shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題35

 

 

みなさん、お久しぶりです。shanです。

今回は初手謝罪から。

記事の投稿期間があいてしまい、申し訳ありませんでした。

できるだけ毎月1つは記事を投稿することが目標だったのですが、BDSPの諸々に絶望したり、1月の指振り大会ルールに絶望したり、シリーズ12のルールに絶望したりしておりました。

そんなこんなに負けず、今後もできるだけ間隔を空けずに投稿していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

それでは今回の作品はこちら。

 

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きみはねCouples

 

2019年1月25日にBaseSon Lightより発売された「きみはねCouples 彼女と彼女の恋する2ヶ月ちょっと」です。BaseSonと言えば、「恋姫†無双」シリーズで有名なブランドであり、その大元は株式会社ネクストンの一ブランドです。このネクストン系列には「アマカノ」シリーズで有名なあざらしソフトなども含まれています。

この作品は2015年1月23日に発売された「きみはね 彼女と彼女の恋する1か月」をアフターストーリー込みで再販した完全版であり、タイトルからわかる通り、男性キャラの一切登場しない百合ゲーとなっています。前から百合ゲーには興味があり、本作はその中でも有名な部類に入ると思ったこと、原画家のMtU先生を艦これの同人誌で知っていたこと、fanzaで100円で投げ売られていたこと、を理由にプレイすることを決めました。

ちなみに好きなきらら系作品は

ひだまりスケッチ

けいおん!

まちカドまぞく

です。対戦よろしくお願いします。上2つ古くないか...??

 

草食系男子が台頭しているこの時代、やはり求められるのは露骨で無粋な竿役ではなく、女の子同士の綺麗なじゃれ合いなのだということですね。まあその分、この作品に関しては女の子同士の平凡な日常を淡々と描くものになり、過度な期待をするとひどい目にあうのですが...。ちなみに私は最近生えていても許せるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

ヒロインが3人いて、その組み合わせは3通り。よってルートも3つ。

回想シーンは

陽菜×文 2

倫×陽菜 2

文×倫  3

アフターストーリーではキャラが1人増えるが、カップリングは決まっており、

祥子×聖夜子 1

とそれぞれのアフターが2回ずつ。

総プレイ時間は4時間+4時間ほど。

 

なお、カップリングの前後の順番に関しては意味を考えていない(そもそもその文化はBLだけか?)のであしからず。

 

・あらすじ

 

天使が現れるとの噂がある、ミッション系の全寮制女子校「聖葉(せいよう)女子」。夏目陽菜(なつめひな)、浅生文(あそうふみ)、緒方倫(おがたりん)の3人は同じ春に入学し、同じ寮にてルームメイトとなって生活していた。彼女たちには幼い頃に天使を見た記憶があるという奇妙な共通項があった。クリスマスが近づく12月、3人の暮らす部屋の中で「天使の羽」を拾ったことから、物語は動き出していく。というお話。

 

物語は12月の始めからクリスマスまでの1か月、アフターは本編のすぐ後からバレンタインデーまでの1か月半の計2か月半となっている。世界観の根幹にかかわる「天使」に関する情報が所々に出てくるものの、基本的には3人の中身のない日常会話をメインに話は進んでいく。したがってこれより後は個別ルートのところで説明していく。

 

・キャラ

 

今回は同じキャラが2つのルートに関わるので、キャラ単体での紹介とする。

 

f:id:shanxdl:20220109205944p:plain 夏目 陽菜 なつめ ひな 152-76-56-75

 

明るく活発で、単純で素直な性格。子犬のように常にテンション高く接してくる。クラスでは委員長を務め、また寮の室長もしている。恋愛初心者で自分の気持ちをうまく制御できないが、その分一途で尽くすタイプ。カメラが趣味で、小さいころ偶然天使(らしきもや)を写真に撮ったことがある。

自らがカップルとして話に関わるルートではその精神年齢の低さが取り上げられることが多く、その言動の幼稚さが目に付くこともあったが、一転して自らが傍観者となる残りの1ルートでは一番大人な部分を見せたキャラ。ぶっちゃけ文×倫ルートの陽菜が一番好き。

CVは倉田まりやさん。ところどころロリボイスがしんどそうと思うところはあったが、大ベテランの名に恥じぬ文句なしの演技だった。

 

f:id:shanxdl:20220109211008p:plain 緒方 倫 おがた りん 168-80-56-81

 

成績優秀でクールな美人で通っているが、中身はグータラでコミュ障のダメ人間。ニヒリストで理屈屋だが、そんな自身の無い自分にコンプレックスを持っている。寮の自室では眼鏡にジャージ、どてらを着て官能小説を読むのが趣味な耳年増。小さいころ、1人で留守番をしているときに天使に会ったことがある。

