shanの落書き帳

ポケモンときどき〇〇

無題30-2

 

 

みなさんこんにちは、shanです。

前回はひどいものを見せられましたが、ある意味こちらが本命ということで、もう少しお付き合いください。

今回プレイした作品はこちら。

 

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d2b vs DEARDROPS - Cross the Future -

 

OVERDRIVEより2011年11月25日に発売された「d2b vs DEARDROPS -Cross the Future-」です。前作「DEARDROPS」の1年後に発売された本作は、圧倒的人気を誇った「キラ☆キラ」との合同ファンディスクになっています。「キラ☆キラ」に関しては、単体でのファンディスクも存在するため、2つ目のファンディスクとも考えることもできます。私は「キラ☆キラ」のファンとして、この作品はずっとプレイしたかったのですが、前回「DEARDROPS」をプレイしたことで、ようやくこの作品をプレイする権利が得られました。ただ、ライターは「DEARDROPS」の人単独なので、そこに不安もありました。また、原画も「DEARDROPS」の人になっています。

 

無題30 - shanの落書き帳

前回のアレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・攻略

 

このゲームは全年齢なので、Hシーンは無し。

攻略も選択肢はあるものの、ルート分岐があるわけではない。

総プレイ時間は4~6時間ほど。

 

 

ちなみに、あらすじ説明において、「キラ☆キラ」のキャラが出てきますが、ここでは詳細に説明しないので、そこはご了承ください。

 

・あらすじ

 

DEARDROPS」律穂ルートと「キラ☆キラ」きらりtrueルートの後の世界線で、「DEARDROPS」の主人公(以下、翔一と記載)がドイツに行ってから3年後、きらりが歌手としてデビューしてから5年後から始まる。

律穂は残された日本でバンドメンバーと練習に励んでいたが、テレビで翔一ときらりがイギリスでコラボしたという番組を見る。翔一の成長を見て、律穂は自分も成長できているだろうかと不安に思う。一方「キラ☆キラ」の主人公(以下、鹿之助と記載)はバンドを辞めて社会人として生活していたが、日々のストレスがたまっており、毎日陰鬱とした生活を送っていた。そんなとき、きらりが日本に帰ってくるという連絡があり、時を同じくして翔一も日本に戻ってくる。2人はイギリスでのコラボによって仲良くなっており、帰ってきたきらりは、自分のデビュー5周年のライブを「DEARDROPS」と「第二文芸部バンド(d2b)」の対バンで行いたいと提案する。しかし、d2bの元メンバーである千絵、紗理奈、鹿之助は皆社会人として働いており、練習する時間が取れないことやもう長らく楽器を触っていないことなどを言い訳にその誘いを断る。昔d2bが福岡でやった「伝説のライブ」として語り継がれている映像を見た律穂は、きらりのソロではなく、d2bと対バンを行いたいとして、3人を説得しようと試みる。きらりは「他人の人生の選択に干渉することはできない。他人の人生をめちゃくちゃにする権利は他人にはない」として、説得をあきらめていたが、律穂は「人と関わらずに生きていくことは不可能なのだから、それならとことん関わるべき。他人の人生をめちゃくちゃにしてもかまわない。」という自分と翔一の経験を土台として話を進める。その律穂のある意味まっすぐな志を受けて、きらりも再び説得を試みる。

「キラ☆キラ」メンバーは「DESRDROPS」メンバーより社会人な分精神的に大人であり、それゆえ達観してしまって昔ほど熱くなれないというところが強調されているように感じた。それ自体は悪くないし、かといって律穂のようにいつも我を通そうとするとわがままに映り、印象が悪いときもあるので一概にどちらの方がいいとは言えないと思った。ただ、このシナリオ全体を通して、大人でなってしまったがゆえに保身に走りがちで、音楽に捨て身で向き合えなくなった「キラ☆キラ」メンバーを律穂(とたまに翔一)が諭す、という構図が多く、それは単調に感じた。

