人間を皆殺しにするが、帝都をさまよっていたところを主人公が持っていた銃を渡され、それで自殺する(拳銃を渡された描写のみ)。すぴかにとって主人公の「愛」とは「命」と同義であり、「愛」が欲しかったすぴかは主人公を食べることでそれを得ることができた、という終わり。

 

主人公のことを信じるとTRUEエンドになる。いずれのエンドでもすぴかは主人公がした独白に裏があることに気付くが、主人公が「愛している」と言えなかった理由は、すぴかを利用している負い目があったからだった。しかしすぴかは、主人公に遠慮せず、自分をぶつけてきてほしいと感じており、主人公を食べて殺してしまわないように、捕まえて飼おうとする。主人公は何とかその場から逃げ出し、対策を練る。実は主人公にも「祝い子」の血が混ざっており(隈方家には養子)、すぴかに「食べられ」てもしななかったのはそれが原因だった。主人公を失ったすぴかは、対外的にも「祝い子」としての地位を確立しようと、自身のお披露目パーティを計画する。その場に呼ばれた主人公がこっそり会場に忍び込むと、すぴかは力を解放し、パーティ参加者の命を吸っているところだった。しかしすぴかの目的が参加者を死なない程度に搾り取って恐怖を植え付け、「祝い子」という信仰を打ち砕いた後、自分に殺されることだと気づいた主人公は、わざとすぴかに密着して自分の腕を拳銃で撃ち、すぴかの死を偽造した。

すぴかを連れて屋敷に帰った主人公はすぴかに愛を伝え、未来への希望が持てないすぴかに自分の子を産んでほしいという希望を与えた。2人は真に和解し、すぴかは主人公を信じて主人公を「食べる」ことを再開した。

エピローグでは時間が現代に飛び、世代交代により「祝い子」としての血が薄れ、普通の人に近くなったすぴかの子孫の姿が描かれる。

 

互いの命を握り合うヒロインと主人公、という関係は個人的に好きだが、今回のシナリオに関しては主人公がヒロインに想いを伝えていれば一発で終わるシナリオだったために、どこか薄っぺらさを感じてしまった。

後、私は最終回に現代に飛ぶタイプの時代物が好きではないので(鬼滅の刃)、それだけはやめてほしかった。

 

CVは遥そらさんで、病弱なお嬢様らしくお腹に力を入れない囁くような話し方がとても似合っていて可愛かった。特にHシーンではこの囁きボイスの破壊力が数段上がると感じた。また、エピローグで登場する子孫のすぴか(同名)はギャルっぽい話し方であり、私の考える普段の遥そらさんらしさが出ていて、安心感があった。

小柄で白髪なキャラデザや、大正風の衣装もよき。

 

 

f:id:shanxdl:20210424195248p:plain  阿久戸 麦 あくと むぎ

 

圧倒的負けヒロイン。主人公と同じく乙部家に仕える女給。主人公がすぴかと共に本宅に住んでいたころ、2人と知り合っている。すぴかが主人公に告白してから、すぴかの新しい首輪として本宅から派遣されてくる。故郷の実家が猟師兼農家だったが、地主の息子が麦との婚姻を強行しようとした為に、帝都に一人出奔してきた経緯を持っており、男が苦手だが、主人公には好意を抱いている。制服は、すぴかのかわいい服を集める、という趣味によって着させられたどこかのカフェーの服で、追加報酬をもらって着ている。明るく朗らかな性格で、いるだけで空気を明るくする存在。主人公とすぴかの「食事」の様子を本宅に報告する義務があるため、主人公たちの情事の際は常に扉の外で耳をそばだてており、かなりの耳年増で処女。

麦は基本的に屋敷ですぴかの世話を焼くため、本筋には絡んでこず、居間でうたた寝をしていたところを主人公にお姫様抱っこで運ばれる、主人公に煽情的なメイド服姿を見られる、などのすぴかの嫉妬要因として描かれるが、最終盤で主人公がすぴかのそばから逃げた時、けがをした主人公の手当てをしながら主人公に告白し、全てを捨てて一緒に逃げようと誘うシーンはとてもよかった。何度か話したが、私は地位や財産、などを捨ててヒロインと2人で逃亡する展開がとても好きなのである。今回は主人公がすぴか一筋なのでその提案を断り、麦は「ずっと好きでした。」というセリフと共に主人公を送り出す。ここで麦を選ぶ選択肢が出てほしかったなぁ...。

CVは小鳥居夕花さん。圧倒的巨乳キャラで、こんなにいい人を使っているのになぜ攻略できないのか...!

 

f:id:shanxdl:20210424200537p:plain 弓張 月子 ゆはり つきこ

 

すぴかが通う女学院の同級生で、その正体は「祝い子」の失敗作。最初は帝都で起こっていた事件の犯人がすぴかだと思い、正義感からすぴかを止めるために殺そうとするが、主人公の説得によってそれが間違いだったと気づく。その後すぴかと和解し、すぴかの監視役としてすぴかの屋敷で暮らすようになる。月子は「祝い子」としての力は弱く、強い感情を吸っていれば人を食べなくても生きていける。また他人から認識されなくなる、という能力を持っている。それ以降は何かにつけ、主人公に協力し、主人公を助けるが、それはすぴかを止めるためだけではなく、主人公が実の弟であるからだった。そのことは明言しないものの、主人公も何となく月子が姉であることに気付いていた。

エピローグでは「祝い子」として老いが遅いため、何代にもわたって主人公とすぴかの子孫を見守っていることが描かれる。主人公はすぴかに命を吸われていたために早く死に、すぴかもまた主人公が死ぬのと同時に死んだことが語られる。

 

また、TRUEエンド後にタイトル画面から解禁される「黄昏逸話」では、主人公がすぴかのパーティを止めに行っている間、月子と初代「祝い子」が邂逅しているエピソードが語られる。初代「祝い子」は本物の人外であり、自身の血を通して血縁者に自分の意識をのせることができた。すぴかが見ていた悪い夢はこの初代が憑依したことにより起こったものだったのだ。また、初代に憑依されると、人食いの衝動が抑えがたくなることを自身の経験により知った月子は、「祝い子」を永遠になくすため、初代を拳銃で殺す。人の理の外に生きる初代は、肉体の死を終わりととらえておらず、大人しく殺されるのだった、という終わり方。なんだか大事なところがサブキャラによって消化されてしまった感が否めないと思う。

CVは花園めいさんで、久しぶりに声を聴いたなと思う程度だった。また申し訳程度に甘いものがすきでズボラだという要素が足されているが、特に活かされてはいなかったので残念。

 

 

・終わりに

 

期待せずにフラットな気持ちで入った分、随所の設定に惹かれるものはあったが、全体の流れとしてみると、もう少しうまくできたかな、という印象はあった。ロープライスだから仕方のないことだと思うが、特に麦も攻略させてほしかった。しかし、遥そらさんの演技、また鈴平ひろ先生の綺麗なイラストはさすがだと思った。