パーソナルスペースが広くなかなか他人に心を開かないが、文×倫ルートでは誘い受けであることがばれ、文にイジめられるドMと化したのが面白かった。

CVは真中海さん。風音様が出演していることも本作を買った動機の1つだったのでよかった。安定の演技のうまさ。

 

f:id:shanxdl:20220109211739p:plain 浅生 文 あそう ふみ 157-88-59-88

 

優しくふわふわとした性格。誰にでも敬語で話し、倫と陽菜のことも苗字+さんづけで呼ぶ。一方2人からも浅生さんと呼ばれている。微妙に距離感を感じるのは気のせいか...? 元家庭科部で実家は洋菓子店という家事担当で、3人のお弁当を作ったり、洗濯も担当している。ぬいぐるみを蒐集する少女趣味を持ち、小さいころに見た天使の事を今でも信じている。

このキャラ造形だけに母性をメインに描かれることが多いが、文×倫ルートでは小悪魔な一面も見せる。

CVは花澤さくらさん。こちらも大ベテランであり、文句のない素晴らしい演技だった。2022年3月をもって声優業の引退が発表されているため、もう新作を聞くことはできないが、ちゃんと演技を聞けてよかったと思う。

 

f:id:shanxdl:20220109212537p:plain 鷹岡 祥子 たかおか さちこ  163-83-60-87

 

サブキャラ。3人の住む寮の管理人。酒とタバコが好きなダメ人間でよく倫にタバコを自販機まで買いに行かせたり()、倫に官能小説を貸したりしている。趣味は絵を描くことで、よく倫や文にヌードモデルを頼み、断られている。その正体は5年前に堕天?して人間の姿になった元天使で、アフターでは彼女の過去が語られるとともにルートも存在する。

CVは藤乃理香さん。今まで聞いたことがなかったが、出演作をいくつももつ大ベテランさんだった。声は年上のお姉さんキャラによくマッチしていたと思う。

 

 

f:id:shanxdl:20220109213138p:plain 鷹岡 聖夜子  たかおか みやこ 160-83-59-88

 

アフターのみに登場。本編では3人を見守る天使として地の文に登場する。この作品における天使とは、天地開闢の時から人間を観測し続けていた上位存在のことで、人間にはその姿は見えないが、ごくまれに波長が合ってその存在を感じられる人間が現れる。天使は現在、過去、未来のすべての可能性を視ることができ、聖夜子は3つのルートすべてを可能性として識っていた。そこに同じく元天使である祥子が、3人を観測していた聖夜子に気付き、観測者としてではなく、自分自身の手で彼女たちの未来を見るために、天使としての永遠の退屈から脱し、人間の肉体でともに生きることを提案する。

アフターでは堕天?した聖夜子が、祥子の従妹として、また聖夜子という名前を与えられて、4人目の寮生として話に加わることになる。天使の世界には色がなかったため、肉体を手に入れてからの全てが新鮮で、毎日を感動の連続で過ごしている。また押しが強く、控え目ながらも自分の意見を通すことがある。アフターでは自分を堕天させたきっかけである祥子に惹かれていく。

こういう造形のキャラが一番Hがでかいのはすごくわかる(わかる)。

CVは夢月やみさん。知らない人だったが、抜きゲーを中心にかなり出演している模様。ふわふわとしたキャラの性格が良く出ていたと思う。

 

 

・各ルートあらすじ

 

12月5日の陽菜の誕生日を祝うまでは物語はほぼ共通で流れていく。また、同じルートでも視点が各キャラ分用意されており、そのキャラの心情描写が異なる。しかし、三人称視点(聖夜子視点)で話が進むことも多くあり、シナリオ差分としてはそれほど多くない。

 

〇陽菜×文

 

じゃれて陽菜が文に膝枕をしてもらっているうちに2人はお互いを意識するようになる。陽菜の誕生日の日、2人で寮の屋上から星を見て、お互いが名前+ちゃんづけで呼び合うようになってから、お互いの恋心はどんどん大きくなっていく。天使をいまだに信じているなんて子供っぽいと悩む文に、自分も天使を信じると陽菜が約束したり、見つけた天使の羽が風にさらわれて窓から飛び出してしまい、それを追いかけて川に飛び込んで陽菜が風邪を引いたりして、フラグを立てていく。風邪の看病のとき、文が思わず陽菜のおでこにキスしたことで、陽菜からも告白し、2人は恋人となる。後は2人でイチャイチャして、倫にも付き合っていることを伝え、倫の仲介で学校内のチャペルで結婚式の真似事をして終わり。

