shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題23-2

 

 

さくっと2つ目をクリア。

 

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9-nine-そらいろそらうたそらのおと

 

「9-nine-」シリーズ2作目は、主人公の妹である天(そら)に焦点を当てた、「9-nine-そらいろそらうたそらのおと」です。この作品は2018年4月27日、前作からちょうど1年後に発売されました。

本作のキャッチコピーは

「忘れられないこと、忘れてはいけないこと。」

前作のキャッチコピーと比べて、ヒロインである天個人への表現が強く出ているように思います。

 

前作の感想はこちら。

無題23-1 - shanの落書き帳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

前作と同様に攻略キャラは1人。シナリオはほぼ一本道だが、最後の選択肢でBADルートとTRUEルートに分岐する。

プレイ時間も前作と同様に1周目が4~5時間、2周目が2時間くらい。

回想シーンはBADで1回とTRUEで2回の計3回。

 

・あらすじ

 

前作「ここいろ」で都と協力して学校に現れた炎の能力を持つ「ユーザー」を倒し、ソフィーティアから「アーティファクト」のことを聞いた翌日からスタート。シリーズものなので、1作目と共通するところは飛ばしてくれるのがありがたい。

今作でもソフィや都と協力し、「アーティファクト」回収のための仲間探しをすることになる展開は変わらないが、今作の世界線(枝)では都の好感度を上げないため、流れが変わっていく。

都と下校せず、喫茶店ナインボール」にも寄り道せず、まっすぐ帰宅した主人公は、部屋に侵入してきた天の様子から、天が「ユーザー」に選ばれたことに気付き、以降は天と行動を共にするようになる。2人は白巳津川市の伝承が今回の事件と類似していることから、伝承を調べることにする。

 

以降の展開はキャラ紹介欄にて。

 

・キャラ

 

f:id:shanxdl:20210323210707p:plain 新海 天 にいみ そら 156-82-58-77

 

主人公の実妹で1つ下の高校1年生。社交的で誰ともすぐに仲良くできる天真爛漫な性格をしており、主人公とは日常的に憎まれ口をたたき合っている。重度のブラコンで、主人公の呼び方が無数にあるが、よく使うのは「にいやん」と「にぃに」。しかし、強いストレスなどにさらされると本来の臆病な性格が顔を出し、主人公に依存気味になり、呼び方が「お兄ちゃん」に変わる。こういう普段はおちゃらけた呼び方をしているのに、真剣な時は真面目になる系の妹キャラは好き。またふざけているとき(ほとんど全編)の主人公との言葉のドッジボールが面白過ぎる。
所持している「アーティファクト」はバングルで、能力は自分を含めた自分の周りの「存在感の操作」。これにより尾行などの隠密に向くが、主人公をはじめとした「抵抗力」の高い相手には効かない上、複数人に同時にかけると効果が指数関数的に減少する。

天は自らの能力を使って、あの地震の後から異常に人を惹きつけていた、学校の1つ上の先輩、香坂春風(こうさかはるか)を「ユーザー」だと疑い尾行を行うが、何者かに捕まってしまい、主人公と都は天の救出に向かう。

なお、春風に関しては3作目のメインヒロインであるため、ここでは名前のみの紹介にとどめる。

天を助けに行った神社で、主人公は春風の所属する組織「リグ・ヴェーダ」を名乗る集団からの勧誘を受ける。「リグ・ヴェーダ」は、コードネーム「司令官」(本名高峰蓮夜 たかみねれんや 春風と同じクラスでCV杉田)、コードネーム「エンプレス」(春風)、コードネーム「ゴースト」(正体不明のフードを被った女、CV小鳥居夕花)で構成されており、その目的は「アーティファクトユーザー」のための理想郷をこの世界に作ることだった。しかし、手段として「アーティファクト」の力を用いて世界を支配し、殺人などの悪事を肯定したことで主人公と都の怒りを買い、戦闘になる。1作目で描写された石化事件の犯人、「魔眼」の正体はゴーストであり、それ以外にも複数の「アーティファクト」の力を使いこなすゴーストの圧倒的な力の前に主人公たちはやられそうになるが、そこに結城希亜(ゆうきのあ)が助けにあらわれる。希亜は主人公たちが通う喫茶店ナインボール」の常連で、自らの正義のため悪事を働く「ユーザー」を裁く活動を行っていた。