きらりと律穂の説得を受けて、紗理奈が今の退屈な自分を、昔のようにまた変えたいとして、バンドをやることにしてくれる。それを受けて千絵と鹿之助もバンドを再びやることにしたが、3人とも社会人(紗理奈:実家の傘下企業の1社の社長、千絵:介護職、鹿之助:サラリーマン)のため時間が取れない。また、鹿之助が練習しているところを律穂に見られ、本気になりきれていない甘さを指摘され、また翔一にプロを目指している自分たちとアマチュアの鹿之助たちは目指すところが違うから仕方ない、と無自覚に煽られたのをきっかけに、「本気」を出すことを決意する。d2bメンバーは9日間のお盆休みを利用して合宿を行うことにし、翔一の住んでいるライブハウスの屋上にテントを張って、練習することにする。律穂はきらりの歌に衝撃を受け、無意識にライバル意識を抱く。そしてきらりに何のために歌っているのか聞いたところ、「世界を幸せにするため」という回答を聞き、その目指すものの大きさと、自分が答えを持っていないことに圧倒され、敗北感を感じる。きらりはd2bとDEARDROPSで合同で新曲を作りたいと提案するが、律穂はきらりに並んで歌える自信がなくなっていたため、それを拒絶する。きらりは律穂に拒絶されて傷つき、鹿之助はきらりのために、新曲を作ろうと律穂以外の協力を得る。鹿之助はきらりのことを一番に考えており、自分の幸せよりもきらりの幸せを願っていた。鹿之助がバンドを辞めたのは、きらりの隣に立てる才能がなかったからで、それならきらりが世界に羽ばたいていったときに帰る場所になろうという決意をしていた。律穂はきらりの前から逃げ出してしまうが、追いかけてきた翔一と話をして、自分の歌う意味を「世界と自分をつなげるため」であると考えるようになる。立ち直った律穂は曲作りに参加するが、妥協しない性格のせいで新曲づくりは遅々として進まない。見かねたd2bメンバーが妥協も大事だと説得するが、律穂は頑として譲らない。そこで翔一も助け船をだし、律穂は自分の欲望に忠実なだけで、欲しいものを欲しいという事はいけないことではなく、欲しい気持ちを隠している人は、自分が傷つくのを恐れて最初からあきらめているだけだ、ということを語る。安パイに走りがちだったd2bメンバーはそれを聞いて妥協しないことを決める。

鹿之助は合宿中の飲み会で、自分には幸せになる権利がない、とこぼしてしまい、きらりを傷つけてしまう。それは「キラ☆キラ」本編で鹿之助がきらりの両親を火事から見殺しにしたこと(どうせ助からないタイミングだった)に由来する、きらりに対する負い目だったが、鹿之助を誰より幸せにしたいきらりにとっては致命的な一言だった。きらりは鹿之助を、鹿之助はきらりを一番幸せにしたいと考えていたにもかかわらず、すれ違いが起きていた。きらりはまた、世界を幸せにする事の難しさにも気づき、もう歌うのを辞めようかと鹿之助に告白するが、鹿之助はきらりの歌が大好きで、世界中にきらりの歌を聞いてほしい、きらりの歌は世界を幸せにする力がある、と信じていたため、まずは「自分が幸せになる」ことをきらりに宣言する。そうすれば、自分を幸せにしたいきらりも、幸せになることになる、と。

DEARDROPS」のライターは、本編から一貫して「世界は変えられないが自分は変えられる。」、「自分を変えれば世界(の観方)は変わる。」ということを主張しており、今作でも山場にこれを持ってきている。

これに関しては正論だと思うし、素晴らしいと思うが、少なくとも「キラ☆キラ」の主張はこれではないわけで、「キラ☆キラ」の登場人物にこれを言わせるのは違うのではないかと思ってしまった。「キラ☆キラ」本編のきらりは決して鹿之助のためには歌っていない、もちろんそうするときもあるだろうけれど、「世界を幸せにする」ことを第一に考え、どんなに苦しくてもそれを実行する女の子だったのに、本作のきらりは世界も大切だけど鹿之助の方が大切だと言ってしまう。私は「キラ☆キラ」本編をプレイしてから大分間が空いて、細かい部分までは覚えていないが、「キラ☆キラ」から一気にやるともっと違和感が増すのだろうなと思う。

その後、なんやかんやでライブは成功に終わる。

エピローグでは、きらりがまたアメリカへ半年間ツアーへ行くことになり、鹿之助は自分が幸せになるためにきらりにプロポーズする。きらりはイギリスで行われるロックフェスにDEARDROPSを推薦し、律穂と翔一は海外で活動することを決意する。

 

 

・キャラ

 

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d2bメンバー

左から鹿之助(ベース)、千絵(ドラム)、きらり(ボーカル)、紗理奈(ギター)

 

原作絵と異なるが、これはこれで好き。Hシーンがあってもよかったのに...。

「キラ☆キラ」本編から5年後の世界なので、加齢して書かれている。それもまたよし。

 

参考までに

きらり CV中村知子 歌唱はAiRI

紗理奈 CV小島めぐみ

千絵 CV瑞沢渓かわしまりの

 

小島めぐみさんは地声だと結構テンション高いのに、おっとりお嬢様系の演技なのがびっくりした。

 

 

DEARDROPSメンバー

 

本編と変わらないので割愛。

 

・音楽

 

本作のために書き下ろされた、「Happy Crossing」というd2bとDEARDROPSの合同曲がすごくよかった。特にサビのリズムと裏で鳴っているバイオリンがとてもいい。

ただ新曲も作って、5年間のブランクから練習して、というのを1か月でこなし、「つたない演奏だったが、お客さんも喜んでくれた」レベルまで仕上げるのは、シナリオの流れ的にはひどくご都合主義に思えたが。

 

・終わりに

 

前作に比べて、「キラ☆キラ」のキャラが入るからか、「DEARDROPS」キャラのうざさが緩和されたように感じた。シナリオについても、「キラ☆キラ」本編とキャラの性格が違う、という致命的な欠点はあるものの、全体としては奇をてらわず、きれいにまとまっている印象を受けた。

違うライターが書いたキャラを一つにまとめることの難しさを改めて感じた作品だったと思う。