アフターでは文の実家の洋菓子店がバレンタインの用意で忙しく、文がその手伝いに行き、陽菜もバイトとして手伝いに行く。そこで文の父親が文が結婚して店を継ぐ話をしたことで、女同士で付き合っていることに対して将来の不安を抱えた2人は、お互いのため「ままごと」を辞めて友達に戻ろうとする。しかし、そんな2人の様子に気付いた倫と聖夜子が2人を諭し、2人は自分たちの未来に肯定的になり、お互いの両親に付き合っていることを告白して認めてもらって終わり。

 

どのルートにおいても言えることだが3人部屋でその中の2人が付き合うと、余った1人がかわいそうだと思った。どのキャラも2人とは親友なのでその関係を見守っていきたいと言う気持ちになっているのだが、それはそれとして疎外感がすごいと思う。倫の場合は見て見ぬふりを選択するが、明らかにバレバレなのも気まずいと思った。

本編ではトラブルは何も起こらず、アフターではとってつけたような問題が発生するが、シナリオの尺が短すぎてあっという間に解決するほか、特に同性で付き合っていることへの葛藤や将来への不安といった王道を征く問題が、その心理を描き切ることなく終わってしまうのは残念だった。やりたいことはわかるのだが、もう少し丁寧な描写が欲しかった印象。また2人のHシーンの動きが子どもすぎて、あまり関係性が進んでいないと感じる組み合わせでもあった。

 

 

〇倫×陽菜

 

倫は中学までバレエをやっていた。それは大学教授とその助手で忙しくしていた両親に、自分の事を見てほしいと思い始めたことだったが、発表会にも来てくれない両親に倫はそれを辞めてしまった。ひょんなことからバレエの動きをやってほしいと倫に頼んだ陽菜は、その優雅な姿がかっこよくて一目ぼれしてしまう。また部屋の掃除をしているとき、陽菜は倫が読んでいたレズものの官能小説を見つけ、倫も女同士がありだと思っているのか気になるが、それを聞けずにいた。そして、倫が悪戯で陽菜にキスしようとしたことで、陽菜は怒ってしまう。倫は陽菜の気持ちがわからず、陽菜に嫌われたと落ち込むが、文が陽菜の好意を倫に伝えたことで倫も自分が陽菜を好きなことに気付く。倫はヘッドホンを聞いている陽菜にこっそり告白するが、実は陽菜はそれを聞いており、2人は付き合う事になる。その後、陽菜に内緒で祥子の所でモデルのバイトをしてクリスマスプレゼントを買おうとしていた倫に陽菜が嫉妬したりするが、無事クリスマスに倫から陽菜にチョーカーを渡し、初めて倫の口から陽菜に好きだと伝えて終わり。

アフターでは好意を向けられることになれていない倫と、全力で倫にくっつきに行く陽菜との対比が描かれ、倫は1人の時間も欲しいとして陽菜との距離を置いてしまう。倫は自分に自信がなく、陽菜からのまっすぐな好意を受け止められずに逃げていたのだ。そこを陽菜に気付かれ、2人はケンカをすることになるが、結局倫が陽菜を大事に思う気持ちに負けて謝り、2人は仲直りをして幸せなキスをして終わり。

陽菜に対して余裕をもって接しているように見えて、本当に救われていたのは倫の方だった、という対比が好き。チョーカーを首に巻くと倫の犬になって何でも言う事を聞いてくれる陽菜という設定や、体が感じやすく、倫に触られるとすぐにイッてしまう陽菜という設定がよかった。また陽菜は陽菜でちゃんと倫の本質を理解していた、という部分もよかった。

 

〇文×倫

 

陽菜の誕生日会に間違えて買ってしまったシャンパンを飲み、酔っぱらった文が倫にキスしたことでお互いを意識するようになる。その後、お互いに好きだと自覚しているが、倫がヘタレなために告白できない状態が続く。その後体を重ね、お互い名前で呼び合うようになって恋人の関係になる。倫は天性の誘い受けを発揮し、2人はクリスマスイブのチャペルでSMプレイをするが、その場面を陽菜に見られてしまう。陽菜は2人の関係を知って寮の部屋を移ろうとするが、ずっと3人でいたいという2人の強い希望を受けて、これまで通り3人で仲良く暮らすことになって終わり。