なお、希亜に関しては4作目のヒロインのためry)。

厨二病の希亜によって、「リグ・ヴェーダ」に対抗する「ヴァルハラ・ソサイエティ」なる組織を結成させられた主人公たちは、以後希亜、都、天、主人公の4人で正義のための活動を行っていくことになる。

一方でゴーストに宣戦布告された主人公は、天を守るため自らも戦う事を決意する。主人公たちはしばらく「リグ・ヴェーダ」との接触を避けながら、春風の懐柔と、ゴーストに関する情報を集めようとするが、それらがうまくいかないうちに主人公がゴーストと遭遇してしまう。ゴーストの目的は「アーティファクト」の蒐集で、「リグ・ヴェーダ」もそのために嫌々所属しているに過ぎなかった。まだ「アーティファクト」の力を使えない主人公はなす術なく敗北し、魔眼によって石化されそうになったとき、天が助けに現れる。天は主人公を助けたいという強い想いで能力が覚醒し、ゴーストの存在を世界から消し去ることに成功する。

ゴーストとの戦いは、セリフ回し、展開などすべてが厨二全開で、王道の厨二バトルものが好きな自分としては素直にかっこいいと思った。特にゴーストの「お互いこれからは不干渉で行こう」→「とでも言うと思ったか?」の流れが王道で好き。小鳥居夕花さんのドスの効いた声が聞けるのも珍しいのではないだろうか。

 

ゴーストとの戦いには勝利したが、能力の代償として天の「スティグマ」の浸食が進み、天の能力が暴走して天自身が消えていってしまう。さらに能力の暴走の副作用として、天の欲望が暴走し、情緒が不安定になって主人公のそばを離れなくなる。普段元気なキャラの弱気な部分は、ギャップがあってかわいい。このときずっと「お兄ちゃん」呼びに戻るのもgood。

ソフィは対抗策として、「アーティファクト」との契約を強制的に破棄する薬の製造に取り組むが、その制作期間の3日のうちに症状は進み、とうとう天と、その力が移ってしまった主人公は、この世界から存在を認識されなくなってしまい、両親から忘れさられ、指紋認証や自動ドアさえ受け付けなくなってしまう。自分だけではなく、主人公にも迷惑をかけてしまっていることに気付いた天は心が折れてしまい、自らを犠牲にすることで主人公を助けようとする。主人公は天を引き留めるため、なんでもしてやると口にするが、それに対する天の回答は恋人にしてほしい、というものだった。

ここで選択肢が現れる。このタイミングで現れる選択肢が重要過ぎてその演出に震えた。しかし、直前に天が言った、「最後の思い出に...」という言葉から、ここで天を抱くと、天が満足して消えてしまう事は容易に想像が着くと思う。

 

天の提案を受け入れるとBADルートに入る。天はずっと主人公の事が好きで、昔から主人公だけを隠し撮りしたアルバムを作っていたり、部屋に押しかけてきたのも主人公の寝顔を盗撮するためだったり、風呂上りに裸でうろついて女として意識してもらおうとしていたりと、結構愛が重かった。好き。主人公は薄々天からの好意に気が付いており、高校に入って1人暮らしを始めたのも、天との距離を置くためだった。しかし天は離れている間も主人公への愛を育て続け、ついに天とセックスする。最初は倫理観が先に立って勃起しなかった主人公が徐々に勃起していく描写とか、天の、妹を捨てて女の顔になった絶妙なCGとか、とにかくこのシーンは最高だった。演技も上手で、背徳感がうまくあらわされていたと思う。セックスを終え次に目が覚めた時、天は消え、主人公は天の事を完全に忘れてしまっていた。タイトル画面にもどるときの暗転で、ウインドウに表示されない「さよなら、お兄ちゃん。」のセリフ、そしてタイトル画面で天が消えた背景、が演出としてとてもよかった。

ただ1つ残念なことは、OP映像にこのシーンのCGがあるため、展開が予想できるということだ。CGは白一色の背景に儚げに笑う天だけが写っているもので、天の能力と合わせて展開がこのCGからだけでも予測できるため、OPに使わないでほしかったと思った。