このルートだけ中身なさ過ぎだし陽菜がかわいそうだろ...。

アフターでは両親に甘えられなかった倫が、ひたすら文に甘え、文も倫を甘やかすことに充実感を覚える、という共依存まっしぐらの関係になる。ところが倫が将来設計まで文に丸投げしたことで、文は倫の可能性を自分が潰しているのではと不安になる。そんな中、バレンタインの手伝いで実家に帰っていた文はテレビの取材を受け、そこから芸能事務所にスカウトされる。倫は文を取られることを心配し、妨害しようとするが、陽菜からそれは文を自分のいる場所に引きずり堕としているだけだ、と指摘される。文は結局映画のオーディションを受けることにし、倫は文なしでも自立できるように文のいない間寮で家事を手伝う。しかし、自立できていなかったのは文も同じで、今回の事はお互いに自立できるようになるため一旦距離を置こうとした文の作戦で、オーディションも実際には受けに行っていなかった。今回の事で少しは自立できるようになった2人は仲直りのHをして終わり。

陽菜の精神年齢が高すぎてかつ倫のダメ人間っぷりが強調されるため、そのギャップがすごかった。陽菜ルートだと主導権をとる倫が文に翻弄されっぱなしなのも面白かったが、もっと一つ一つの出来事に尺が欲しかったというのが正直なところ。

後一番レズプレイしてたのはこのルートだと思う。

 

〇祥子×聖夜子

 

アフターのみのルート。この物語の設定が語られるルートでもある。

祥子は陽菜、倫、文が幼少期に見た天使の正体だったが、本編開始時の5年前にのえるという一人の人間と出会ったことで堕天した。のえるは放送部の不良娘で、放送室にあった無線機を通じて祥子と会話していた。祥子がタバコを吸うのはのえるが吸っていたから。祥子はのえるに惹かれて堕天するが、のえるは重病を患っており、祥子が堕天したその日に病気で死んでしまう。以降祥子はずっとのえるを失ったことを後悔しながら生きてきた。しかし祥子は聖夜子に堕天をそそのかしてしまい、また聖夜子の姿がのえるの姿をもとにしたものだったのでそれに戸惑う。聖夜子は祥子から今まで見た中で一番美人の姿で堕りてこいと言われたために偶然のえるの姿で堕天した。聖夜子は徐々に祥子に惹かれていくが、祥子は自分が聖夜子と会話したために起こったインプリンティングだとしてこれを拒否する。祥子と聖夜子の話はアフターの3ルートすべてで起こり、周回を重ねるごとに関係性が深くなっていくが、三周目では聖夜子は一度祥子にフラれてしまう。それは祥子がのえるのことを忘れられず、聖夜子からの好意を怖がったからだが、四周目で聖夜子は、祥子が毎週欠かさず掃除していた放送室でのえるの過去の姿を視る。そこでは寝ている祥子の横で、自分の死期を悟ったのえるがこれからは自分の事は忘れて、自分自身のために生きてほしいと語っていた。それを祥子に伝え、聖夜子はもう一度祥子に告白し、ついに祥子からのえるの呪縛を解き放って、好意を受け取ってもらう。

その後、これまでアフター全体を通して見られた誰かの三人称で語られていた地の文は、天使へと転生したのえるのものであり、聖夜子の活躍によって、ずっと探し求めていた祥子のハッピーエンドにたどり着くことができたことが述べられて終わり。

急に世界観が変わってびっくりする話。それはいいとしても、この設定も題材はいいのにサブキャラ同士の話なのでいまいち描写しきれておらず、尺が足りないと思った。

女の人がタバコを吸っているのは昔の恋人が吸っていてそれを忘れられないから、という設定すごく好き。

 

・終わりに

 

本作のライターは小難しいことをはさみたがるのか、例えば天使は色を視ることができない、という話の時には「マリーの部屋」というカットインが入ったり、他にも「シュレーディンガーの猫たち」や「コルディロックスと4匹のクマ」「フミ・チョコレート・パイン」など少しもじってうまいことを言おう感のあるワードが散見される。これが百合の世界観とあっていないほか、絶妙にダサイのでやめた方がいいと思う。

またシナリオについて言わせてもらえば、長くてダレる共通、中身のない会話が延々と続くのがつらく、また百合ゲーは付き合うまでの葛藤が大切なのに付き合うときの動機が薄く、またHシーンもほとんどが手マンもしくはクンニのみでバリエーションが無く、中身が薄い。EDがなぜかスキップできないところも周回のウザさに拍車をかけている。MtU先生のかわいいイラストを見ようにもシーン数も少ない、といいところがない。総じてもう少し丁寧に描写すればなあと思わざるを得ない作品だった。

 

ライターのうつろあくた先生のなろうページで本作のアフターssが公開されていることをメモ代わりに残しておく。