 

タイトル画面からもう一度ゲームを始めると、「選択をやり直す。」から先ほどの選択肢の場面に戻る。ここでもう一周やらなくていいのは親切だと思う。天の提案を、後ろ向きな願いはダメだ、前向きに、天が元気になるためならなんでもしてやるとして受け入れないと、TRUEルートに入る。天が主人公にしてきた盗撮の数々を打ち明けた後の主人公の「気持ち悪いな。」で一気にギャグの空気に持って行ったのはさすがだと思った。この空気でそのセリフは言えんだろ...。

主人公は天の告白をなかったことにせず、きちんと考えることを約束する。そして薬が完成し、天は「アーティファクト」との契約を解除し、普通の人間に戻る。それと同時に能力によって存在を消していた「ゴースト」も復活してしまう。主人公は薬の副作用で眠ってしまった天を置いて、ゴーストとの決着をつけに単身で向かう。そのために主人公はソフィから、物語序盤で回収した炎のアーティファクトを譲りうけ、その力を手に入れる。ゴーストは「魔眼」、「空間からの槍の射出(Fateギルガメッシュみたい
」、「瞬間移動」の3つの能力を駆使して主人公を追い詰めるが、春風が助けに現れ、アーティファクトの力によってゴーストを押さえつける。最後は「魔眼」の力が暴走し、自らが石となってゴーストは死ぬ。しかし、その場面を目撃した蓮夜との連戦が始まり、力を使いつくした主人公と春風がピンチになった時、都、天、希亜が助けに現れ、蓮夜に薬を注入して強制的に蓮夜のアーティファクトとの契約を破棄し、戦いに勝利する。この、強敵を倒して満身創痍になったところに新たな敵が現れる展開は割と好きなのでよかった。マシンマスター→デスマシーンを思い出す。

リグ・ヴェーダ」を倒し、平和を手に入れた主人公たちは一旦日常に戻り、主人公は天からの再告白を受ける。それで倫理的な側面から渋る主人公に、天は恋人にしなくていいから一回だけ抱いてほしいとお願いする。そこで、主人公が天に欲情したらセックスをし、しなかったら金輪際あきらめるという勝負をすることになる。このあたりの天のテンションが完全に悪口を言い合っているときの延長線上で、文章では説明できないが、セリフの抑揚のつけかたも相まって、完全にギャグに振っていて面白かった。いわゆる「バカゲー」ではない、普通の純愛もののエロゲ―で、Hシーンをエロではなくギャグに寄せるという手法は始めて見たし、それを実行したライターもすごいと思った。またそれにより、天の可愛さが強調される点もすごい。

だって初めてのHシーンがこれなんだもの。

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こんなに笑ったHシーンは初めてだった。

 

その後、主人公はゴーストを殺してしまったという罪の意識にさいなまれそうになるが、天が主人公の手を握ってくれたことで、天と支え合って生きていくことを決意して終わり。

エピローグではアーティファクト騒動の黒幕が、与一(主人公の親友ポジ、男なので説明してなかった。シナリオにここまでほぼ絡んでいない。)と、ソフィーティアであったことが明らかになる。
主人公の親友が実は主人公の敵だった展開や、胡散臭いマスコットキャラが実は悪いやつだった、とかも厨二的展開の王道でよいと思った。特に与一は主人公との友情に葛藤を覚えるタイプではなく、本物の悪みたいで、私はそっちの展開の方が好きなのでよかった。

 

天のCVは沢澤砂羽さん。安定すぎるし、演技がうますぎる。我々はこの声がエロゲでまだ聴けることに感謝し、祈りを捧げなければならないのだ。声とキャラ的にはノラととの明日原を思い出すが、こういうウザかわ系のキャラをきっちり可愛く仕上げられるのは本当に演技がうまいと思った。特に主人公のネタに突っ込むときの声と、ネタを放置されたときの声が好き。

 

・最後に

 

この2作目で物語の全体像がある程度見えてきたように思う。話やキャラにも厚みが出てきて面白くなってきたと思うので、是非3作目にも期待したい。